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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の至難
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気の抜けない戦いがここにある

舞さんに後ろ襟を持たれ、引きずりに引きずられ、息苦しくなってきて、窒息するんじゃないかという不安と、ズボンがそろそろ擦りきれて破れるんじゃないかという不安が心の奥底に沸き上がってきたとき、そこには着いた。言わずもがな、舞さんのホーム――刃羽家である。現在、この家には一人、つまり舞さんが一人で暮らしている。彼女の両親は、今は海外にいるんだそうだ。因みに、家の感想は、何時てもでかいである。それ以外の感想を抱くとしたら、僕の浅いトラウマとでも言っておこうか。ここがどんな場所か考えてみよう。そう、ここは舞さんのホーム。つまり、この家の名義が彼女の両親のものであろうと、今現在この家にいる刃羽家の人間というのは彼女だけであり、それは彼女がこの家の主であるということである。数回しか来たことのない僕より、この広い家の構造をよく分かっているだろう。ここで重要なのは、彼女がこの家の構造のことをよく知っているということだ。これが、何を指すのか。要するに、僕がこの家に入ってしまえば、彼女が許さない限り、刃羽家から出られず、ひいては自宅に帰れないということだ。従って、家にいる、王女と魔王様に怒られる。故に、僕はこの家に入ることができない。我が家の食卓は僕一人で回していると言っても過言ではない。彼女たちがするのは精々お使いぐらいだ。包丁を握らせた日には、(主に生徒会長の)命が脅かされる。それほどまでに、あの二人は料理が下手である。いや、もうそんな次元じゃないなあれは。とにかく恐ろしいのだ。


「さぁ、入るぞ二心。何、心配するな家には誰もいない。」


だから怖いんですよ!!とは流石に、満面の笑みの彼女には言えず(普段でも言えたかどうかは怪しいが)僕は、コクコクと黙りこくるしかできなかった。僕の今の図は美少女に後ろ襟を握られ引きずられるごく普通の男子生徒なので、周りの人は決して助けようとはしてくれなかった。むしろ、恨みのこもった目で、呪詛のようにリア充爆ぜろと呟くのだ。特に、学校を出た辺りは辛かった。危うく、ごめんなさいと素で謝りそうになった。だが、冷静に考えたら、僕はちっとも悪くなかった。どちらかと言えば被害者なのだが。しかし、それが青春の一歩手前の冬真っ盛りの彼らに理解できるはずもなく、ただひたすらに僕のことを呪うのだ。そんなことしてるからモテないんだと思うけどな……。人を呪えば穴二つ?みたいなそんな感じの言葉も存在しているぐらいだし、きっと僕を呪っている彼らにも、それ相応の報いとして、冬が来ていることになぜ気づかない。そのままじゃ、一生春は到来しないと思うよ。まぁ、頑張れ。だいたい、彼らだって、こんな状況になったら、凄く焦ると思うのだ。美少女と二人きり。これはまぁいい。最近のライトノベルなんかでもたまにあるだろうし、絶対にないとは言えない状況だ。けれど、その美少女の前に、『中学時代剣道女子の部で優勝した』という装飾語が有ったらどうだろう。ほら、恐怖しか感じないだろう?だから、僕のことを恨みのこもった目で見る彼らは間違っている。そうに違いない!! 間違いない!! 自分の正当化も済んだので、かつて、一度として成功したことのない、脱出する方法をえる。というより、舞さんに対して僕の作戦とやらが通用した試しなどないのだが。それでも、なんとか頭をフル回転させ、必死に脱出方法を考えていると、とうとう、襟足ではなく僕の首根っこを掴み彼女と僕は家に入った。


「さて、二心。忘れていると思うが、私は一応風邪でな。」


そうだった。激動すぎて忘れていたが、まだ一日経っていないのである。

翼街くんと話す→翼街くんと決闘→生徒会室戻る→舞さんが登場→副風紀委員長なる→仕

事する→現在。

時間の流れが明らかにおかしい。特に、舞さん登場→副風紀委員長なる、の辺りが特に。色々、はしょっているのは確かだが、それでもおかしい。生徒会長が僕を副風紀委員長になることを校長に説得したのだろうが、それでも早い。生徒会長だけ、僕たちとは違う時間軸で動いてるんじゃなかろうか。真偽のほどは定かではないが、それでも彼ならばあり得そうなところが怖い。そして僕は、今の状況がとても怖い。誰か、誰か……助けて!! 僕の心の声など聞こえるはずもなく、助けなど来るはずもなかった。


――――


「気にしたら負けだ、気にしたら負けだ、気にしたら負けだ、気にしたら負けだ、気にしたら………。」


僕は、背中に襲いくる彼女の柔らかい部分から集中を反らし、勉強に集中使用とする。この呟きだって、危ない人な訳ではなく、こうしていなければ、背中に意識を持っていかれ、その瞬間僕の理性がゲームオーバーだからである。さぁ、もっと集中するんだ僕!! 背中の感触など気にならないぐらいに!!


「ふふっ、そこの答え間違っているぞ、二心。」


彼女の美しい黒髪は僕の肩にまでかかり、女の子特有の甘い香りは僕の鼻孔をくすぐる。意識して、意識しないようにしていたのに、彼女に言われた一言で集中を解いた瞬間一気に襲いかかってきた。このままじゃ僕……殺されるぞ!!逃げるしかない、と、心のなかでは分かってはいても、結局彼女が家から出してくれる最後まで僕にはそれはできず、彼女にはいいように弄ばれ、必死に理性を保つことしか出来なかった。


むしろ……最後まで理性がもった僕に盛大な拍手。

読んでくださって有り難うございます。

修学旅行の時に一度も携帯弄れなかったので、その反動で書きたい衝動に襲われ、書きなぐりました。入試まであと一年!!……俺は、なにやってるんだろう……。

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