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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の至難
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vs翼街

これを急展開って言うんでしょうか?

どうも、読者の皆さまこんにちは。俺です俺。勿論、一昔前の俺俺詐欺によく使われる俺ではなくて、和宮二心の俺の部分。今ではダークサイドって奴です。まぁ、久しぶりと言えば久し振りなんだが、俺は俺の話がしたくて仕方がないぐらい俺が好きなんだけど、そんなもの誰も――俺でさえ、望んではいない(・・・・・・・・・)のだからしないのだけれど。だって、そうだろう?独りよがりの放しなんて誰が聞きてぇんだよ。なぁ?読者の皆さま?……読者の皆さまっていったい誰のことだろう。


――――――


「本当にやるのか?二心」


なんて愚問。解は、当たり前だ――舞を(勝手に)かけた試合を俺がやらないわけがない。何故なら、それが周知の事実であるように、俺は舞のことが好きだからだ。まぁ、なんて心の中では格好つけれたって、実際、その言葉を口にするなんてことはできない。俺は(・・・)、基本的にメンタルのステータスが低いのだ。だから、舞を見続けることができない――あの事件の日以来、(・・)は彼女の顔を直視することができず、話したことすら無いのだから。


「あの、翼街とか言うバカに俺が負けると思ってるのか?一身(・・・)。」


正直に言えば俺が翼街に負けることなどあり得ない。確かに、副風紀委員長であり、剣道部副部長である、剣の腕は確かではあろう。一年間、舞の横に居る努力をしたことも認めてやる。だが、それでも、俺が負けることなどやはり起こりうるはずがないのだ。俺は、(・・)と違って、ノーマルスペック出もなければ、ハイスペックではない、なんてこともない。要するに俺はハイスペックである。基本的に、俺の兄たる、一身に出来ることなら、大抵のことは俺にも出来てしまうのだ(・・・・・・)。正に、兄貴の生き写し――何て言うと大袈裟で少し違うのだが、俺は兄貴と同じ程度のスペックを持っている。それこそ、影武者は出来るぐらいにな。


「んで、ルールはどうすんの?俺よく分かんないんだけど。」


剣道と言うのは、俺的に少しルールが難しい気がする。確か、1本をとった後でもしばらくは、油断しちゃいけない。みたいなそんなルールもあったはずだ。一度、ルール説明をしてもらえれば、覚えられるだろうがそんなことしてくれそうな気配はない。


「……そうか。貴様は初心者だったな。仕方ない、普通の剣道とは違うが、少しルールをかえるべきだったな。」


まるで、先程までのお返しと言わんばかりに、その声にはどこか俺を笑うようなそんな意図を感じた。俺が初心者であることを笑っているような、そんな感じ。謝ってこない時点でたかが知れてる。翼街は、後輩に何かを取りに行かせたようだ。翼街がしばし待てと俺に言うので、取り敢えずその後輩くんが帰って来るまで待つことにした。


―――――――


「持ってきました!!」


翼街の後輩くんがそう言って、翼街の元へと走ってくる。その手に握られているのは、紙風船である。……紙風船!?まさか、それを体にくっ付けるなんて、ベタな発想じゃないよな。


「それを体に五つ着けて、先に全て割った方が勝ちだ。」

「なんとも、分かりやすいルールでどうも。」


俺は、皮肉のつもりで言ったのだが、どうやらそれは聞き取られていなかったようだ。別にどうでもいいが。それにしても、分かりやすいルールだ。多くの漫画でやられている王道ではあるが、いざ自分がやるとなると少しワクワクする。舞を勝手にかけているのに不謹慎ったらありゃしない。俺が勝つので関係ないが。


「じゃあ、さっさと始めようか。俺としても、終わらせたいし。」


俺は、体の両腕に一ヶ所ずつ、足の膝小僧に一ヶ所ずつ、そして最後に頭にカチューシャのようなものでくっ付ける。俺の頭が動くたびに、紙風船もゆれ動くのでギャグとしては非常にシュールである。勿論、それは翼街もではあるが。だが、あいつはちゃんと防具をつけているので、面の上からつけている。こちらの方が、面白いが顔を見られないぶん、心持ち的に楽だろう。くっそ、俺もめんどくさがらず、防具つけとけば良かった。


「……それでは、両者構えて。始めっ!!」


竹刀を構えた俺と翼街を認めた後輩くんは、始まりの合図を告げる。


―――――――


始まりの合図を聞いた俺は、即座に右に動く。勿論、いつぞやの体験で手に入れた、もうほとんど使うことがないどころか、一生忘れたままだったかもしれない、身体能力を強化する魔法とやらを使ってである。イヤー、懐かしいなー、異世界。


「っく。」


俺がもといた場所には、翼街がいた。降り下ろされている竹刀を見るに、俺の頭を全力でかち割りに来ていたようだ。おー怖い怖い。全く、これだから加減を知らないバカって言うのは怖いよね。


「てぃ」


そして、右腕から構えた竹刀を降り下ろして硬直状態の翼街に先ずは一撃――降り下ろした腕に固定されている、左腕の紙風船からだ。「パンッ」という、音を響かせて、翼街の紙風船が割れる。翼街は籠手をつけているのでどうせほとんどダメージはない。はずなので、降り下ろした右腕はそのまま翼街の腕ごと降り下ろす。


「せいっ」


なんとも情けない掛け声と共に、俺は降り下ろしていた竹刀を持ち上げる。途中で、翼街の面に当たり引っ掛かったが気にせず、後ろに体重をのせ軽く飛んで避けて見せる。竹刀を持ち上げた翼街は、俺の頭を狙うのを止め、左腕の方を狙って竹刀を横に振るう。しゃがむことで何とか回避し、ついでに右の膝小僧の紙風船を割っておく。翼街が竹刀を振り切ったタイミングで、体勢を元に戻し、空いてる右腕の紙風船をあっさりと破壊する。これで、三つめ。俺は、翼街の体に当たった竹刀の反動をできるだけ利用して、後ろに大きく移動する。大きく距離が離れたので、だいぶ余裕ができた。少し冷静になって考えてみると、あれは、人間技じゃなかったかもしれない。THE、マンガという動きだった気がする。別にいっか。魔力で強化しているのだから当たり前と言えば当たり前だ。


「くっそ、なんで貴様のような舞を弄んだ奴にこの俺が負けているんだ!!」


距離をとったことで、俺にも余裕ができたが、それは相手も同じ。翼街は面で顔は見えないがきっと凄い剣幕で、そのとき俺に声を張り上げ叫んだ。彼にとってはそれはただの自己正当にしか過ぎなかったのかもしれない。どうして、舞の気持ちを弄んだ(・・・・)奴に負けるのだ、と。ただの、戯れ言と聞き流せれば、俺だってもっと正気を保てたのだろう。けれど、そんな感じの言葉は――弄んだだなんて言葉は俺を深く傷つけすぎる。だからこそ、いつになく普通で正常だった俺の意識は、いとも簡単に真っ暗な闇に呑まれた。それはまるで、いつかの舞がボロボロに傷つけられた時と同じように。

読んでくださってありがとうございます!!

前回の更新が若干遅かったのですが、今回も少し遅れてしまいましたね。出来れば土曜に終わらせたかった……。多分今年最後の更新です。区切り悪いです。それもこれも、作者が後先考えずに、突っ走ったせいなんですが。もう少し考えて生きた方がいいかもしれません。そうに違いない。

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