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レッツサバイバル  作者: ノンノン
11/13

VS集落

「ブヒイイイイイイン!!」

「っ、爆風!」


 振り下ろされる斧を躱すため、爆風を喰らい後方に回避する。 

 吹き飛ばされるのも慣れたもので、空中で回転し滑るように着地し前を見据える。


 前方にはオークの集団。最初にお目にかかったオークがリーダーらしく、それ以外のオークが囲むようにフォーメーションを整える。豚のくせに案外賢いんだな。


 肩に乗っていた鳩は千華の元に逃げ帰っていった。

 千華を連れて逃げなくてはならないが、体力の少ない彼女を連れてオークから逃げられるかどうか。

 こいつらを連れて拠点に戻ればみんなが危険に曝されるので、ここでオークを撃滅するが、完全に撒いて帰るかの二択だ。


「千華、先に逃げてろ!後で追いつくから!」


 草むらに向かって声をかけ、目の前のオークに集中する。

 数は10。武器は斧、リーチは腕を合わせて3メートルはあるか。

 俺の武器は「爆拳」「小規模爆発」「爆風」。MPに限りがある以上、多数の相手は向かない。


「ブホッ!」


 飛び出したオークが斧を振り上げ向かってくる。こちらの手のうちを把握するための捨て駒か。

 のっそのっそと重い足取りで接近するオークの一撃を横に躱し、開いた腹に拳を叩きこむ。


 「爆拳ダイナマイトっ!」

 衝突の瞬間に拳から爆発が起こり、オークを吹き飛ばす。

 飛ばされたオークは斧を支えに立ち上がると、再びフォーメーションに合流した。


 直撃したはずの爆拳では、薄皮一枚焼く程度の傷しか負わなれないようだ。

 硬い皮膚に厚い肉、あれらを破って致命傷を与えなければ倒せない。しかし、相手は10、当たれば即死だろう斧も所有している。


 構え、お互いに警戒し合っているとハットが肩に降りたった。

 こくんと一度頷く鳩公、安全なところまで逃げたってことか。


 オークに背を向け、一目散で退散する。


「ブヒュッ!ビュルヒュバ!」


 豚の鳴き声が遠ざかるのを感じる、鈍足のオークでは追いつけないだろう。

 オークが見えなくなると、草むらから千華が飛び出した。


「なんですぐに逃げないのよ!」

「いや、いきなりデカい豚が目の前に出てきたら固まるって」


 ハットに確認させたところ、オークは追跡を諦めたようなので、一気に疲れを増した体を引きずり拠点へと帰還した。



「遅かったね。ちょうどお昼ごはんだけど、どうかした?」


 東樹の食べているシチューを奪い、一口で飲み干す。

 喉が焼けるように熱くなるが、これが堪らない。


「家があっから人がいるかと思ったらオークの集落だった」

「ゴブリン以外もいるんだね。怪我は?」

「平気。あいつら倒して家奪おうぜ」

「勝てそう?」

「そうだな。10匹しかいなかったしなんとかなるだろ」


 みんなが昼食を食べ終わると、早速「対オーガ集落部隊」を編成し出発の準備を整えた。


「僕と十五、暑士と冷也……あと気山きやまかな。案内役に千華、治癒に安藤さんの7人でいいかな?」


 

 東樹の案に反対する理由もなく、嫌がる千華を引きづってオーク狩りに向かった。

 ガサガサと草木を掻き分け1時間。藁の家の周りではオークがウロウロと徘徊していた。


「見張りか。炎と氷で遠距離からぶち込んで撃ち漏らしを俺と東樹で仕留める。OK?」

「十五。気山君の存在忘れてるよ」

「なんでもいいからあの気持ち悪い豚を早く片付けてよ」



 オークに恐怖心を抱いたらしい千華と安西さんを安全な距離まで離し、作戦通りに攻撃を開始する。


 家の周りにオークが3体、中にはおそらく7体。

 腰を落とし、接近のタイミングを計る。


炎球連射ガトリングファイアー!」

氷矢射出アイシングショット!」


 大気を凍らせて作成した3本の氷の矢がそれぞれオークを襲い、炎の剛球が藁の家に着弾に中にいるオークごと燃やしていく。


「ちょっ、新しい住居が!」

「近くに来るとちょっと臭いキツイし、どっち道住めなかったよ」

「お、お前ら余裕だな……」


 東樹と気山を後ろに飛び出す。

 燃え盛る家の中から慌てて出てきたオークは少ない髪が燃えている。

 冷也の攻撃が命中したオークラらも、出血はしているが致命傷には至らなかったらしく、斧を振り上げこちらを襲う。


 前方には血を流したオークが3匹、その後ろに少し焦げているオークが7匹。

 遠距離攻撃では硬いオークを一匹も葬れなかったか。


「ブヒィっ!」

 

 腰の傷口から血を撒きながら、振り上げた斧が襲い掛かる。

 

 斜め後方から爆風を起こし衝撃で斧を避け、そのまま傷口に拳をめり込ませる。


 ドッ!!と皮膚の内側で巻き起こった爆発にオークはよろめく。

 これでも死なないのかと驚きながら、抉れて肉が露出しているそこに左手で追撃をかけ爆発。


「ゴッヒュィィィィィッ!!」

「まだ死なないのかよ!」


 グロテスクな内臓が浮き出たまま、尚も倒れぬオークの傷口に3発目の爆発を叩きこむと、ようやく目から光を消し倒れた。


『レベルアップしました』


 やはり耐久力が高いだけあって経験値も多くもらえるようだ。

 視界のテロップを消し隣を見ると、東樹がオークの首を両断したところだった。

 どんなに生命力が強くとも首を離せば絶命するようで、頭を失った胴体は力なく倒れた。


氷塊アイスアーツ!」

炎槍ファイアーランス!……十五、気山危なそう!」


 後衛から魔法を放つ暑士の言う通り、右方でオークと相対していた気山は苦しい表情で攻撃を躱していた。


「気山、頭狙え!小規模爆発!」


 威力を抑えた爆発をオークの足元に発生させ、状態を崩す。

 短い脚では肉の塊を纏った重い胴体を支えることができず、オークはそのまま転倒する。


気合列弾パワーシュートォ!」


 下方の顔面に向け集中して放たれた気山の魔法が、醜い豚の顔面を更に歪に変形された。


気合列弾パワーシュート気合列弾パワーシュート気合列弾パワーシュート!」


 二発三発四発と、間隔を開けず顔面を集中砲火されオークは絶命した。


「っは、っは、くそっ!」

「気山、MP使いきったのか?後は任せて離れてろ」

「すまない……」


 肩で息をする気山を後方に下げ、東樹に合流する。

 すでに数は1体まで減っていたが、後方の暑士と冷也はMPを使い果たしてしまった。

 MPの回復は秒毎0,1%。回復をまっている時間はない。


「ブルオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!」


 一際大きい豚面の獣、リーダーと思われるオークは雄たけびを発し、地面を抉りながら跳躍し襲い掛ってきた。


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