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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の至難
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言いがかり

「ちょ、一身やめて!?マジでやめて!?僕のシャツの後ろ襟引っ張って引きずらないで!!息が、ゴフっ、息が出来ないから!!」


生徒会長は、僕の後ろ襟を引っ張り、副風紀委員長の元へと僕を連れていこうとしている。やめて!?マジでやめて!?と柄にもなく叫んだり、泣き叫んだり、喚いたり、泣き喚いたりしているというのに、ちっとも放してくれない。首がしまって、息ができなくて、苦しい。こう、なんと言うか、じわじわと来るものがあるね。何時もは一瞬で失神とか気絶としてから知らなかったけど、本当はこういう過程を経て失神するんだね。嬉しくもない体験だよ。


「ったく……。」


僕の訴えかけが通じたのか、やっと後ろ襟を放してくれた生徒会長。よし、今が逃げ出す最大にして最高のチャンス!!全力で、走り去れ、走り去るんだ僕………!そして、僕が走り出そうとした瞬間に、首の根っこを捕まれ、恐らく本気で力を入れられる。


「痛い!痛い!止めて!!」

「……。お前が逃げようとするからだ。」


どうしてだ!?どうして僕が走って逃げようとしたことがばれた!?何がいけなかったんだ?途中までの流れは完璧だったはず。どうして僕の動きが分かったんだ!?


「いや……。そりゃ、クラウチングスタートのポーズとってりゃ誰でも走り出すって分かるだろう。」


早く動こうとした結果、自らの首を(物理的に)絞めることになるなんて!!あっ!!痛い痛い!力入れないで生徒会長!!


「ったく……。っさといくぞ、二心。」

「分かったよ……。イタタ…。」


呆れた顔した兄に、僕はそうとしか言えなかった。首、痛い。全く、なんて暴力的なんだ。


――――――


「副風紀委員長の翼街(よくがい) 悠八(ゆうや)だ。」

「あっ、はじめまして。僕の名前は、和宮 二心です。」


威圧すごい。それが、副風紀委員長の彼、翼街 悠八君を始めてみた感想だった。ストレートの黒髪に、つり上がった目で、肌はどちらかと言えば色黒。長くもなく、短くもない髪越しに、僕のことを見るその目には、敵意が感じられる。また、部屋の雰囲気も、何処と無く僕を歓迎していると言うよりも、むしろ排除したがっているように感じる。なんだ、なんだ。僕が一体何したって言うんだい。あと、空気が空気なだけに突っ込めないけど、いつまでもへらへら笑ってていいのか?生徒会長。君だけだぞ、笑ってるの。


「ところで、僕はなんで呼ばれたんですか?呼んだんですか?」

「それはだね、副会長、和宮二心くん、君が風紀を乱しているからだよ。」

「……はぁ?」


いきなり、謂れのない言いがかりをつけられて、ついつい気の無さそうな返事をしてしまった僕を誰が責められようか。横で、生徒会長が吹き出したのち、腹を抱えて爆笑し出した。空気読め。弟として、恥ずかしいんだけど注意したら止めてくれるかな?取り敢えず、注意できそうもない空気なので、腹に一撃決めておくだけにする。うん、黙ってくれてスッキリ。


「ぼ、僕がいつ風紀を乱したって言うんですか?」


生徒会長を黙らせたことをなかったことのように扱い、できるだけ声が震えるように言う。様子としては怯えているように見えるように。あんまりハキハキ喋ると、この手の堅苦しい相手には逆効果だからね。


「しらばっくれるな!!舞といちゃついていただろう!!」


ビクッと肩を大きく震わせて、全身全霊で怯えている真似をする。ビックリしたー。いきなり大声あげるなんて、心臓に悪い。なに、最近のキレる若者?怖いんだけど。急に怒鳴られたら驚く。こう、事前に何か予兆てきなものがあってもいいと思うんだ。僕の心臓にも優しいし。急に怒り出すなんて、高血圧なのかな?


「で、それがどうかしたんですか?」

「~~っ!言うに事かいてそれがどうかしたかだと!?風紀委員長である舞をタブらかして、校則違反させた挙げ句、なんて言いぐさだ!!」

「僕、別にいちゃいちゃしてる訳じゃないし、それに校則違反でもないと思うんだけど。別に不純異性交遊ではないんだから。さらに言うなら、校長が認めてるんだよ?」

「それでもだ!それでも、舞は!舞は風紀委員長だ!風紀委員長がこれでは示しがつかないんだよ!!だから、和宮二心、お前には舞と別れてもう。」


はぁ?この人マジで何言ってんだ?頭おかしーんじゃねーの?ちょっと口調が乱れてしまったが、言いたいことは一つ。僕、まだ舞さんと付き合ってないよ。


「お前、何言ってんの?」

「貴様!!人が黙っていればいい気になりやがって!!」


あっ、しまった。ついつい、本音が出てしまった。それに、さっきから全然黙ってなかったじゃん。すっごい饒舌だったじゃん。いまさら、それを言っても仕方ないか。ハァ、僕も生徒会長と一緒で全然空気読めてない。翼街くんは僕の発言の意味が分からなかったのか、立ち上がり、僕の胸ぐらを掴み僕を睨み付ける。足が地面についていないので、至極不安定ではあるがまぁ、このぐらいで不安にはならない。いくら僕がハイスペックではないからって、これぐらいで怯えると思っているのだろうか(演技はしていたが)、だとしたら、完全無欠の生徒会長の弟も甘く見られたもんだな。


「さっさと手ぇ放してくんない?しんどいんだけど。」

「俺の事をどこまでも馬鹿にしやがって!!こうなったら、勝負だ!!俺と、勝負しろ!!」


どこまでも、頭のぶっ飛んだら発言ですね。話が、(・・・)には全く見えて来ねぇんだけど。まぁ仕方ねぇか。馬鹿で阿呆で愚かな奴に何言ったて、どうせ理解できねぇし。俺からの台詞も決まってる。


「俺に、勝負挑んだこと、後悔させてやるよ。」


目の前で、俺に殺気放ってる愚か者に嘲笑いながら、言ってやった。

読んでくださってありがとうございます!!

次回は勝負編です……?ぶっ飛んだ新キャラですね。果たして彼はレギュラーになれるのか!?

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