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生徒会副会長の受難  作者: 紫緑
生徒会副会長の救難
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鎧か、制服か

よくよく考えれば、僕はいいにしても、舞さんは駄目なんじゃないか。異世界に連れてこられてやっとその答えにたどり着いた。


そもそも、彼女は先週の異世界召喚(仮)の事件で一番の大ケガをおった被害者である。確か、全身に切り傷が無数にあったとか。カマイタチのようなものだったのだろうか。僕は、魔法には詳しくないのでよく分からないんだけど、取り敢えず、彼女がここにいるのはおかしいというか、断られても仕方ないというか。それなのに、彼女はここにいる。僕たち生徒会役員に着いてきてくれた。なぜだか分からないが、やはり弱味を握られているとかではないようだ。うーん、ではなぜ着いてきてくれるんだろう。分からない、謎だ。


「勇者よ。この世界を救ってくれ。」


目の前の豪華な椅子に座る、銀髪の、眉間にしわを寄せたいかにも苦労してますオーラが漂う王様に魔王の討伐を依頼される。生徒会長曰く、この異世界に来たのは、偶然。異世界(アレガルド)の政治というか、財政を救うことにした彼はあっちの世界で覚えた、転移魔法を使ってあっち(アレガルド)こっち(地球)を行ったり来たりしていたそうだ。それで、一昨日もいつも通りアレガルドに向かった彼はいつもとどこか違うことに気づく。そして、透過する魔法(本人は疚しいことには使っていないと主張している。)やらなんやらを使って、この世界が異世界だと確信したそうだ。決めては、地図だったらしいけどね。


「てかさー。なんで別の世界の言葉がわかるの?」


生徒会長である、僕の兄は残念だけどハイスペックではあるので他国語ぐらいは余裕で翻訳できる。けど、僕たち(彼女には悪いが、同類とさせてもらう。)は余所の国の言語を翻訳できるほどハイスペックではない。しかし、この僕!僕ですら言葉がわかると言うことは、他の皆にもわかると言うことだ。


「分からない。メリアが言うには、そういう法則が成り立っているらしいが……。」


ご都合主義ですねわかります。なるほど、ご都合主義かー。なら仕方ないかなー。って!そんなわけあるか!!僕は心のなかで、この謎の解明を一番とすることにした。


「さて、魔王城だが、ここから3日歩いたところにあるそうだ。」

「……?そんなこと、分かっているぞ、一身。」


腰に刀(正確に言えば、細剣で刀とは言えないが、つい慣れ親しんだ呼び方をしてしまう。そして、剣道の有段者である彼女には、よく似合っている。)を差した舞さんが疑問を口にする。うん。そうだよね。ここにいる人で王様の話聞いてなそうな人とかいないもん。あげるなら僕か。ははーー。ちっ。心で舌打ちしておく。


「念のためだ、念のため。こういうのは口に出して確認しておいた方がいいからな。」

「確かに、そうですね。」


火凜さんが生徒会長の言葉に相槌をうつ。彼女は、魔導士のローブを着ていて、それらしく見える。しかも、かなり高位の魔法まで使えそうな大賢者風に見える。杖がないのが残念である。そして、勇者生徒会長様は正に勇者って感じだ。格好いい。格好いいんだけど……。


「あっ、二心また笑いやがったな。お前のその格好よりましだ!!」

「ふーん。そんなこと言うんだ。僕はただの学生服だけど、こっちの方がましだと思うよ。」


僕の服は、組素高校の制服そのまま。緑を基調としていて、所々にアクセントとして、淡く、しかし緑が基調なのでしっかりと自己主張する紫のラインが入れられていて、わりと格好いい。そして、僕の制服のブレザーの左胸には生徒会役員の副会長職であることを指し示す、青いワッペンがつけられている。ちなみに生徒会長は赤、会計である火凜さんには紫で書記が緑、庶務が黄色である。わざわざ役員ごとに色を分けてある。なんでもこれは昔生徒会役員が全員、五子で見分けがつかなかったかららしい。五子って、僕たち双子よりも数億~数兆倍珍しいんだろうな。うわー。出来損ないとかさぞ息苦しかっただろうな。


「一身。私も、二心の方がいいと思うぞ。」

「会長。私も、副会長の意見に賛成です。」

「うぇっ!?こっちの方がかっこよくない?」


生徒会長以外、満場一致で制服の方が格好いいと言っている。生徒会長の服は、いや、鎧は白と、銀と、灰色の三色で構成されており、また、肩の部分や、胸の真ん中辺りには僕たちにこれを貸している国、シザイアという国の代表する模様、地球で言う国旗のようなものだろうか、が刻み込まれていた。うん、ダサい。鎧が空の光を反射して、どれ程神々しく煌めこうがまったく関係なく、かっこよくなかった。て言うか、勇者が言い合いに負けている時点で既にカッコ悪い。黙っていれば、容姿だけで至るところにハーレムとドロドロを撒き散らすほど整っているのに。そして、それを僕がいつも処理してるんだから。


………。

自分で言ってて悲しくなってきた。そもそも、そんな鎧を格好いいと思っている兄がいる時点で僕に恋愛は無理なのかもしれない。回りが成功するようにプロデュースするので精一杯だよ。頑張って来たかいもあって、この前ついに成就したカップルが二桁、二桁になったけどね。たまに相談に乗ってくれって言われるけどね。なんか、最近すごくそんな相談が多いし。成功した人に聞けって話なんだけど。僕が頼られるのは凄く謎だ。


「なんで、これの良さが分からないかなー?」


兄は、あれの良さが伝わらないのが不服なのか、本気で首を傾げている。


どうやら、双子でも僕よりもセンスがないようだ。ドンマイ、生徒会長。

読んでくださってありがとうございます!!

本日二度目の更新です。見切り発車なので、やはりなにも考えずに書きました!!というわけで次回もできるだけはやく投稿したいです。ここで逃走したりしないよな?不安です。では、よろしくお願いします。

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