解決していく問題と(2)
もうほぼほぼ一人称
正直面倒になった
次に投下し始めたいの書いてたらやる気失せてきたなぁ…
これからはテンポ上げていく
たまに二話投下とかしてちゃっちゃと終わらせます
「本当に断って良かったの~?」
「良かったの、別に」
互いに、家へと帰る方向は同じ。
だけど家路に着くその前に学校へと寄り、二人で葉柄の成果を聞こうという話になった。
だから二人は今、学校への道を戻っている。
日比樹少年と別れて。
「でも~、年下だよ~? 狙いどころだよ~?」
「だとしても、今は誰かと付き合うとか考えられないって」
あの子のせいで、松来くんにも迷惑をかけた。ともかく明日は真っ先に謝らないといけないな……。
……にしても……なんか、今日は色々とあり過ぎた……。
「考えられないにしてももうちょっとさ~」
……なんか、グイグイくるな……凍梨さん。意外にも恋愛系の話が大好きだったのか……。
いや同い年だし、そういうのに興味があるのは私と同じか……。
「ま~ちゃっかりキープしてるところを見ると、満更でもなかったってことかな~」
「キープとかそんなつもりは少しも無いけどね。今は本当に、自分のことでいっぱいいっぱいだったし」
それこそ、友達の作り方について、考えることは山ほどある。
「っていうか、そこまで恋愛ごとに興味があるんなら、どうして水月くんとは付き合わないの?」
よくよく考えれば、こうして私に付き添ってくれているのだって、全て水月くんのためだ。
彼自身がお願いしてきた、所謂「自殺の補助」。
それを断り辛くさせるために私に恩を売っているのだと思えば、こうしてついて来てくれたのなんて、彼女にはなんのメリットも無いことになる。
それなのにここまで骨を折ってくれるってことは……ただの友達、でする範囲を超えているように思う。
好意を持っていなければ出来ないことだろう。
それとも凍梨さんは私が思っている以上に友達思い……とか……? 私並に人助けが好き……とか……?
「どうしてって言われても~……あたし達は~、望むから殺し合いをして、望まれるから殺そうとするだけの関係だから~。そういう好きとかそんな感情は無いよ~」
「…………」
本当……だろうか……?
……まあ、私も恋愛ごとに対して熟知している訳でもないし……それにしても……。
「……でも凍梨さんって、水月くんのために、水月くんを……その……殺してるんだよね……?」
「そうだよ~」
「なんかそういうの聞くと、水月くんに尽くしてあげてるだけって感じがするのに……」
「いや~、でもそれはあたしも望んでることだしね~」
「望んでること……?」
水月くんを殺すことが、だろうか……?
……もしかして本当に彼のことが大嫌いで、彼を殺し続けることが嬉しくて、だから彼が死ぬかもしれないことにも積極的に協力している……ということなのだろうか……?
「あたしも葉柄も、互いに依存しあってるんだよ~」
依存……し合ってる……?
……そういえば放課後、いつも勉強を教えてるな……本当に大嫌いならそこまでのことまで面倒を見る理由にはならないはず。むしろ自分が殺す奴にどうして勉強を教えないといけないんだ! とか考えそう。
殺されることを望む水月くんと、殺したいと思っている凍梨さん。
そこで対等の関係が築かれている以上、さらに条件を出して、無理矢理教え合ってるようには思えない。
……いや、そうだ。
確かに無理矢理教えているはずはない。
だって私が「代わりに教えてあげる」と提案した時、凍梨さんは強く拒絶した。
もし無理矢理だったなら、その提案は呑んだはず。
……っていうか、今にして思えばあの拒絶……好きな人との時間を奪われるのをイヤがった、と見て取れなくもない。
……やっぱり、好きなのだろうか……? 本人が、自分の気持ちに気付いていないだけで。
好きな人が望んでいるから、積極的に殺そうとしてあげているだけで……。
……う~ん……。
「葉柄はまだみたいだね~」
なんて一人考え込んでいるうちに、校門前へと辿り着いてしまった。
……せっかくだし、色々とハッキリさせるためにも、なんか聞いてみようかな……。もし本当は恋愛ごとが絡んでるなら、それはそれで面白そうだし。
そこはやっぱり私も女の子。凍梨さんと一緒で他人の恋愛ごとには興味津々だったりするのだから仕方が無い。
「そういえば、水月くんってどうして勉強してるの?」
「? そんなの学生だからだよ~?」
「あ~……そうじゃなくて……」
言い方が悪かった……普通に首を傾げられた。
「水月くんは死にたがってるのよね? で、将来的に本当に死ぬつもりなら、勉強なんてしなくても良いんじゃないの?」
「真面目な木林さんがそんなこと言うとは思わなかったな~」
