四天王3・4それから決着?
魔王城三階。
舞さんをなんとか信じてやって来た僕たちは、邪魔されることなく順調に進む。そして、そのまま進んで行った僕たちは魔王の四天王にして、第三の手下、四天王の紅一点。
「ケリア・シーラ様よぉぉ。」
無駄に語尾を伸ばす、ケリアさん。今は、火凜さんが相手をしている。どうして、身体能力が高いはずの魔族が火凜さんと互角なんだろう。これも、勇者補正か?強い。
「さて、お二方。ここは私に任せて先に行ってください。会長と副会長の敵は私の敵です。」
互角に戦えることを計算してか、僕たちに先を促す火凜さん。舞さんの時にも思ったけど、これって、イベントだよな…?こう言うことを言う場合って大抵死ぬ若しくは大怪我をしてやはり死ぬんだよな…。だから、僕は先に行きたくないのだが……。
「行くぞ。二心。その方が効率的だ。」
「効率的って、お前、心配しないかよ。」
効率的なんて、人としてどうかしてる。人の命よりも、効率を優先するなんてどうかしてる。僕がそう思い、口にしようとしたら、先に生徒会長が口を開く。
「そりゃ、心配だけど。でも、俺はあいつらが負けるなんて思わない。」
その言葉は、僕を前に向かせるのには十分だった。そうだ。彼女たちが負けるわけないじゃないか。僕よりも強い彼女たちが負けるわけがない。僕は心配だっただけだ。自分の身が。彼女たちを信じていなかったのは僕だ。託してくれたのなら、僕は先へと進まなければならない。彼女たちの期待に応えるために。
「行くぞ!!一身。」
「当たり前だぁ!!」
僕たちは、彼女をおいて先へと進んだ。彼女の方は振り返らなかった。
魔王城四階。
その場所は今までとうってかわって、雰囲気がまったく違った。まるで、本物の魔王城のような、そんな禍々しさを放っていた。最初の四天王なんて比べものにならない程の魔力。あまりに強すぎて、気が変になりそうだ。狂いそうだ。僕が、僕であることを堪えきれなくなりそうだ。
「何者だ!出てこい!!」
「あれ?僕の技が効いていないなんて珍しいこともあるもんだ。」
おちゃらけた声が部屋に響き渡る。うわ、めまいがしてきた。何て言うか、頭のなかで響いてグワングワンなる。しんどい。
「僕は四天王最強の、ワール・セクール。よろしくお願いするよ。」
生徒会長は唇をつり上げ笑う。
「俺は、勇者。そして、今日の俺は影。だから、俺を置いて先に行け。二心。」
しばし、考え込む。
答えはもう既に出ている。二通りの答えが。一つ目は彼の指示に従う。二つ目は彼を先に行かせる。その、どちらかだ。魔王の実力が分からない以上彼が行くべきだと思う。けど、僕がここで瞬殺されてこの魔物が、魔王の元へとたどり着く可能性がある。僕は拳を握りしめ、覚悟を決める。一応、腰に剣もある。
「………。分かった。ここは任せて先にいく!!」
僕は皆を信じて階段をかけ上った。
魔王城、最上階。
魔王がいると言われている場所。雰囲気は先程とはうってかわって、初期の頃の小綺麗な雰囲気に変わっている。もとに戻ったと言うべきか。とにかく、また魔王城らしくなくなったと言うべきか。なんと言うか、このきれいな大理石見てると、本当に魔王が住んでるのか不安になるんだがな……。僕はもう一度、辺りを見渡し周囲を確認する。
「あれ?そこにいる君が魔王かい?」
何かしら、不穏な空気的なものを感じたので、僕がそちらに向くと、僕と同年代ぐらいの少女が、魔王城を支える柱の後ろに隠れていた。僕に見つかったとき体をビクゥと震わせ、敵対心丸出しで、僕のことを睨む。が、白いワンピースに、眉毛より少し上で整えられた橙色の髪、少しつり目の嫌いがあるものの、透き通ったその白い肌を持つ彼女は、ちっとも恐くない。もしかしたら、僕よりも弱いかもしれないと一瞬思ってしまう。
「き、きき来たか、勇者よ。わ、我はここで貴様をた、たたた倒す!」
傍目にも無理していることがよくわかる。台詞とか噛みまくりだし。どうやって僕を倒すのだろうか。彼女は詠唱を初め僕に向かって放つ。
「………え?」
放たれた魔法は僕の目には止まらない早さでーーーなんてことはなく、しっかりと目で追うことができる。その速度は、火凜さんの魔法と比べるとあまりにも弱く、また遅い。伽凛さんが兎だとしたら、こちらは亀だ。僕は、その魔法を実験も兼ねて、魔力を流し込んだ剣で切り裂く。よかった成功。さて、次はどんな魔法が飛んでくる………。
「………え?」
思わず口から疑問の声が出てしまう。僕にたいして魔法を打った彼女、つまり魔王が僕の目の前で体を前のめりにして倒れている。僕は少しずつ近づくが体を起こす気配はなく、起き上がる気配もない。目立った外傷はなく、息も安定しているので死んではいないだろう。だとしたら、どうして……?
「うーん?」
恐らく、僕以外の人が負けるとは思えないので、しばらく考え込む。なんで、彼女はいきなり気を失ったのだろう。え~と、まず肉体的なダメージが多すぎて失神とかは考えられないだろう。僕は彼女に傷をつけていないし。精神的にしてもおかしいよな。別に僕彼女と言葉交わしていないから精神的ダメージを与えるような言葉は口にしていない。じゃあ、なんで倒れたんだ……?
「あっ、もしかして……?」
ある考えが頭に浮かぶ。確かにこれなら、ファンタジーでの失神する理由になるし、考え方としてはおかしくないか。でも、魔王だぞ?そんなことあり得るのか……?僕は頭にハテナマークを浮かべながら、彼らと合流するために、彼女をおぶって下へと降りる。彼らの意見も聞かせてもらいたいし。
「皆、無事かなー?」
僕の口調は自然と明るいものになっていた。
読んでくださってありがとうございます!!
いつものように急展開!!主人公……。なんの脈絡も伏線もなく話は進みます。異世界編、そろそろ終了か?答えは神のみぞ知る!!と言うわけでよろしくお願いします。




