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転生女神のお仕事シリーズ

転生女神のお仕事 物語は私が作る! ~ TKGで番外編 ~

作者: 夕暮れの家
掲載日:2015/09/25

静かな教室で先生が何かを言いました。


先生は何事もなかったかのように説明を続けました。

今回はこんな話です。

「俺はあの時、熊を助けて……死んだのか?」


 見渡す限り真っ白な、境界が曖昧な世界で俺は目覚めた。

 いつもの帰り道、猫に轢かれそうになっている熊を見かけ、気付いたら飛び出していた。

 その後のことは覚えていない。


「やっぱり死んだんだろうな俺」


 霞がかった頭を振り、現状を理解しようと辺りを見回すと眩しい光を背にした人がいた。

 澄み渡った青空のような女性の声が聞こえた。


「貴方にはこれから別の世界へと旅立って貰います」


 後光が目にしみる。光を見て泣くなんてクリスマスの夜以来だ。俺には眩し過ぎる。


「涙を拭きなさい。大丈夫、貴方が助けたアオモリマイマイは無事よ」

「よかったアオモリマイマイが無事で」


 女神様は太陽のように神々しく直視できない、思わず下を向いてしまった。


「ん? 大丈夫よ、PCデータは消去済みよ」


 心残りはない前を向いて生きよう、目が痛い。足元を見て堅実に生きよう。


「顔を上げなさい」


 上を向いて歩こう。


「男の子ね、でもクヨクヨしている暇はないわよ。貴方は転生して第九の人生を歩むのだから」

「はい、頑張ります」

「いい返事ね。きっと、貴方は歓喜の歌を聞くでしょう」


「歌はいいですよね。歌は心を潤してくれます」

「フフッそうね。さて貴方の転生について説明するわよ」

「はい、お願いします」


 先ほどまでよりも一つトーンを落として女神様は言った。


「貴方にはかけてもらいます」


 空からゆっくりと白くて丸い物が降りて来た。

 俺は腕を伸ばして両手でそっと包み込むように手に取った。


「ご飯に、ですね」

「ええ、そうよ人生をかけて」


「醤油はあるんですか?」

「薄口しかないわ。だから貴方はコイを追い求めて生きるのよ、人生をかけて!」

「わかりました。コイを求めて戦います、このミにかけて!」


「割れるとどうなるんですか?」

「死ぬわ」

「本当に人生をかけてますね。こういう転生って普通なんですか?」

「私が普通の転生なんかするわけないじゃない。卵に魂の核を入れるの大変だったんだから、既存の技術水準を遥かに超える、新技術よ!」

「すごいですね!」

「オーバーね!」


「卵かけご飯じゃないと貴方の魂は戻ってこないからね」

「因みにこれ半熟玉子だったりは?」

「生よ! 生を守りながら生を謳歌するのよ!」


「殻を割らないように生きるのよ。でも自分の殻は破ってね」


(ワル)い人には気をつけてね」


「あの」

「なになに!?」

「割らないでどうやって卵かけご飯作るんですか」


「つまり、コロンブスの卵ね」

「上手くないです」

「あら食べてみないと分らないわよ」


「少し腹を割って話しませんか」

「それでは有意義な異世界ライフを!」


 こうして俺の転生はライフがカラの状態で始まった。

お読みいただきありがとうございます。

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