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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の救難
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異世界召喚

「お、起きたのか。二心。」


彼女との大事な?話を一通り終えた僕は、何もすることがなくなったので、天井を眺めたり彼女と談笑をしたりしていると、このシンプルな部屋の一つしかない扉が開かれ、僕と瓜二つの顔をもつ僕の双子の兄で、スーパーハイパーハイスペック生徒会会長、和宮 一身は入ってくるなり、僕に向かってそう言った。僕は、僕と瓜二つの顔から放たれた、その言葉を耳に入れると、彼女との談笑で浮かべていた微笑みを消し、無言でベッドから立ち上がり、彼の前までの二、三メートルほどの短い距離をゆっくりと、悠然と歩く。


「ん?こっちに歩いてきてどうしたんだ?じs」

「これは、気絶させられた僕の分。そしてこれは、何も教えられず連れてこられた舞さんの分だぁぁぁ!!」


僕は、彼の腹(鳩尾)に渾身のパンチ(×2)を放つと、それがジャストミートしたのか、お腹を抑え床に体を伏せて痛がる。ふざけるな。僕の怒りは本当はこんなもんじゃ済まないんだぞ。彼女に免じて許してやるが、次に彼女にこんなことさせたら、その身の安全は保証できない。


「ふぅっ。ひとまずスッキリ」

「あっ、ふくかいちょ~、起きてんじゃないすか~。」

「おはようございます。副会長。」

「……お早うございます。」


僕の内心が荒れ狂っていると、生徒会長に続き、生徒会役員が入ってくる。彼を殴ったお陰で少しスッキリしたので、彼らはおとがめなしでいこう。あんまり、犠牲者を増やしたくもないし。やったね生徒会長。君のお陰で、三人の生徒が救われたよ。


まぁ、生徒会長以外に暴力を振るうなんてことしないけど。さっきみたいに、不意打ちでもない限り僕のパンチなんて当たるどころか掠りもしないだろうけど。軽く避けられて、三秒で反撃されて五秒で倒される自信がある。皆、ハイスペックだからね!!別に悔しくなんかないけどね!!


「す、スッキリってお前……。」


殴ってからまだ二分もたっていないのに、復活する生徒会長。すげぇ、またハイスペックの無駄遣いしてるよ。携帯を奪い取る俊敏性といい、暴力からの即復活のこのタフさといい、本当、無駄なところで主人公補正(笑)を発動しやがって。もう少し、生徒会長らしいことをしてくれよ。いや、僕に対して拉致まがいの行動を起こしている時点で生徒会長と言ってもいいのか疑問符がつくけど。


「それで、ここはどこなの?」


僕はくたばり損ねた生徒会長にジト目で睨みつつ訊ねる。人にものを訊ねるときの態度じゃない?だって、こっちは拉致まがいのことをされてるんだよ?(この近くに交番があるか知らないけど)警察に駆け込んでも仕方がない状況に追いやった彼が悪い。僕は悪くない。


「あれ?殴っといて俺への心配はなし?」


どうやら、会長は殴られたことに対して謝ってほしいようだ。だが断る。質問を質問で返す何て、失礼にも程がある。それに、ちっとも反省の色が見えない。僕は無言で右拳を握りしめると、 その手を振り上げる。それを見た生徒会長は体勢を正座にかえあわてて弁明を始める。


「あぁ、ごめんって。いきなり気絶させたのは悪かったと思うが、こうでもしないとお前来なかっただろ。」

「確かにそうかもしれないけど。で、ここはどこ?」


微笑みを浮かべて僕は彼に訊ねる。勿論、ここがどこかなんて分かり切っている。彼は真顔で答えようとする。どうせここは―――


「ここは異世界だ。」


やっぱりね。


―――――


この世界の名はアレガルドといい、五つの大陸に別れているそうだ。かつて、世界を恐怖のどん底へと叩き落とした、魔王アスレク・アラグーンが封印され百年がたち、その封印が弱まってきている。だから、今一度封印するために異世界から勇者を読んだんだとか。ちなみに、時間軸はこちらの世界にいる間はあちらの時間が百分の一で、あちらの世界にいるときはこちらの世界の時間で百分の一しかたたないそうだ。何て、ご都合主義。とうとう異世界までご都合主義を取り入れ始めたか。


なお、すでに魔王は封印されている。事後です。兄が一人で封印したらしいです。凄いですね。冒険を期待した方すいません。僕の冒険なんて待ってるわけないじゃないですか。


そうそう、この世界魔法があるそうなのだ。僕と舞さん以外の人は僕の所に来るまで練習してすでに習得したそうだ。流石ハイスペックだね。まだ、三日もたってないよ(自分感覚)。僕だけ仲間外れにして、べ、別に泣いてなんかないよ。最後に飲んだお茶がね、少し出てきているだけだよ。


「イッシン様~。」


僕が心の中で悔しさを噛み締めていると先程、生徒会長と生徒会役員の入ってきた扉から、生徒会長の本名を呼びながら入ってきたその女の子は金髪で目が青く、身長160センチ程度で髪を縦ロールにしたいかにもお姫様な美少女である。えーっと、生徒会長が確か言っていた、その子の名前は…。


「あっ、このお方がイッシン様の弟君でございますね。私の名前はメリア・シルバースです。この国の姫です。」


そう言って、優雅にお辞儀をするメリアさん。この国の姫様だそうだ。なんでも、王族はシルバースを代々名乗るんだそうで。その辺の知識が疎い僕には良くわからないけど、取り敢えず偉い人ということは分かった。洗礼されたお辞儀の動きに見とれていると(たかがお辞儀と思うなかれ)彼女は僕に頭を下げて、言葉を発した。


「イッシン様を私の婿に下さい。」


………えっ?

読んでくださってありがとうございます!!

若干ぐだぐだ感の否めない第四話どうでしたでしょうか。また新キャラです。よろしくお願いします。

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