「そりゃ勉強するのが正しいことなんだろうけど、ちょっとおかしいなと思って」
将来野球選手になりたいのに、必死に国語を勉強しているような、そんな中途半端なズレを感じる。
間違えてはいないのだろうが間違えているような……そんな感じ。
「ま~、厳密には葉柄って~、死ぬのが目的じゃあないからね~」
「えっ?」
「葉柄はただ~、お姉ちゃんに迷惑をかけたくないだけなんだよ~。で、今出来ることが死ぬことで~、それに失敗して何も残ってないまま生き残ったら余計に迷惑になるから~、勉強もしてるんだ~」
死ねずに生き残って迷惑はかけられないから、生き残っても大丈夫なように勉強している……。
「……なんか、後ろ向きなのか前向きなのか、よく分からないわね……」
「ま~確かにね~」
あはは~、と笑う顔は同姓の私でも可愛いと思えるほどで――
「…………」
――だからこそ、その笑みが本心からなのか、自分の気持ちすら誤魔化すためのものなのかが、気になった。
「……凍梨さんは、それで良いの?」
「ん~? なにが~?」
「水月くんが死ぬこと」
「もちろんだよ~」
「……私が本当に、殺しても良いの?」
「…………」
笑みを張り付かせたまま、無言。
「……まぁ、普通の人間である私が、彼を殺したところで何も変わらないだろうけど」
今更感が凄いが、一応『前人間』ではないと否定もしておく。
「ただ……それでも私は、殺しても相手が死なないって言っても、誰かを殺すようなことはしたくないんだよね。だからさ、もし凍梨さんが、本当は彼を殺して欲しくないって言うんなら……」
「……………………でも~……」
笑みを剥がし、戸惑いながら凍梨さん。
「それだと~、葉柄を騙すことになるし~……」
「水月くんに、死んで欲しくないんじゃないの?」
「……それが葉柄の望みなら~、あたしは別に~……それよりも~……そういうのって、木林さん的にはダメなんじゃないの~?」
「確かにそうだけど……でもそういう昔の私を変えていかないと、クラスの中に友達が出来ていかないんでしょ? 凍梨さんにも水月くんにも迷惑かけちゃうし。色々と手探りで、融通利くようにしていかないと、ね」
少なくとも、自分を抑えてまで正義を貫いていた昔の自分は、変えていかなければいけないだろう。もちろん、相手に対してもだ。
「で、どうなの?」
「……よく、分からないんだ~」
赤くなっていない夕方の薄暗い空を見上げながら、寂しげに言葉を吐く。
「でも~、確かに木林さんには殺して欲しくないかも~……」
本心にも聞こえる言葉を。
それは、私に人を殺めて欲しくないからではなく、水月くんが死んでしまう可能性が高いからなのだろう。
やっぱり自覚してないだけで水月くんのことが好きなんじゃ……。
「……分かった」
「え?」
「それじゃあ、なんとか誤魔化せる方法を考えよう」
前までの私では考えられないことだ。
殺さないなら殺さないで、本人に直接話していただろうに……。
今は、誤魔化すための方法を見つけようとしている。
「そしたら水月くんは死なないしね。いや、どうせ殺しても死なないんだけど」
というか、『前人間』が人を殺せば本当に死ぬ、というのも本当かどうか疑わしい噂話でしかないんだけど。
「それでどうかな?」
「……要は、木林さんは葉柄を殺したくないってこと~?」
「ま、そうかも。なんだかんだ理由をつけて、殺さないで済む方法を探してるだけかもね。だって私、人なんて殺したこともないし」
確かにそういう一面もあるのは事実なので素直に頷いた。
「そっか~……もしかして木林さんって~、ちゃっかりしてる感じ~?」
「そんな評価はもらったことはないけど……」
でも、誰かを正しくして評価を上げ、さらに友達……じゃないんだっけ……気を遣ってくれる優しい友達のようなもの? まで増やしていたのだから、本当の本当はちゃっかりしていたのかもしれない。
「でも~……そうだね~……実は木林さんのこと嫌いだったけど~」
「えっ!?」
「そこまで嫌いになることはないかな~、とは思えるようになったかな~。今回のことで~」
き、嫌われてたんだ……いや、まあ、それが当たり前なんだろうけど……イザ面と向かって言われると……。
……でもこう言ってもらった方が良いってのもなんとなく分かるしね……うん。
「それじゃ、そういうことで良いの?」
「うん~。あたしも、なんか考えてみるね~」
あ、なんか友達っぽい。
後は何かしら、凍梨さんが水月くんのことを好きだと自覚すれば、水月くんを積極的に殺すこともないような気がするけど……って、自分のことが全く解決して無いのに、水月くんのこと考えてる。
まずは自分のことをどうにかしないと……。
改めてそう決めていると、遠くからこちらに歩いてくる男子生徒の姿が見えた。




