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第6話 気怠い日々

 水曜日。今日もまた学校へ。気怠いが、俺はどうにか冤罪を信じてもらうために何かしなきゃと思い、学校へ行く。が、そんなことをやる気も失せるようなことが起こる。

 小中でも一緒だった仲の良かった女子が、水をかけてくる。それを撮った動画を直ぐにSNSにあげて投稿される。こう言う手のものを、何度も何度も、今日は画鋲で足を刺したし…。

 ストレス発散なのか、生徒会長の事を好きなのか知らないが、こっちからしたら迷惑すぎる事だ。そして、俺がどうにかあの日の状況を説明しようとしても誰も信じてくれない。


「●●して、早く楽になりたい。でも…」


 俺はこの世界の少しの希望をまだみ続けていた。妹…には相談してもわからない話だろうが、その妹も親友も信じていてくれる。それだけで希望を少しでも持てる俺がちょっと気持ち悪いとは思ったが、やはり感謝しかない。

 また、明日真実を伝えれば行けるかも。そんなことを頭の片隅に入れながらも、今日は早退せずに帰る。

 最近の母は妙だ。イライラしたり、そのイライラを俺に当ててきたり…。いじめられていると言う息子への劣等感でも感じているのだろうか。

 帰って、他の人のアカウントに似せた自分のSNSアカウントを開く。そこには、俺へのいじめ動画が乗っている。


『爆笑wこいつ●●しそうなのにまだしないのおもろいw』

『正直言って死んで欲しい』

『ストーカーくんまた炎上だねw』


 嫌なコメントしかなかったが、俺がコメントすると、またブロックされるので、もう何も言わないことにした。


***


 木曜日。今日はちょっとどんよりした天気だ。電車内でもどんよりとした雰囲気になっているが、それ以外はいつもと変わらない。俺が座席に座ると、何も知らない大人たち以外はみんな離れてしまう。これが日常になりかけている俺は相当やばいかもしれないが。


「あいつってなんで生きてるんだろう?生きている意味なくね?」


 と言う声に俺は反応した。「生きている意味」ってなんだ?俺はなんでここまでやってきたんだろう。妹や親友の助けがあったからかもしれない。だけど、俺は結局現状維持どころか更にひどくなっているような気もする。

 俺ってやっぱりダメだな。そう思って、次の駅で降りてしまった。家の最寄り駅の隣で、あまり何もないこの駅は学校をサボるのにちょうど良かった。


『今いいか?』

『骨折バカ痛いけど、大丈夫だ。何かあったのか?』

『いや、生きてて良かった。これまでありがとうね』

『本当にどうした?お前もしかして…』


 俺はYITTERのアカウントを削除した。LIMEも削除した。他のアカウントも全部消して、自分がいたと言う証拠もなくして。SIMカードも折ってしまって、近くにあった川へとスマホを投げ込む。


「俺には、もう●●しかないのかな。」


 俺は、スマホを捨てて、家へと帰る。学校があるのにすぐ帰ってきたことに気づいた母は、俺に間髪入れずに、


「学校行きなさいって言ったでしょうが!あんたねえ、もう少し自分のやったことを自覚して、反省しなさいよ」


 やっぱり、息子のことなんて考えてなかった。別れたと言う事を察してくれた時は嬉しかったが、もう嫌になってくる。無視して、俺は部屋に篭る。


「親友を失いかけ、自分もいじめられて…。もう俺には希望がないのかな…。」


 その日は、俺を避けるように上手い具合に動いたのか、家族と会うこともないまま終わった。


***


――修太目線――

 今日はあの俺を殴ってきた野郎も居なくて、名張もいない。面白くないが、せいせいする。今度あの野郎が来た時には、瀕死になるくらい殴ってやる。

 今の俺は、先生と生徒、生徒会長さえも動かしている。何をしても、俺の思い通りになる。本当に分かりやすい奴等だ。明日、名張がきた時には何をしようかな…w

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