生徒会会長の後日談
「……。何故、俺とあいつでこうも扱いが違うんだ……!?」
俺は、現在非常にナーバスになっていた。
と、いうのも、俺はこれでも生徒会長を二年連続で務めている歴代生徒会長の中でもかなり優秀と噂されているらしい。
勿論、俺自身がその噂を聞いたことはないので、自慢することは出来ないが、しかしそれでもそう噂されるほどには能力があると考えてもいいはずなんだ。別に、その程度で鼻にかけるつもりはない。というか、かけられない。あくまでも、俺は優秀だと噂されているだけだ。俺の双子の弟――和宮二心は、組素高校の中でも存在しなかった、生徒会の副会長と風紀委員の副委員長を同時に努めているのだから、実際に優秀なのである。何故か本人は否定しまくるが。あれは才能のないやつに謝らないといけないレベルだと思う。しかし、別に今は俺が優秀であるとか、優秀ではないとかそんなことは関係ない。
問題はただ1つ。生徒から慕われてる筈の生徒会長が軽んじられているということだ!
いや、確かに生徒には慕って貰えているのだ。何度かファンレターみたいなのも貰ったしな。だが、生徒会の奴等は、一度も俺を敬ったことがない。火凛なんか、俺を絶対零度のブリザードにさらし出すし。二心には一度も向けているのを見たことがない。なにその待遇の差。別に俺Mじゃないのによっ!
これでも、異世界で勇者やってたんだぜ?世界とか救ってるんだぜ?
なのに誰も敬わない。はぁ、全く嫌になるぜ。まぁ、この程度のマイナスで俺はダークサイドに堕ちたりはしないがな。なぜなら、俺は生徒会長だから!
「はぁ、おかしいだろ…。なんで二心の奴は舞とデートで抜けて、商村は積本といちゃらぶして仕事やってやがったのに、俺には誰もいないんだ!?」
「……脳内に花畑を咲かせるのは別に構いませんが、さっさと仕事をしてください会長」
そう、そうなのだ。二心が仕事を終わらせ舞と帰り、商村が積本と他の仕事を終わらせに言ったため、俺は火凛と二人きりである。別に気まずいとか感じたりはないが、関わると絶対にろくなことにならない。というか男子として見られてない気がする。前なんて、二心の言うこと丸飲みして、からかって来やがったし。なんか、本能的に勝てないと悟っている気がする。本能的って、全然理論的じゃねぇ。
「それに、生徒会長には私がいるじゃありませんか」
「くっ……、俺はもうその手には騙されない!」
静かな微笑みをその顔に称えて、俺にそう言う火凛。だが、俺とて同じ手に乗るほど甘いわけではない。そう言って俺をからかうつもりなんだろう、また。確かに、一瞬クラッとしたが、そのギャップにやられそうになったが、俺には辛うじて通じなかった。なんだが、自分の情けなさを暴露しまくっている気がするが、細かいことを気にしては敗けだ。
「いえいえ、前回は副会長に言われましたが、今回はその限りではないのですよ?会長」
彼女の笑顔がとても怖い。
恐怖を感じるというよりはなんだろう、得たいの知らないなにかと接触したときのような気持ち悪さと言えば良いだろうか。火凛の笑顔とか、普段見ないから、見せるとか不気味すぎる。いや、美人ではあるんだけど。しかし、笑顔とは本来、好戦的なものである。ほら、アニメとかでも戦闘狂は強い相手に出会えると大声で笑うだろ?それと同じだ。多分。
「それに、会長にはいつも感謝していますよ」
「その台詞が、脳内お花畑とか言ったのと同じ口じゃなかったら信用できたんだけどなーー!?」
「……会長は私の事を信用して貰えないんですね」
膝を折り曲げて指で床をなぞり、よよよ、と泣きじゃくる真似をするのかと思えばそのまま立ち上がる。……しないのかよ!?
俺の突っ込みは口には出ることなく、彼女の謎の行動――膝を折り曲げて座った後、なにもせずに立ち上がった行動の理由で頭が一杯だった。謎過ぎる。スクワットではないだろうし……。きっと、二心の入れ知恵である。あいつのネタに触れるとろくなことにならないからな。俺は、そのネタはスルーさせてもらう。
「……俺は、自分の伴侶は自分で見つけるんだ!!だから、火凛。お前の誘惑には揺るがない!!」
「あ、そうでした会長。そういえば副会長にこんなものを貰ったのでした」
そう言って、彼女が俺に見せるのは、二枚のヒラヒラとした紙切れ。その指と指の間に挟まれた紙が、左右にヒラヒラと揺れるたびに、背中を嫌な汗が伝う。嫌な予感――二心が言うに、和宮家は、良く当たるそうだが、それが現実になろうとしている気がする。その短冊丈の紙と似たようなものを俺もプレゼント二心にプレゼントしたことがある。
「えーっと、玄札テーマパークとは真逆の方にある、朱狩テーマパークの『ペア』チケットですね」
……いつかの仕返しか? 二心。
今度絶対、お前に玄札テーマパークのチケット送りつけてやるからな!?
覚えてろよ!!
勿論、この場にいない二心に伝わるはずもなく、後日送りつけたときに、舞といちゃラブしながら向かうのは別の話。
生徒会長……。
始めて書いたときは、こんなに弄られる予定はなかったんだけどなぁ…。
とか、思いつつ、書き上げました。
実際は、前回の投稿したときに連載中になったのを完結済にするために書いた話。
完結設定にしますが、後日談はもうしばらく投稿するかと思われます。……日は開きますが




