戦闘終了………?
今回は先に謝っておきます。急展開ですみません!!
全くもって、面倒だ。
「俺は、まだ……負けてない!!」
この国の三番座席とかいう位にいる脳筋と戦っていた。僕は、彼と数回刃を交え、出来るだけ苦戦しているように、より正確に言うなら、戦っている余裕が内容にふるまった。僕は確かにノーマルスペックだけど、1日の間、剣道有段者の舞さんと練習したからいなすぐらいなら簡単にできる。舞さんが教えるのが上手で助かった。あと、この人やっぱり弱い。僕の苦戦している演技を見て、苦戦していると信じこんでくれたんだもん。そのお陰で、油断してくれたから、剣だって楽に奪えたんだけど。
さっさと、諦めてくれないかな。剣を奪われた彼はまだ諦めていないように見える。いくら弾かれても、立ち上がってくる。うーん、体力だけはあるっていうか、タフなだけっていうか。そもそも、剣の振り方も舞さんに比べてなってないもんなぁ。ここが本当に異世界で自衛の必要があるのか疑わしくなってきた。それにしても二刀流で両手に剣持つのって案外しんどい。漫画とか小説のファンタジーもので二刀流ってたまに見るけど、皆凄い力持ちだな。鉛(この世界の物質だろうからあってるかは知らん。)の剣一本でも凄い重量だもんな。こんなもん振り続けれるほど僕は、ハイスペックじゃない。
「さっさと倒れてくれないかな。」
何度も立ち上がってくる青年に対して、腹に剣を当て、出来るだけ威力を殺しつつ、弾きとばす。これも、舞さんに教わった技だ。尤も、彼女は良く切れる鋼の剣でも相手に切り傷ひとつつけずこれが出来るらしいが。どれだけハイスペックなんだ、舞さん。
「お前が敗けを認めるまで俺は、何度だって立ち上がる!!」
シンプルにうざくなってきた。先程から、何回も、何回も、何回もにたような台詞を違うけれど、似たような言い回しで言いやがって。しかも、お前が何回も立ち上がってくるのを吹き飛ばしてるせいで、だんだん僕が悪者みたいな雰囲気になってきてるじゃないか。主人公でもないのに何度も立ち上がるんじゃねぇよ。
「くそっ。こうなったら奥の手を使うしか……。だが、あの技は禁術。使えば俺の身がもつかどうか……。」
すげぇ。そんな技があるんだ。僕は、呆れるよりも先に驚いてしまった。禁術なんてレアそうで、珍しそうな技を(どれくらい偉いのか知らないけれど)三番座席ごときが使えるんだ。彼の口ぶりからすると、その技はかなり危険なようだ。王女様の結婚の為なんかに使ってしまっていいのか。そんなことに命をかけれるのかこの国騎士は。それとも、たかが結婚、されど結婚みたいな感じなのだろうか。そうだとしたら、まぁ確かに結婚を阻止しようとしている僕は悪者で、許すべき敵なのかもしれないけど。うわー、今僕には魔王気持ちが良くわかる。
だって、この世界の魔王がどうかは知らないけど最近の魔王には正義があるもんね。昔みたいに、馬鹿みたいに世界征服をするんじゃなくて、働いたり、世界救ったりもしてるし。魔王ばかりが悪い訳じゃないよね。うん、魔王さん。僕には貴方の気持ちが痛いほど良くわかりました。今までゲームとかで倒してきてすいません。
「喰らえ!!ブラック・ブラッド!!」
青年はそう叫ぶと、自らの指先を少し噛んで血を流し、地面に血で模様なようなものを描く。いや、模様というより、魔方陣の方が近いかもしれない。そうだとしたら、この世界の魔法は魔方陣タイプの魔法なのかな。でも、禁術とか言ってたしこの技だけ魔方陣っぽいものを描かないといけないタイプかもしれない。僕が、考え込んでいるうちに、青年は魔方陣を描き終えたようだ。あれだけの血で良く半径一メートルの丸をかけたな。模様も細かいし。というか、技名叫んでから描くのかよ。無防備すぎじゃね?後ろからザクリといかれるよ?
「これで止めだ!!ブラック・ブラッドォォ!!」
少し台詞を変えてもう一度技名を叫ぶ青年。なんか凄そうな技だが大丈夫か?必中とかだったら、俺しぬかも。やべぇ。
……。
…………。
あれ?なにも起こらない。あれだけ凄そうな技名を叫んでいるのに失敗?なにも飛んでこないし、少なくとも僕には被害はない。うん。見かけ倒しっていうか、技名負けも良いところだね。いくら待っても僕には全然被害がないよ。そう、僕には。
僕の後ろの方でドサリ。という音がする。音が聞こえてきた場所と、音の大きさから察するにそこは観客席で。振り返った僕の瞳に最後に映ったのは。彼女ーー刃羽 舞が、舞さんが血にまみれ一身に抱えられているところだった。
―――――
次に気がついたとき僕は、組素高校の保健室にいた。ふわりとした布団を押し退けて僕の意識は覚醒した。
「夢……か?」
取り敢えず、僕は1人そう呟く。彼女が倒れたことも全部、夢だったのかな?僕がどうしてここにいるのか説明はつかないけど、あれらの出来事全てが現実と考えるより、まだ夢だったと考える方が現実として可能性が高いだろう。ふぅ。と一息つく。だったら、彼女も大丈夫かな。そう思った時だった。
「………っ!」
少し首に痛みを感じる。別にそれはどうでもいい。僕の痛みなんて去年、彼女が受けた痛みに比べれば、ノーダメージのようなものだ。それよりも、この鼻に漂う甘い香り。
………。あれ?夢のなかでも似たようなことがあった気がする。確か、夢のなかでも僕が起きたときこんな匂いがして、僕の隣ではーーー舞さんが眠っていた。その様子に僕は、激しく動揺する。なんで、僕と同じ布団を使っているのか。なんでここにいるのか。なんで、風紀委員長がここにいるのか。彼女を見てしばらく混乱していたが、彼女は起きたのか体を起こす。よし、大丈夫。最近ラブコメとかでありがちな露出イベントではない!!やっぱり、混乱から立ち直れていないようだ。
「おはよう二心。」
「えっ。あっ。うん。おはよう、舞さん。」
何故か、満面の笑みを浮かべた彼女の笑顔に見とれた僕は、ついしどろもどろの返事をしてしまった。
「格好良かったぞ。」
彼女はそう言って、再び夢の世界へ飛び立って行ってしまった。
読んでくださってありがとうございます!!
さて、(悪い意味で)急展開の第八話どうでしたでしょうか。書いた作者的にかなり、後味が悪い&中途半端感否めません。
補足?
ちなみに保健室には、彼と彼女以外、誰もいませんでした。




