生徒会室(刃羽side)
最近、多くなってきた別視点。舞さんのキャラ崩壊に若干の注意。
今日は珍しく風紀委員の仕事が早く終わったので、生徒会室に向かっている途中だ。と、言うのもストーカー被害に遭った女子生徒を救ってくれたと言う謎の女性のことについて聞きに行かなければならないからだーーーなんて、そんなものは勿論、本題の一つではあるのだが、しかし、私の真の目的は、そんなものではないーーー。私、刃羽 舞の真の目的とはそれすなわち、生徒会副会長とのデートの約束………等では無論、断じて、決して違くて、まぁ、今度の土曜日に行く遊園地のチケットについての話し合いである。使うかどうかは決めたのだが、どこで待ち合わせするかなど決めていない。それに、二心は、優しい奴だから強引に決めていかなければ誰かにチケットを渡してしまうかもしれない。決して、絶対に彼と行きたいと言う訳ではないのだが、気心の知れた男子の方が一緒に遊ぶのにはいいだろう。それらの理由も込みで、勿論、今一番優先順位が高いのはストーカーの件だが、二番目は遊園地の件である。ちなみに、三番以降は紹介していないが、私の気分によって順位が変わる。私は、誰もがどうしてこんな設計にしたんだ?と言う階段と通路を通り、生徒会室の前へと到着する。ふむ。いつ見ても、豪華な扉であるーーー。目を閉じると、二心がこの扉を開けるのに苦労しているのが目に浮かぶ。私は、そんな妄想の産物を頭から振り払い、苦笑しながらも、生徒会室を開けた。
「え?」
私が、生徒会室を開けるとその光景に、呆気を取られ、ついうっかり口を滑らせて、意味のない言葉が口をついて出る。私の目の前に広がっていた光景とは、二心が彼自身の指定席(こういうとき彼の名前はつい寒いギャグになってしまう)に彼が座っているのはいいのだが、彼の前にいる二人の可憐な美少女(と言うには少し口が動きすぎているきがしないでもないが)に言い寄られて、困っている姿だった。回りは、そんな光景を見慣れているのか止めないし、かくいう私も見慣れている。彼は、私を見つけたのか、その目元を隠すほどの長い兄との唯一の特異点を指先でくるくるといじりながら、手を上げ、私に助けを求める。
「あっ!舞さんたすkーー」
「「僕(私)の話をちゃんと聞いて(くださるかしら)!!」」
「はいっ!すいません!!」
彼にしては珍しく、少女たちの怒られている。と言うのも、あんな兄を持つ彼は人付き合いが非常に上手いからだ。この学校において、人付き合いにおいて、彼以上の立ち振舞いをできる人間は、そうはいない。何故なら、彼にとって人付き合いとは、仮面を被って、自分を偽って行うもの、つまりは彼の普段の行いと何ら変わらないものであるからだ。因みに、学園最高の彼の猫被りを見破れるのは能力が高いということの裏返しでもあるので、彼の猫被り見破れるのはそれぞれの委員会の長、それから副長、ぐらいだろうか(彼の場合、自分の猫被りを否定するだろうが)。そんなわけで、彼が怒られているのは珍しい、と言う一言につきるのだ。しょんぼりしながらも謝る彼は、普段とは違った雰囲気があって可愛い。これも、彼に言ったら怒られるかな。でも、私の感性において、彼が可愛いと言うのは、動かすことの出来ない、固定された客観的事実なのだ。
「それにしても、その二人は、何故ここにいるんだ?」
しょんぼりしている彼を可愛いと思いつつ見ながらも、私は組素高校の校則の一端を思い出す。組素高校の校則の1つに『生徒会室には生徒会役員、及び各委員会の委員会長のみが、入室することが出来る。』と、あったはずだ。私が、風紀委員長になったのは、彼が生徒会役員になったあとだったので、まぁ、うん。下心ちっともなかったと言えばそれは嘘になってしまうかもしれないが、しかし、私とてそれだけが理由で風紀委員長になったわけではないのだ。彼が生徒会役員になったのは、去年の六月頃、つまりは私が風紀委員副委員長だった。彼を生徒会役員に仕向けたのは私なので、私もそれなりの地位にいなければならないーーー。だからこそ、私は、風紀委員長になったのだ。だから下心なんて私にはほとんど存在しないのだった。勿論、二心が風紀委員を辞めたためになくなってしまった、二人きりの時間を再び手に入れるためなんて理由。これっぽっちも含まれていない。
「あぁ、そりゃ疑問に思うよな。うん。大丈夫、あの二人は、井島先生にお墨付きを貰ってるから。ほら、あの胸元に下げてるやつ。あれ、入室許可証。」
「あの、置物顧問が認めたのか!?」
私の疑問に答えた一身だったが、しかしその返答は、私を驚かせるものだった。生徒会役員、並びそれらの委員会長から、置物顧問と呼ばれている教師、井島 誠先生である。自称飾り物の生徒会顧問で、それゆえ置物顧問と呼ばれているのだが、彼は働けば有能なのである。滅多に働くことがないから、置物顧問等と呼ばれてしまっているが。
「そう。だから、あいつらがいても校則には接触しない。まぁ、俺から見ても有能そうだし、何より、あいつに説教できるっつーのが理由かな。」
「うむ。それならば、確かにーーーー。」
「ちょ、二人とも見てないで助けてよーー!!!!」
彼の絶叫が響き渡った。それにしても、あの二人と、二心はどのような関係なのだろうか。気になる。そして、泣きつく二心。可愛い。
読んでくださってありがとうございます!!
言い訳する舞さん。そして、仕事しない舞さん。働いてください。因みに、真面目に働いていたのは、火凛さんだけである。




