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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の救難
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意外な結末?

魔王城四階。

僕が魔王の彼女をおんぶして階段を降りてくると、そこでは、案の定と言うか、やはり勇者一身が戦っていた。方やぼろぼろ、方やぴかぴか。まさに正反対の形容詞が当てはまる程の実力さがあった。もちろん、我らが完全ハイスペック生徒会長様が押されているはずもなく、圧倒的に蹂躙していた。その様子を外で見ていた僕は、ぽけーっとしていた。こっちに飛び火するわけでもなく。僕の横の名前不明の美少女魔王の意識が覚醒するわけでもなく。ただただ、暇だ。ここまで暇だと、眠気との戦いだ。僕の最後の敵は睡魔かもしれない。眠い。

「……ん。…んん。」


僕の背中からおろした彼女は、僕の横で寝返りを打つ。その様子を見ると、なんだか微笑ましい気持ちになる。まぁ、目の前では血なまぐさい戦いが繰り広げられているけどね!!君を守るべく戦っているんだろうけどね。目の前で戦っているのに寝ちゃってるよ。結構、大きな音が響いているのによく眠れるね。魔王って言うだけあって神経は図太いもかもしれない。生徒会長は余裕そうに戦っている。少し可哀想だな。同情するよ。僕が同情したところで、主人公補正を覆すことなんて無理だろうけど。たっている次元(レベル)が違う。


「クッソ!!どうして僕がこんなやつに!僕は、僕は四天王最強のはずだ!僕が負けるわけがない!!」


負け犬の遠吠えのように吠える、えーと、ワール君だっけ?相手が悪かったと諦めるべきだね。同情するよ。うん。しかも、四天王最強のなのに、僕見逃しちゃってるよね。四天王最強なら僕と生徒会長二人を同時に相手取ることぐらいはしてほしい。それでも、生徒会長一人で相手してしまいそうだが。彼と戦っている生徒会長が一瞬だけこちらに視線を向け、唇を動かす。『誰だ?その美少女は?』と彼はそう唇を動かす。僕もそれに答えるように、『えーと?魔王?』と返すと、あからさまにハァ?と言う顔をするというより、された。いや、そんなこと言われて(目で伝えられて)も僕にもわからないよ。どうして連れてきちゃったんだろうね?彼女の方へ顔を向けると、幸せそうに眠っている。魔族にある羽や爪、角など生えておらず、その肌色の白く透き通った肌はまさに人間の少女の中の美少女というかんじだ。守ってあげたくなる庇護欲を掻き立てるというか。


「悪いがこの勝負。ここで終わらさせてもらう。流星(シューティングスター)!!」


生徒会長はその剣を高く掲げ技名を叫ぶと、その剣が煌めき、生徒会長の姿が一瞬ぶれる。そしてーーー

気づいたときには全てが終わっていた。


「悪いな。けど、峰打ちさ。」


ワール君はズタズタに切り裂かれており、至るところか小さく出血している。体を切り裂かれた痛みからか意識が朦朧としているようにも見える。足元は焦点が定まらないようにふらついており今にも倒れそうだ。一方彼は、その顔に爽やかだが、何処となくばつが悪そうな顔をする。それはそうだろう。敵とはいえ(・・)は、人を殺したことなどないのだから。


「く、……そ……。」


ワール君は最後にそう呟いて倒れる。負けたことが悔しいのか、魔王を守れなかった事が悲しいのか、倒れるときに彼は涙を流していた。


「さて、二心。そこの少女のことを詳しく聞かせてもらおうか。」


そんなこと言われても、僕には出来ることと出来ないことがある。むしろ、できないことの方が多い。詳しくと言われても、僕は彼女とはまず一言しか言葉を交わしていないし、彼女の方も僕を倒すと言う宣言しかしていない。だから、僕が彼女のことを知るわけがない。


「取り敢えず。彼女が起きるまで待とうか?」


―――――


「んん……ぅん…うん?」


彼女が起きたのはそれから三十分後のことだった。既に、火凜さんと、舞さんも四天王を倒して追いついている。てなわけで、あと倒していないのは僕だけだけなんだけど、しかし僕は彼女を倒していない。見た目美少女の彼女には、人間の論理感が働いて僕には攻撃できないのだ。なんて、かっこよく言ってみるけど、要は女の子に攻撃するのは忍びないだけである。僕が攻撃する前に倒れちゃったし。


「……ん?ぅん?」


目が覚めた彼女は僕たちをまず彼女の顔を覗きこんでいた僕と目が合う。そして、勢いよく顔をあげる。僕はラノベ主人公の二の舞を踏むものかと必死で回避する。ふぅー、危ない危ない。このままだと、ヒロインと頭をぶるつけるというイベントは回避された。そういうのは、僕じゃなくて僕の兄が起こすべきだ。僕じゃあ、役不足です。


「あ、あなた、なんでここに!?」

「魔法を放った貴方が倒れたからでしょう?」

「だからって、魔王である私を何故、勇者であるあなたが……。」

「いや、ねぇ?」


僕は彼女の言葉に首をかしげる。なんでって、そんなもの決まってるよなぁ。僕は、生徒会長の方へと顔を向ける。そこには当然という言葉が顔にかかれていた。


「君が倒れたから。あと、」


そこまで言って僕は言葉をためる。これから何を言わなければならないか分かっているから、意外と恥ずかしい。後で、覚えとけよ生徒会長。


「女子を助けるのに、理由はいらない。」


きっとぎこちない笑顔で彼女に告げた。


彼女の顔は、何故か真っ赤だった。

読んでくださってありがとうございます!!

作り上げたらすぐ投稿するからこんな迷惑な時間に出来上がるんですね。もう少しで一章終了するはずです。せめて、一章が終わるまでは不定期でいたくない…。頑張ります。よろしくお願いします。あと、お休みなさいです。

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