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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の至難
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お仕事

続く他者視点。もう少し続くかも知れません。

「ちょ、ちょっと休まないっすか?」


生徒会庶務の彼、商村 商くんは私にそう提案してきます。まだ、動き始めて十分とたっていません。同じ生徒会役員として、少し、情けない気がします……。ですが、ここで休まなければ、商村くんは後々面倒くさそうなので、休憩をとることにしました。私が、了解の意を込めて頷くと、その場にへたり込みます。……情けないです……。私とて、疲れていないわけではないですが、流石にこれは無いと思います。あとで、この情報を火凛先輩に届けて、何かいい運動メニューでも組んでもらいましょう。


「……もういい?」

「あーはいっす。もう大丈夫っすー。」


いつものように、返事をする彼。っすーっすー。五月蝿いのが悪い癖だと私は思います。今は、そんなことをいってる場合ではないので、急いで彼を立ち上がらせ、走り出します。逃げだしたら困るので、最低限手を繋いでいます。別に、私としては、そこまで気恥ずかしい訳では無いのですが、商村くんは気恥ずかしいのか、僅かに頬を赤く染め、行き場のない私の手と繋いでいない方の右手で頬をポリポリと書いています。私は、そんな彼を微笑ましいものを見る目で見ます。本当に、この幼馴染みの困った顔など滅多に見れるものではないのですから。


――――


「……もう行きますよ?」

「も、もうちょい待ってほしいっすー。」


生徒会書記の仕事は以前説明したと思いますが、本当はそこまで多くありません。なぜなら、私が書いているのは、生徒会役員が口にした言葉に限りそれ以外にはほとんど仕事がないからです。勿論、特例(舞先輩や、委員長クラスの先輩)は存在しますが、生徒会役員が生徒会役員として働き喋った時だけ、書き取ればいいからです。時たまに、メモ帳に副会長の女の子の心を掴む言葉口座や立ち振舞い口座なども書いていたりしますが、しかしそれは仕事ではないですし。つまり、今回のような、生徒会役員がバラバラに散ってしまっている場合は、私の仕事はないも同然なのです。そのため、私は商村くんのお手伝い(・・・・)として来ているのですが、当の商村くんが体力切れで、なかなか動こうとしないのです。


「……これは、副会長にも相談しなきゃいけないかも……。」

「それは待つっす!!」


私がそう口にすると、とても素晴らしい素早さで立ち上がってくれました。どうして、副会長のことをこんなに恐れている様子を見せるのでしょうか……?私にはよくわかりませんが、立ってくれたのでよしとしましょう。さて、これから向かう先は、保健委員のところです。保健委員長、いるといいんですが……。


――――


「お、届けに来てくれたのかサンキューな、商、志乃。」


そういって、包帯やら何やらを保健室に持っていった私たちをニッコリと微笑んで出迎えてくれたのは、保健委員長、鵜絡(うらく) 迅夜(じんや)先輩である。爽やかそうな顔に、今時の若い人の服装で少し軽薄そうな印象を受けるが、中身はむしろ真面目なのです。美化委員の小鳥遊先輩の数倍は真面目と言ってもいいでしょう。副会長曰く、とても貞操観念が強いそうです。私が喋ることはほぼないと言ってもいいので、よくわかりませんが。それにしても、保健室です。副会長が幾度となくお世話になっている、あの保健室です。生徒会長から聞くには、ここで眠っていた舞先輩のおでこにキスを落としたらしいです。キャーなどと叫べるほど、私は胸が高鳴らなかったのですが、それを迅夜先輩は知っているようで、苦笑いでした。彼は、そういうことにあまりなれていないのでしょう。そういえば副会長はそういうことをよくします。主に、舞先輩に強要されてですが。


「いや、あの二人はむしろ貞操観念が強いと思うよ。少なくとも、俺の数倍は。」


その事を迅夜先輩に聞くと、これまた苦笑して答えてくれました。確かに、副会長は全く行動を起こしません。むしろ、副会長は避けようとしている節さえあります。何故でしょうか、舞先輩は自他共に(勿論、舞先輩は謙遜するでしょうが)認める美少女です。そう考えれば、副会長の貞操観念がとても強いと言われたら確かにしっくり来ます。確かに、副会長ならば結婚するまで、そういう行為は絶対にしない、否自らの収入が貯まり安定して子供を育てられるぐらいにならなければ拒否するかもしれません。副会長が、舞先輩のことを想っているのは、誰が見ても一目瞭然ですからね。


「よし、全部あるね。助かったぜ二人とも。どうだ志乃、俺と一緒にお茶でもしないか?」


などと仕事の終わった私を軽く誘ってくる先輩。貞操観念が強いわりに誰にもフレンドリーなんですね。だから、彼女出来ないんじゃないですか、などと思ってしまいましたが、しかしここで乗るわけにはいきません。さっさと生徒会室に帰って火凛先輩の淹れて下さるお茶を飲みたいからです。あのお茶はとても美味しいです。


「……じょ、冗談だって、そんな睨むなよ商。全く、お前らは仲がいいな。」

「…幼馴染みっすから」


少し、剣呑な空気を醸し出す商村くんに驚きます。幼馴染みなんて言ったて、小学校の時までなのに、それって幼馴染みって言うのかな?それでも、私の手を奪うようにして、保健室を出た彼には、来たときとは違い恥じらいなどなく、けれど、繋いでの汗から彼が緊張しているのは分かった。

読んでくださり有り難うございます。

今回は保健委員長登場。そして、積本視点。フルは今回が初めてです。しかも、久しぶりの台詞。これも作者の力量が未熟なせいです……。そして、三日連続の投稿です。少し、テンションが高くなっておりますが、昨日のことも踏まえて反省しているので、あまりクドクドとは語りません。


というわけで、次回。もう少し他者視点が続く……のか?

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