episode7 るる
親睦会をした次の日に幸はある場所に来ていた。
ガチャ
「あれ〜憂じゃん。他の皆は居ないの?」
「やっほ幸。みんなは後で来るって」
ドアを開ける先にいたのは、幸の同期の黒髪の美男子、黒峰憂だった。
場所は、狩人本部。
そこの1箇所にはS級たちしか入れない場所がある。
そこでは、会議室、休憩場などがあり仕事がない場合にはよくそこでいることが多い。
「そういえば幸、昨日学校行ったんでしょ?」
「そうなの!設備とか意外と整っててもっと早く行けばよかったかな〜って思ったの案外悪くなかったよ」
「ふーんそうなんだ」
「憂は、学校に行かなかったんだっけ」
「うん。必要性を感じられなくて」
憂は、幸よりも2歳年上だ。
彼がS級になったのは今から2年前。17歳の時であった。
S級以下の狩人は学校へ通うのを義務づけられているがS級は通わなくて済むのだ。
「そういえば今日平日だけど大丈夫なの?」
「まぁ、学校よりこっちを優先しなきゃいけないし・・・あぁでも放課後はちょっと顔出す予定ではあるよ」
「なんで?」
「可愛い弟子たちを育てなきゃいけないから」
「・・・幸って他の人の世話するの嫌いじゃなかった?」
「うーんそんなんだけど・・・・──約束しちゃったし」
「ん?なんて」
「ふふ〜なんでもなぁい」
最後の部分聞き取れなかったと言う憂に幸は笑いながらはぐらかした。
「あ、そうそう弟子たちの中にあの子がいるんだよ」
「あの子?」
「楽ちゃん」
「・・・そうなんだ」
「反応薄くない〜?」
「いや。だって・・・」
「だってって・・・・。楽ちゃん、憂の実妹じゃん。」
「あんまり話したことないから」
「あ〜狩人になってすぐ東京に来たんだっけ?」
「うん。俺が東京に行った時、楽は12歳だったし前からそんな家にいても会わなかったから」
「ふーん、そういえばなんで東京に来たの?」
「・・・東京の方が強いやつに会えると思って」
「・・・・」
「何その鳩が豆鉄砲食らったような顔をして」
「……ふふ、ははっ。そっか確かに!間違いない!」
「なんで笑うの」
「ヴゥン。笑ってない笑ってないってば」
「・・・・・」
この会話は部屋に誰か入室してくるまで続いた。
◇◇◇
「あら?もう来てたのね」
「あ!犂夏さん!」
来たのは同じS級の犂夏莉であった。
「他の人たちは?」
「実は穢の対応と後処理におおわれていて参加出来ないのよ。《《ループ》》も使うほどだし」
「うわぁ・・・」
ループとは、全国の狩人本部に置かれているもので、S級が全国どこにでもすぐに行けるようにと開発されたもので世間にはまだ広がっていない秘密道具である。
このループがあるおかげで代表地方にいなくてもいいのだ。
現に犂夏たちは、地方に家はあるが東京に住んでいる
「じゃあ、私たち3人しか参加出来ないってこと?」
「そういうことね」
「犂夏さん、今日は3人しかいないけど、どうして集まったんですか?」
「それがね〜新しい形態の穢がでたのよ」
「え・・・・!?」
「・・・・・!?」
「今から3日前A級の前に出たのが不幸中の幸いね。
言葉は、はっきりと発していなかったのだけれど見た目は真っ黒の人型らしいわ」
幸の脳裏にある記憶が呼び起こされる。
忘れもしない真っ暗な空間を。
そして誰よりも眩しいあの子を。
『実はね・・・!穢は、動物型だけじゃなくて人型もいるの……!その正体は───』
あぁ、やっと始まるんだね。
──るる。
══【その頃の5人は】═════════
夏弥「どうして・・・・」
鈴菜「他の・・皆は」
楽「なんでこんな目に」
冬雪「うぅ・・」
雅「他の奴らは・・・
的相手にちまちまやってるのに俺らだけなんで教師とやんだよ!」
教師「ハッハッハ!だってお前らの師匠は、白柳だし的相手だとつまらないと思ってな」
実技授業で教師にボコボコにされていた。