約束
さくらは、山吹川という近所の川で遊んでいた。最初の頃はひとりで遊んでいたのだが、最近はカワオ君という男の子が遊んでくれるようになった。カワオ君は、山吹川についてはなんでも知っている。それから、カワオ君は野菜が好きだけど、さくらは好きじゃない。だから、学校の給食で出た野菜はティッシュに包んで河原に置いておく。そうすると、カワオ君が食べてくれる。
「カワオ君はどこに住んでるの?」
ある日、さくらはカワオ君に聞いてみた。
「山吹川だよ。この水の中。」
「うそ!水の中は住めないってお友達のリコちゃんも言ってたよ?」
「じゃあ、リコちゃんは住めないんだ。僕は住める。さくらちゃんは、住めるかな?」
「ん〜。カワオ君が住めるなら、さくらも住める…のかなぁ?」
「そうかもね。ところで、リコちゃんとは仲が良いの?」
「うん!幼稚園の頃から一緒でね、小学生になっても同じクラスでうれしい!」
「よかったね。さくらちゃんにはそんな仲が良いお友達がいるんだ。」
「そうだよ!リコちゃんは物知りでね…」
その後、カワオ君にリコちゃんのことをたくさん話した。カワオ君は楽しそうに聞いてたから、リコちゃんに会いたいのかな?聞いてみよう。
「ねぇ、カワオ君!明日、リコちゃんと遊ばない?」
「いいね。ここに連れてきてよ。」
「わかった!あ、そろそろ帰らなくちゃ!ばいばーい!また明日ね!」
「うん。また明日。」
そう言って、2人は別れた。
川からの帰り道、ちょうどリコちゃんが向こう側から歩いてきた。
「リコちゃん!明日の午後暇?」
「さくらちゃん!うん、暇だよ〜。」
「じゃあさ、さくらのお友達に会ってよ!」
「いいの?じゃあまた明日ね!」
「うん!じゃーねー!」
リコちゃんは話を終えると共にさくらが来た方向へ走っていった。