過去での過ち
前半部分が、途中から一人称から三人称に変わっていますが気にしないであげてください。
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「舞を、舞を放せぇぇぇ!!」
轟音と共に、俺は鉄の扉をそこら辺で拾った鉄パイプでぶち破り、倉庫の中へとはいる。扉が倒れたさいに、土煙が巻き起こり、俺の視界を遮る。俺は、全身で空気の流れを感じ取って、敵の数を数える。土煙が収まるまで、俺はその場に佇み、こちらからは攻撃を仕掛けない。数秒後、目を見開けば、なんとか見える状態まで土煙が収まったと同時に、真っ直ぐに突撃する。俺の存在に気づいた奴等は、あわてて行動するが、遅いー。リーダーと思われるやつの頬に拳を一撃を入れて、舞さんを救いだし、彼女を抱えたままその場で180度回転して倉庫の入り口へと向かう。俺は、リーダーを殴られて、呆然としているやつらにたいして、唇を吊り上げ、笑いかける。
「お前ら、覚悟はできてるな?」
既視感。もしくは、デジャブとも言う。いつかどこで、見た景色。必ず、過去に見た光景。そうだーーーこれは、僕という存在が生まれた日だ。そしてーーー俺という存在が壊れた日。今、目の前ではかつての俺がーー孤軍奮闘している。次から次へと、迫りくる敵どもを投げ飛ばし、その様子は、まさに一騎当千。今の彼に立ち向かったとして、彼に勝てるものなど、存在しないだろう。そう、この夢の中の今の彼には。あらかた敵を狩り尽くした彼は、彼女の元へと向かい、怪我がないかを確認する。
「大丈夫か?舞。」
「あっあぁ。大丈夫、大丈夫だ。」
彼女は平静を装って、答えるが、その声には僅かながら、震えが感じ取れる。しかし彼は、その言葉を額面通り受け取り、その緊張を緩め、彼女に肩を貸す。いや、もしかしたら、その事に気づいていたのかもしれない。ただ、気づかない振りをしていただけで。だが、結果として、その判断は事故へと彼の咎、そして、僕の罪へと続いていく。ほら、彼の真後ろでは、リーダー格の男が立ち上がろうとしている。緊張を解いた彼は、その気配に気づかない。安心しきった彼には、その様子が分からない。
やめろーーー油断する理由は何処にもない。
まだだーーー最後まで、過信するな。
夢だと分かりながらも、この声が届かないことが分かりながらも、僕はその背中へと、語りかける。男は、少しずつ走りだし、トップスピードで彼の胸元めがけて、ナイフを突き立てようとする。ようやく気配を感じた彼は後ろを振り向くが、感じるのが遅すぎた。彼の大怪我は、それどころか刺さりどころが悪ければ絶命は、避けられない。例え死ななくても後遺症が残る可能性もある。彼の健康な人生はここで終わる。
ーーー筈だった。
「がふっ。」
気配に気づき振り返った彼をかろうじて突飛ばし、彼女は我が身を犠牲にして、彼を守った。彼女のその腹部には、彼の胸に突き立てられる筈だったであろうナイフが突き立てられており、出血は著しかった。彼女に突き飛ばされた彼は、そんな状況を、尻餅をつきながらただ呆然と眺めているだけであった。
「大丈夫か!?舞、二心!!」
遅れて駆けつけた、彼の兄は、そんな風に叫ぶ。彼が目にしたその光景は異様で、血にまみれたまま地面に伏す他校の多数の生徒と、腹部を押さえながら呻く、虫の息の女子生徒と、彼の唯一無二の弟である、和宮 二心がその女子生徒の手を握り、なにかを必死に話しかけている様子だった。
これは、まだ僕が俺であったときの物語。
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「はっ、ここは!?」
黒く、薄暗い世界から帰還した僕は、ベッドのうえで、起き上がる。………うん?ベッドの上?あれ?どうして僕は、こんなところで寝ているんだ?というかここはどこだ?
「………?」
周りを見渡すが、かつての異世界編の時のように、横に舞さんが眠っているなどと言うことはなく、僕一人でベットを使用していた。僕のいる部屋は、わりと質素な感じで、物があまり置かれていない。タンスに、僕の寝ていたベッド、それから………それだけである。部屋の壁の、四分の一程度を使用し、僕のもとへと光を届ける窓は、閉めきられており、鍵がかっている。少しベッドから起き上がってみると全身で汗をかいており、少し湿っている。うわ。どうやら、悪い夢でも見ていたようだな。
「おっ、おきt」
「やっぱりお前かぁぁ!!」
僕は、最近出番のない肉体強化魔法を使い、扉をあけて入ってきた人物にたいして、最早定番となりつつある右フックをかます。
「くらうっかっ!!」
「僕の黄金の右腕が防がれただと!?」
同じ技を放ちすぎたせいで、対処の流れもスムーズになっている。っち、失敗したか。
「ったく、人の顔見るなりいきなり暴力だなんてさすがの俺もビックリだぜ。」
「俺を眠らせたのは誰だよ?」
そうだそうだ。思い出してきた。僕が、転校生たちに学校の説明をしていると、なんか色々と疲れて、けど鞄は生徒会室に置きっぱなしで、鞄を取りに行ったら、火凛さんと生徒会長がいて、商村がいなくてできない仕事を手伝ってくれって言われて、手伝ったら火凛さんにお茶をもらったらそのお茶のなかに睡眠薬が入っていたらしく、うっかり口にした僕は眠ってしまい、生徒会長と火凛さんにここにつれてこられたとそういう訳なんだろう。
「………じゃあ、ここはどこだ?」
「ここか?ここは、生徒会会計、佐野 火凛の自宅だ。」
読んでくださってありがとうございます!!
この作品も、ついに一ヶ月ですね。ずぼらな作者がここまで書くとは思っていませんでした。ここまで続いたことに作者が一番驚いていることでしょう。そして、pv数が二万、ユニーク数が三千を突破しました。読んでくださってる皆様に感謝です。次の投稿も頑張りますのでよろしくお願いします。




