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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の至難
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生徒会長の苦心

「ハァ……。」


朝学校に登校したら、舞が何処からともなくあらわれて二心と一緒にいない俺を見て、いきなり、どういうことだ!と胸ぐらをつかまれかけた。火凛が止めてくれて本当に助かった。というか、二心を除いて彼女を止められる男子とか存在するのだろうか。少なくとも俺には無理である。解放してくれたので、風邪で休んだことを伝えると、すごい落ち込んでいた。さっきの意趣返しと思ってからかったら、倍の力で言い返された。少し、泣きそうだった。が、生徒会長がこんなことで泣くのもどうかなと思い、我慢した。でも、あれはマジで怖かった。


――――


授業も終わり、生徒会室へと向かう。二心がいないときの舞は、それはもうゾンビのようにノロノロとした動きだった。あいつ、どれだけ俺の弟のこと好きなんだ……。愛が重すぎる。やはり舞をコントロール(しているとは言い難いが)出来るのは二心ぐらいのもんだろう。まぁ、律儀なやつなので、二心がいなくても仕事はちゃんとするのだろう。二心が副風紀委員長になってから仕事とかだいぶ減ったとか言って喜んでいたし、今日は少しばかり多いかもしれないが、今まで休んできたと考えれば今日一日ぐらいは乗りきれるだろう。別に、二心が一日で風邪を治すなど何処にも保証はないが。そんなことを舞に言えば、俺は殺されちゃうかもなので言わないけど。いや、確実に殺られる。口は災いの元とも言う。ここは言わないでおくべきだ。


「会長、気を抜いてないで仕事してください。」


俺が、現実逃避という名の最終手段に出ていたにも関わらず、それに冷や水をぶっかけるように、火凛が冷たい言葉で話しかけている。す、すいません!!あれ、俺生徒会長なのになんでこんな下手に出てるの。最近、皆の扱いが雑だと思う。俺、これでも一応そこそこ偉い立場なんだぜ……?まぁ、勿論これが遊びだということも分かってはいるのだが?一応ね。一応。二心に至っては、冷たい目で睨んでくるだけである。しかも、火凛にもいらん知恵を入れたのか、火凛まで冷たい目で、俺のことを睨む。顔が整っているだけに、二心の何倍ものダメージを俺の心に与えるのである。


「それにしても珍しいっすね。ふくかいちょーが休みなんて。」

「最近、勉強頑張ってたからなー。仕方ないと言えば、仕方ない。疲れがたまってたんだろう。」


実際に問題なのは?それに全然気付かなかったと言うことである。相変わらずの猫かぶりであるというか。鉄壁の仮面っぷりである。あれ、取り払えるやついんの?今の舞以外無理じゃね。どれぐらい無理かというと、ゲームでいうとレベル1、ステータス最底辺、武器ひのきの棒、防具旅人の服で魔王に挑むぐらい無理である。俺でいうと舞に素手で挑むぐらい無理。勝ち目ない。その間も、積本は黙々とノートに俺たちの会話を写し続けている。仕事熱心である。いや、仕事熱心であるというか点では火凛もだが。積本はもう、病的なまでに仕事熱心である。一言一句間違いなく、書き終え、それでもチェックを入れ、俺たちにも、覚えている範囲でいいからと、確認を頼むレベルである。きっと、先代もここまでは熱心ではなかっただろう。その様子を見ていると、いつか倒れそうで怖いのだが。仕事をするために、手元にあるプリントに目を落とすとそこには幾つかの名前がかかれており、俺はまた、溜め息を着くしかない。


――――


クラブ申請書


部活名 ライトノベル研究会


部長 アスアレーノ・シェア

副部長 メリア・シルバース

部員 櫛呂 挿架

部員 相乃 琥珀


以上四人を持って、生徒会に申請する。


――――


簡単に示せばそんな風のことがかかれており、俺は頭が痛くなるばかりである。姫様、魔王様はまだいい。けど、この二人の部員大丈夫か?あの二心でさえ押されるという人間だぞ。クラブの活動内容の報告もえらく雑だし。いや、雑にせざる終えないか。流石に全てを説明するのは恥ずかしい。あいつらは、これが通ると本気で思っているのだろうか……。この学校、一応進学校なんだがな……。トップがこんなだからとか言うな。俺のせいじゃない。アスアレーノとメリアにライトノベルを渡した二心がそもそも悪い。なんであんな食い付くんだろうな。外国人の寿司への食いつきなみに凄かった。まぁ、そんなことはどうでも言いとして、これにOKを出すか否かである。校長辺りに回したら最後、即決で決めるだろう。二心が戻って来るまで保留にしてもいいが、あいつは若干優しいところがあるので、OKを出すだろう。別に、俺も出しても構わないんだがな。一度部活を作ってしまうと予算配布とかもう一度、火凛に計算してもらわなきゃいけないんだよな……。


「会長。生徒会とは、生徒の助けをするものです。その部活は一応損害のあるもののようには思えません。それに、風紀委員でもあの二人の扱いは困っていると、副会長が言っていました。」

「ん。分かった」


火凛が許してくれたので、書類にサインをいれる。それにしても、火凛の最後の一文には驚かされた。


弟よ、そんなに兄貴のことが信用ならないのか……?

読んでくださり有り難うございます。

そして、連日投稿。流石に明日は無理でしょうね。いや、ふりじゃなくて。

なにもしていなかった前回。なんと、改めて見返すと起きて口にリンゴを放り込むぐらいしかしてないという。


作者的にはもう、七月のつもりで書いていたのですが、これまだ六月なんですね……。あと何話かけば完結できるんだろうと、昨日の完結できるぜ宣言を撤回したくなった気持ちで一杯です。皆さん最後まで応援をよろしくお願いします。

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