模擬店
「くっくっく。傑作だな?二心。」
「笑ってるなら助けてくれよ!敬我!!」
学校の中庭辺りで開かれている模擬店付近を、全力で走る僕を嘲笑う声が一つ。声の主は、各委員会で開いている模擬店の主催者であり、すなわち、美化委員の委員長でもある、小鳥遊 敬我である。彼率いる美化委員は、その様子を見る限り、模擬店の中でもオーソドックスと言える、フランクフルトを提供しているようだ。敬我は模擬店の奥に堂々と座っており、その姿は、まるで舞さんの親衛隊に追われて、走り回っている僕を嘲笑うかのようだ。その様子にイラッときた僕は、頑張ってフランクフルトを焼いている同学年の女の子に、模擬店の中に入れてもらう。
「うわ、入ってくんな。俺達の模擬店を隠れ蓑に使うな!」
「ねぇねぇ、そこの副美化委員長さん。僕が君の代わりにここを切り盛りしてあげるから、僕と舞さんが入る許可をくれない?」
「え?二心君が手伝ってくれるの?うん!じゃあ、許可するよ」
「南ぃぃ!!」
敬我の絶叫が響き渡る。五月蝿い。ちなみに、僕が交渉を申しかけた副美化委員長は女の子で、敬我の幼馴染みらしい。名前を、北陽 南。名前について、北なのか南なのかはっきりしろよという質問は受け付けない。強いて言うなら、彼女が好きな方角は東である。僕の中学時代からの知り合いで、舞さんとも知り合いであり、残念な生徒会長、もとい僕の兄である、和宮 一身の知り合いでもある。
「二心は料理を作るのか?なら私も作ろう。」
「えー!舞ちゃんも作ってくれるの?ラッキ!!はいじゃあ、コレ。エプロンね。」
「ちょ、南、何、勝手に決めてんだよ!?」
「だって、二心君と舞ちゃんが手伝ってくれるんだよ?隠れ蓑に使ってもらうだけで、私の見込みだったら、利益の3倍は稼げるね。このチャンスを逃す手はない!!」
「いや、でもさぁ……。」
文句をぐちぐちと言う敬我に向かって可愛らしく首をかしげ何か?と、問う彼女。だが、目が笑っていない。敬我は、その目に威圧されたのか渋々と言った様子で、僕にエプロンを渡してきた。さてと。いっちょ働きますか。
――――
「フハハハハ。引っ掛かったな!二心。」
「敬我?流石の僕も怒るよ?」
僕が着ているエプロンは、熊の
絵柄が書れた可愛いものだ。まぁ、似合ってない感が半端ないだろうがそれは今は問題ではない。次に、舞さん彼女が着ているエプロンの絵柄は白熊。しかも僕の茶色の熊の色を真っ白にしただけの違いというものだ。凛とした彼女には似合わないだろうと内心思ってしまっていたのだが、実際はその逆で、普段の一つくくりの髪をツインテールに変えた彼女には恐ろしく似合っていた。多分、一つくくりでも似合っていた。顔の偏差値が高いとこういうときに得するよね!!さて、閑話休題。
ここで問題。僕が今の状況で最も問題だと思うことは?
1、敬我が鬱陶しいこと。
2、敬我が鬱陶しいこと。
3、敬我が鬱陶しいこと。
答えは、4の僕と、舞さんのエプロンが色違いでお揃い。つまり、ペアルックってことでしたーー。……今、リア充爆ろつった奴爆ろ。僕は好きでこんなことやっているわけではない。好きでやっているのはそれこそリア充ぐらいだろう。リア充はそんなことやっても最初ぐらいだ。もしくは、変化を付けるため――とか?僕自信、余りそういう経験がないので推測にはなってしまうのだけれど。それにしても、敬我がいつまでも笑っていて鬱陶しい。ちなみに、答えに対するクレームとして、4番なんてないじゃねぇか!!というのは受け付けない。僕は別に以下の答えから選べなんて言ってない。そして、3回続けて言うぐらい敬我が鬱陶しい。そろそろ、切れてもいいよね?最近の若者は切れやすいそうだし。どうやら、僕もそんな最近の若者の例からは外れないようだ。
「さ。歯を食いしばって?」
「はぁ?何いってんだ?」
そして、次の瞬間には、敬我の顔の横を僕のストレートが通りすぎる。今のは茶番的な?次に当てるときのイメージトレーニングのようなものだ。さて、イメージトレーニングも終わったことだし、当てるか。構えて、振りかぶり、そして、放つ――。
「ちっ、外した……。」
「ちょ、ちょっと待て!!お前、キャラが違うじゃねぇか!!」
「キャラ?何いってるんだい?敬我。人間ってのは日々成長していくものだろう?」
「成長の仕方が限りなく歪だ!?」
「さぁ、心の準備は出来たよね。次は当てる――。」
「ちょ、ちょっと待てぇぇ!!」
待たない。僕は振りかぶった腕を彼の腹目掛けて再び放つ。静かに倒れていく生徒会長とは違い彼――小鳥遊 敬我は痛みに耐えかね大声で叫んだ。
読んでくださり有り難うございます。
テスト週間ということもあって、なかなか書けなく、今日久しぶりに書いてみたら、なんか仕様が変わっててビックリしました。本文を打つたびに文章が上に上がってしまい、非常に見にくい状態で打ったため、意味不明な文章があるかもしれません。ただのスマフォの不調だったらいいんですけど、もしコレが永遠に続くとか言われたら心折れる……。というわけで、次回も遅れてしまいそうです……。




