刃羽家
前回までのあらすじ!!
僕こと、和宮 二心が仕事を生徒会にいると、風紀委員長、刃羽 舞さんが、伝えることがあったらしく生徒会室に入室。暫く、彼女との他愛ない会話を楽しんだあと、彼女は生徒会室に来た本当の理由を明かす。それは、最近生徒達が放課後帰宅する際に、ストーカー被害を受けているという、ものだった。ストーカー被害の調査のため、生徒会からも誰か一人だしてほしいという彼女の言葉を受け取った、僕の兄、和宮 一身は僕を生け贄へと捧げ、その犠牲となった僕は、彼女と学校の回り監視することとなった。その後、残念ながら何の成果も得られなかった僕たちだったが、帰るときに舞さん一人では危険だと僕は感じ彼女を彼女の家まで送り届けることにした。
だったのだが。
「ま、舞さん?」
「ん?どうしたんだ二心。」
「僕、確か家まで送るって言いましたよね?」
「あぁ、確かに言ったな。」
「じゃあ、なんで、僕は、舞さんの家に拉致られてるんですか!!??」
久しぶりの絶叫。少しだけ、現実に向き合う勇気が出た。そう、彼女を彼女の家まで送り届け、彼女が家の中に入ることを確認して、僕は、学校に置いてきた鞄を取りに行こうとした。取りに行こうとしたのだ。だが、僕が彼女の家に背を向けて、学校に向かって歩き出したとき、いつものようにーーーさながらお約束になってしまったが如く、首筋にかつて幾度となく感じた、あの衝撃を受けて、気絶させられた僕は、恐らく彼女にその身柄を確保され、家に連れ込まれた。そして、今の状況である。左前には、彼女が使っているだろうと思われるベッド。その横には、少し、僕の持つ彼女のイメージには合わないが、彼女の私服がかけられている、ハンガーラック。そして、そして、目前には彼女、刃羽 舞の顔がドアップで、僕の瞳に映し出されている。さて、今の僕は、彼女には膝枕をされているのだが、どうすれば良いのだろうか。高校男児としては、この状況は、何物にも代えがたい至福の時であろう。なにせ、僕に膝枕をしてくれているのは、素高校美人ランキングで常にベスト5に入るようなまさに、目が覚める美人なのだ。正常な男子なら、嬉しくないはずがない。発狂レベルなのだ。僕だって、もし、目の前にいるのが、一度も話したことのない、慣れのない美人ならば、僕も発狂していただろう。僕が理性を保っていられるのは、飽くまでも、目が慣れている舞さんだからである。あくまでも、保っているだけであるので、崩壊する可能性は大いにあるわけで、僕の精神力は現在進行形でガリガリと削り取られつつある。それでも、舞さんだからなんとか保っていられる。これは、彼女が魅力的ではないという意味ではなく、むしろ、魅力的すぎて、理性が崩壊し、襲いかかったときには周りからの襲撃に毎日、怯えながら暮らさなければならなくなるからと言う理由も含まれている。まぁ、彼女に手を出したら、明日まで僕は生きていられないだろうね。うん。そんな、地雷に手を出すほど、僕だって、馬鹿じゃないんだよ。そして、現在の自分の状況を省みて思う。あれ?これ、既にデッドじゃね?だって、家に連れ込まれてるんだよ?誰かに見られたら、僕、明日から学校生活できないや。と言うわけで、一刻も早くこの家をでなければーーーと一種の焦りにとらわれる。あとから考えれば、夜暗くなってからの方がばれる確率も少ないと言うことに気がつくのだが、その時の僕は、そこまで思考が回らず、このときは、その場から逃げることだけを考えていた。
「ま、舞さん、僕、鞄を取りに行かないといけないのでここで帰ります。」
僕は早口に言って、立ち上がろうとするのだが、彼女に頭を押さえつけられて、立ち上がることが、出来ない。何故、話してくれないんだ。ここを出られるか出られないかで、僕の寿命の長さが代わってくるのに!!なんで僕の頭を掴んだその手を離してくれないんだ!!
「鞄なら、一身が持ってきてくれたぞ。」
「嘘でしょう!!!?なんで、アイツ、僕がここに居るって分かったの!?」
「………。」
不意に、彼女は僕に一直線に向けていたその綺麗な瞳を僕の瞳から反らす。まるで、なにか、たちの悪い悪戯をしたような、そんな態度。その時に、僕のズボンのポケットから、契約したときから一度も変更していない、携帯のメールの着信音が、彼女の部屋に鳴り響く。
「…………。」
「…………。」
「……。すまない。」
「それは何にたいしての謝罪!?僕の携帯で、生徒会長に連絡をとったこと?それとも、それ以外の事!?」
申し訳なさそうに、謝る彼女。そんな態度で謝られたら、逆に不安になる。僕の兄だけに言ったのなら、構わない。僕が数日、彼にいじられるだけだ。良くないけど、まぁ、いいとしよう。だが、それ以外のことに使われていた場合、場合によっては、僕の身が危ない。て言うか、どうして、彼女はこんなことをしたんだ。いままで、彼女を家まで送ったことは数あれど、こんなことをされたのは初めてだ。一体、僕が何をしたと言うのだろう。
「こんなことをして、すまないとは思っている。だけどーーー」
彼女は、それまで浮かべていた、申し訳なさ気な表情を一転、僕の兄も時々浮かべる、悪戯をするときの笑顔を浮かべる。そんな、彼女の普段はしないような表情に、今すぐこの場から立ち去りたくなるが、顔を押さえつけられて逃げ出せない。僕が、戦慄したのち、彼女は自分のおでこを指差して、残りの言葉を言い放つ。
「ここのお礼はしっかり返さないといけないと思わないか?」
近づいてくる彼女の唇に、僕の脳は思考をやめ、絶句するしかなかった。
読んでくださって、ありがとうございます!!
週一の更新を少しだけ前倒ししています。土日にもう一本アップできるのだろうか……?そして、初!!感想をありがとうございます。参考にさせていただきます。今回も見切り発車で、人によっては急展開と感じる、むしろ急展開以外の何物でもねぇと思う方がいるかもしれません。その事を一番思っているのは恐らく作者でしょう。
あれ?刃羽さん、こんなキャラだっけ……?




