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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の救難
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自業自得?

いくら僕が、生徒会長に巻き込まれているからって、巻き込まれることになれた訳じゃない。むしろ、今まで巻き込まれて百パーセント冷静だったことはない。いつもどこかで冷静さを欠いて、どこかで小さなミスをする。兄はどんな状況に置いてもミスをしない。兄ならばどんなことでも一人でできる。僕は心の中でいつもそう思っていた。けれど、やっぱり完全生徒会長でも一人でできないことはあるらしい。


「頼む。断ってくれ二心。」


彼はメリアさんがいなくなった、このシンプルな部屋の床に必死で頭を擦り付け、僕に懇願する。彼はこの国、シルバースの国王セグレッド・シルバースとその妻メリノア・シルバース、さらにその二人の娘である、この国の王女、メリア・シルバースに気に入れられ、結婚を言い寄られている。結婚を言い寄られている理由は簡単で、彼がこの国の財政(魔王を倒すために使ったため倒壊寸前)を救えるぐらいハイスペックであることと、彼が魔王(ラスボス)を倒し英雄(ヒーロー)となったからである。前者だけならば、候補にとどまる程度だっただろうに、その持ち前のハイスペックを利用して、お人好しよろしく世界なんて救うから結婚を言い寄られたりするのだ。まったく、自分がいかに人に好かれやすいかを考えて行動してほしいものだ。あっ、でも魔王を倒すために使われた資産のうちなんパーセントかは彼にも使用せれているはずなので、強くは言えないだろう。………あれ?これ詰んでるくないか?


「なんで、僕に断ってくれって頼むのか理由を教えてほしいんだけど。」

「それは俺が家族を説得できたら良いって言ったk」

「このバカ生徒会長!!」


僕は彼のあまりにも後先を考えないおろかな発言に対して、彼の腹(鳩尾)に対して右フックを入れる。若干不意打ちぎみになったが気にしない。口から赤色の液体が出た気がするが気にしない。口まわりが赤く染まっていくが気にしない。そもそも、彼のミスでこんなことになってんのに、どうして僕が彼の尻拭いしてやらねばならんのだ。解せぬ。


「そ、そこをなんとか頼むって。俺がいなくなったら生徒会の仕事だって回らなくなるぞ。」


とうとう、脅し文句を使い、脅迫し始めた生徒会長。これが、生徒会長のあるべき姿だろうか、いや、違う。ちっとも考えずに行動するから、後で困るんだよ。だいたい、家族を説得できたらって、お前彼女たちを日本につれていく気か?両親に彼女のこと何て説明するんだ?僕は手伝わないからな?


「頼む。頼むよ、二心。なぁ、舞、お前からも何か言ってくれないか?」

「ふむ、だがしかし今回の非は明らかに一身にあるものだぞ………。」


僕を直接説得することを諦めたのか、舞さんを使って、僕の説得を試みる生徒会長。ふっ、律儀で義に暑い舞さんが、彼の説得に応じるとは思えない。この勝負(いったい全体何の?)、僕の勝ちだ!!僕が勝利(だから何の?)を確信していると、彼は唇の端を少しつり上げニヤリと笑い彼女の耳元でなにかを囁く。ん?一体なんだ?


「(そこをなんとか、今度遊園地のペアチケットを送るからさ。)」

「二心。言い方はあれだが、一身だって生徒会のためを思ってあんなことを言ったんだ。彼女を説得してやってはくれないか?」


えっ?さっきとはうってかわって、僕を説得し始めた彼女。一体何があったんだ。まさか、彼女が手のひらを返すなんて思わなかった。理由があるとするなら、生徒会長が彼女の耳元で囁いた「なにか」だろう。それが今の僕にはとんと検討がつかないけれど、しかし、彼女の態度をあそこまで変えるものだとするのならば、なにか彼女の重要な秘密ではないだろうか。だが、そうだとするのならば、今現在の彼女の嬉しいという感情がにじみ出た笑顔の説明がつかない。彼女はMじゃないから、秘密を暴露するとか言われたら、実力でねじ伏せるだろう。戦闘能力だけで言えば、生徒会長よりも舞さんの方が数倍上である。剣道とか、柔道とか有段者だし彼女。少なくとも、こんな表情を見せたりはしないと思うのだが………。


「……。彼女を説得してまで僕を説得しようとしたその熱意と必死さを評して、彼女の話を断ってやろう。」


何だか負けた気分だ。うん、義に厚い彼女を良くわかっているよ。僕も彼女には恩があるから逆らえないし。僕の知り合いのなかではいちばんいい選択だと思うよ。彼女をせっとk(以下略)

でも、これだけは聞いておかなければいけない!!


「で、舞さんになんて言ったんだ?」


僕は笑顔(俗にいう目が笑っていない笑顔)で、彼の手前までじりじりと近づく。勿論、部屋の大きさはそのままなので、この前と同じように数歩も歩けば彼の前へとたどり着く。そして、右フックをかますーーー


「同じてを二度も食らうか!」

「ちっ。」


左手で捕まれ、攻撃を阻止される。兄は僕の攻撃が止まったところで僕と瓜二つのその顔に僕と似たような笑顔(ただし、僕と違って目は笑っている)を浮かべて面白いものを見つけたように、イタズラっぽく答える。


「それは、後のお楽しみさ。」


その時、僕は心の底から思った。


そのどや顔、いつか絶対ぶっ壊す!!と。

読んでくださってありがとうございます!!

少し短めになりました………。見切り発車となんとなくな感じ書いているので始終ぐだぐだしてますね。生徒会長のキャラが思ってたんと違う………。ごめんよ、一身君。

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