episode5 訓練
「えーと・・・・ここがトレーニング室Ⅰですね」
あれから授業等終えた、夏弥、鈴菜、楽、雅一行は、幸に言われた通り指示された部屋に着いていた。
「ほぇーここがなんか沢山部屋があるね」
「ここのエリア階にある部屋は全てトレーニング室なんですよ」
「まぁ、さすがと言ったところだな」
「もう来てたりするのかな」
「さぁ、どうでしょう…
”コンコン”
失礼します。」
「あー!来たきた。やーほー!朝ぶりだねぇ」
「ひぃっ」
「さぁ、どうぞどうぞお好きなところへ座った座った!」
部屋の真ん中に円になるように6個の椅子が置かれていた。
席は、時計回りに幸、楽、鈴菜、夏弥、雅、冬雪といった順番となった。
「それじゃあ!改めて自己紹介と行こう!私から時計回りに!」
◇◇◇
「布里名冬雪でしゅ!
あぅ…しゅ趣味は…読書です…」
最後のひとりの自己紹介が終わったところで
幸は席を立ち上がった。
「よし!じゃあ闘おっか私と」
《はい?》
笑顔と言葉が合っていない発言に一同は疑問の言葉をもらした。
「ルールは、1対5
君たちはジェットとか使っておっけーだけどハンデとしてわたしは使わない。あぁでも木刀は使わせてもらうね。そして勝敗は、5分間。君たち誰か一人でも私に一太刀当てられたら君たちの勝利。ね簡単でしょ?」
「少し、私達を舐めすぎてはありませんか?」
「まぁまあ。舐めすぎかどうかは後々分かるって!
あ、君たちお互い何のジェット使うか分かってないでしょ。5分間時間あげるから作戦会議でもしといてよ。その間に私は飲み物でも買っておくからさ。
じゃあ頑張ってね〜」
口を挟む暇もなく幸は部屋を出た。
◇◇◇
「では…時間もないので私から使うジェットは、両槍です。」
「俺は、鎖鎌だ。」
「私は、弓!」
「わ、わたちは、ハンマーですぅ…」
「僕は、剣と短剣そして銃だよ。」
「え!夏弥さん、マスプロなんですか!?」
「え、あ、うん。」
「へー、そりゃあ珍しいな」
「よく言われるけどそんなに珍しいものなの?」
「ええ、マスプロは、現在。国内で1人、世界で数百人くらいしか確認できていませんから」
「そうなんだ…でもまだ切り替えが難しくて同時に使うとか瞬時に入れ替えるとかはまだ出来ないからまだ公に知らせてないんだ。」
「ん?そいえばその国内で1人って誰なの?」
「あぁ、それは──」
「おい、その話は後にしようぜ。今は作戦練り立ててるのが最優先だ。」
「そうですね…なにか案はありますか?」
「つうっても相手は最強。奇襲とかは、傍から無理だな」
「うーん、油断させるとか?白柳先輩は、私たちのこと舐めてるぽいし。」
「それをどうやって油断させるかだよね」
4人が唸っていると1人の少女が声を上げた。
「あ、あの!」
「えっと…布里名さん?」
「あ、冬雪でいいでしゅ…」
(《…噛んだ》)
「あぅ…」
「えっとじゃあ冬雪さん。どうかしましたか?」
「そ、そのこうゆう作戦はどうかなって」
両指同士を擦り付けながらオドオドとした様子で冬雪は、ある提案をした。
◇◇◇
木刀を手に取りながら一室へ戻った。
(そろそろ、大丈夫そうかな〜)
ガチャ
「5分経ったよ〜ってなにこれ──。真っ暗じゃん」
ドアを開けると目に入るのは先程とうってかわった真っ暗闇だった。
部屋に入るとドアはバタンッと音を立て閉まった。
タッタッ──。
床をシューズが歩く音が部屋全体に鳴り響く。
シュッ───。
静まり返っていた時聞き覚えのある音がした。
振り返らず体を反らすと何かが横通る。
それに気を向けていると、足元からジャラと金属音が聞こえる。
すると足を引っ掛けるように鎖は、幸の足元に絡みつく。
避けるため飛ぶと真横から光るものが迫ってくるのを感じた。
「うわぁッ」
飛び込んできたのは槍だった。
バチ──とスイッチ音が聞こえ部屋は光を取り戻した。
「ハァッ───!」
「・・・・・・」
カンッ───。
飛び込んできたのは、夏弥であった。
剣を手に取り幸に向かっていたのだ。
それを手に持っていた木刀で受け止めた。
1歩下がると夏弥は、どこからかクナイを取り出し投げつける。
それを器用に1個ずつ落としていく。
「クッ・・・──」
夏弥がその様子に顔を顰めていると
「おりゃ───!」
後ろから第三者がやってくる。
身の丈に合わないハンマーを自由自在に操り叩き潰そうと一心不乱に振り上げる。
「よっと──」
「あれぇ……?」
「はい」
トン──
木刀で軽く冬雪の頭を叩く。
そして夏弥の後ろに周り後頭部を楽、雅、鈴菜の順番に軽くつついた。
ピピッィピピ───
するとタイマー音が鳴り響く。
「はい!5分経過!私の勝ちぃー」
「いつの間にタイマーを……」
「強すぎだってー」
「これが……」
「に、人間の動ききゃない……あぅ」
「全然当てられなかった」
ある者は、呆然と。ある者は、驚愕に。そしてまたある者は悔しさに。
顔に浮かべていた。