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【完結】【連載版・書籍化準備中】結局、教室の隅っこでコソコソ盛り上がってる陰キャ貴族令息たちの話が一番面白い  作者: ミズアサギ
二学期

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【人物紹介】 とある報告書によると②

誤字脱字報告、ありがとうございます!

何度見直しても推敲しても⋯⋯。

本当に助かっています。

 

 聖女の一人もいない近隣の国、オーフィン王国。

 そんな国に次年度に留学することが決まった。

 特に興味もないそんな国に、何故この私が。大人が言うには、聖女すらいないオーフィン王国がなぜ平和を保っているのかを学ばなければいけないらしい。面倒臭い。

 でも、国からの命令だ。行くことは行く。行くんだけど。


 私は重度の人見知りである。そんなことよりももっと重大な心配事がある。だって私、聖女といっても……。

 下調べは十分に越したことはない。大聖女様から先ほど報告書を渡された。

 私はため息を吐いて報告書に目を通す。


 そして、すぐに報告書を投げ出した。

 何? 侯爵令嬢だとかその他貴族令息とか、どうでもよくない?

 それに何故、この学年に国の王太子やら宰相の息子やら、主要人物が揃っているわけ?

 こんなの、間違ってお近づきになったら碌なことにならないってわかるじゃないの。罠なの?

 どうせ仲良くしたら、どこぞの婚約者とかが出てきて断罪されるんでしょう? で、城壁からプランプランなんでしょう?


 はぁ。本当に面倒臭い。

 あら? 報告書には二枚目があったのね。私は仕方なくその二枚目の報告書を手に取った。



 ***



 追加報告は以下の通りである。


 ◇ オドレー・ヤンス子爵令嬢(15) 

 ★アンリ・ガルフォン伯爵令息(16)

 学園入学直前に婚約が解消される。オーフィン王国で勃発した婚約解消の騒動に関係があると思われる。

 集団婚約解消については噂レベルの情報しか無く調査中。

 お互い、まだ想い合っている様子。

 アンリはオドレーに贈られた腕章を自宅に飾っているとの証言あり。


 ◇ ソフィ・ランシアン男爵令嬢(15) 

 ★ノーラン・サラーン男爵令息(16)

 以前、ノーランより婚約の申し込みがあったが保留。オーフィン王国での婚約が承認されない問題に関係があると思われる。婚約未承認問題も調査中。

 お互い、婚約を強く願っている様子。

 ノーランはソフィに贈られた腕章を寮に置いておくのが心配で、ソフィに預けているとの証言あり。


 ◇ ローズ・ナオン伯爵令嬢(16) 

 ★ジョセフ・キャロン伯爵令息(16)

 クラスメイト。席が近い。喧嘩ばかりしているので、大変仲が悪いものだと当職も勘違いしていた。

 信じられないが、お互い想い合っている様子。信じられない。




 ***



 は?

 何、この二枚目の報告書。すごくいいじゃない!

 きっと大聖女様が仲良くなれそうな女子生徒を調べるように言ってくれたのね。皆、ちゃんと恋してるじゃない。


  それにしても当職って調べた人?

  わかってないわねぇ。世の中には喧嘩ップルって人たちがいるのよ! 尊いのよ!

 そんなこともわからないで調査員って、世も末ね。


 とにかく、高位貴族とかどうでもいい。こんな等身大の恋愛をしている女の子たちとお話してみたい。

 私のような()()たちみたいな恋をしている女の子と……。




 あー、でもやっぱり憂鬱。今の暮らしにすら慣れていないのに、留学までしないといけないなんて……。

 あと四ヶ月か。それまでに私の秘密をなんとかしないと。


 あと、もし可能なら、オーフィン王国のパンが食べてみたい。気取った貴族が食べるのじゃなくて、平民街で売っているような、上顎が怪我するぐらい固いパンを。

 あとできれば留学先でお友達が欲しい。べ、別に一人でも全然寂しくないんだけどね。


 あー…あー…

 お腹すいた。

お読みいただきありがとうございます。

明日も午前中の投稿予定です。


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― 新着の感想 ―
前のものもそうでしたが、斬新な人物紹介ですね。 書かれている人物のみならず、これを読んでいる人物やこれを書いた「本職」さんの人物も何となく分かる上に、話にどう関わってくる誰なのか、にも興味をそそられま…
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