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episode1 ある転生者の話

桜が咲き乱れるこの日僕は、狩人育成機関学校に入学した。


始まりは今から約10年前──

6歳の頃高熱を三日三晩だした末に前世の記憶と言うやらを思い出した。

分かったことといえばこの世界は、漫画【穢がはびこる世界で僕にできること】通称はびせかの主人公杏堂夏弥(あんどうなつや)に転生したことだ。

ただ1つ修正すると僕はこの漫画を読んでいない、ただこの漫画が好きな幼なじみの話を聴き流していただけ。


興味が無かったから記憶にあまり残っていない、しかも完結する前に僕は死んだから最終的にどうなるのか予想もつかない。


詰んだ──。

そう思った。


「なーつー!」

「うわっぁ!鈴!」

「へへ、びっくりした?」

後ろから驚かせきた少女は、雪那鈴菜すすぎなすずな原作のヒロインのうちの一人であり僕の幼なじみだ。


「入学式緊張してる??」

「いや、そんなに鈴は?」

「うーん、私も夏と一緒でそんなにかな…それより!一緒のクラスになれるといいね!」

「あぁ、そうだな!」


原作では、一緒のクラスだったので僕はその心配はあまりしていなかったが教えるとなんで知っているのかってなるから黙っておく。



◇◇◇



「うわぁ、大っきい」

「あぁ、確かに」


狩人育成機関学校は、国が運営しているとはいえここまで大っきいとは思わ無かった。


「あ、あそこでクラス発表されてるよ!」


鈴菜に引っ張られながら人が集まっている場所に近づく。


「え〜と・・・あ!夏!一緒のクラスだよ!!三組!」

「良かったな!」

「うん!」


「──クラス確認出来た新入生は、体育館へと向かってください!」



「僕たちも体育館へ向かうか」

「そうだね」


体育館へ向かう道は迷わないよう所々に在校生達が立ち止まっていた為迷わずたどり着くことが出来た。


「……分かってたけど、体育館も広ー」

「だな……どこに座ろうか」

「見た感じどこでもいいぽい」

「じゃあ真ん中の一番端に座るか」

「そうだね」


席の配置は横5列の椅子が人が通れる隙間を開けて三つにまとまっている感じだった。


「まだ、時間あるみたいだね〜いつになったら始まるんだろ」

「言うて後3分くらいだろ」

「…カップラーメン?」

「…やめろ食べたくなる」

「ふふ」


話しているとだんだん、席が埋まってきた。すると急に声がかけられた。


「あの、すみません、お隣座っても宜しいでしょうか?」


声をする方向へ目を向けると一人の少女が居た。


「あ、どうぞ」


良いと分かると彼女は笑って感謝を伝え席へ座った。


「初めまして!私は雪那鈴菜!よろしくね!ほら、夏も!」

「え、あぁ、僕は杏堂夏弥、よろしくね。」


この子、確かヒロインの内の一人──


「はい、雪那さん、杏堂さん。私は黒峰楽(くろがねこの)と言います。よろしくお願いします。」


やっぱりそうだ。確か記憶では──


「これから狩人育成機関学校第15回入学式を開催します。」


考えている時、入学式が始まった。


◇◇◇


「えー、まずは御入学おめでとうございます。今ここにいる皆は将来日本を穢から守る狩人になることでしょう。ここ狩人育成機関学校は、それを十分に学べる場となっているので頑張ってください。」

「校長先生、ありがとうございました。続いては生徒会長のお話です。」


「うわ!本物だ……!!」

「有名なの?」

「何言ってるの夏!?生徒会長と言ったらA級の狩人だよ!」

「へーそうなんだ…」


鈴の言葉に今目の前で話している生徒会長に目を向けた。銀髪に瑠璃瞳のThe美男子と行った風貌の青年だった。


「まぁ、この学園は強者であるほど高い地位につきますからね」

「そうなんですか、黒峰さん」

「楽でいいですよ、杏堂さん」

「じゃあ、僕も夏弥でいいですよ」

「あ、私も私も!鈴菜でいいよ!」

「はい、夏弥さん、鈴菜さん。」

「さん付けじゃなくてもいいのに……」

「すみません、癖でして……」

「それなら仕方ないかぁ」


「あの、さっき言ってた強いほど高い地位につくということは生徒会長がこの学園で一番強いってことですか?」

「いいえ、正しくは生徒会長は、二番目なのです。」

「二番目?」


否定した楽に疑問を持ったのかオウム返しをした鈴。


「はい、この学園で、一番強いのは──」


「バァン──」

楽が答えようとした時後ろからドアがいきよいよく開く音が聞こえた。


「え、何?」


鈴の驚く声を聞きながら音がした場所へ目を向けるとそこにはある少女がいた。


逆光になっていて顔は確認できなかったが少女が歩き進める事に少女が誰なのか確認できた。


あの子は──!


「どうして……」


楽の声が聞こえ目を向けると目を見開いて”白柳幸”と少女の名を発した。


日光が髪に反射し光り輝いてアースアイの瞳を輝かせながら歩き進める姿に周りは絶句する。


ただ僕は、違う意味で絶句していた。

彼女ことは、前世で耳にタコができるほど聞いていたのだから。


『みてみてー!私の推し!めっちゃ可愛くない!?メチャ強なんだけど強すぎて、誰も信じれなくて、だけど最後の最後で信じてみれば良かったって後悔したシーンマジで号泣もん■■もこれ見ればいいのに!」

『僕は良いよ、興味無いし、てか■■■も漫画興味無かったよね?』

『なかったけど、推しに出会って変わったというか〜』


前世の幼なじみの推し白柳幸のことを──。



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