表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/44

到着

あの時の出来事は、サヤにとってあまりにも恐ろしくて、忌まわしい記憶…


それに自ら触れることは簡単ではなかった。


サヤ「レド…わがままを言って申し訳ございません…私、少し怖いです…」


震える手でレドの手を握る。


レド「何かあったのか?無理はするな…」


サヤ「でも…ここで出なければ王妃として失格ですの…!これは国と国の読み合いです。負ける訳にはいきません。」


レド「わかった…サヤの意思を尊重しよう。では…出迎えるぞ。」


長い馬車の列が王城に到着する。


そこから、きらびやかなドレスを着た二人の女性が降りる。


衛兵「ルナ・メグ王女!ナーガ・メグ王女!ご到着でございます!」


真っ先にルナがレドの元へ急ぎ足で来る。


ルナ「レド様ぁ!お久しぶりでございますわ!」


レド「ルナ様もお元気で何よりです。幼き頃はよく世話になった。」


ルナ「覚えていてくださったんですの?とても嬉しいです…!レド様はずっとお変わりないようで…?」


二人が話している間、ずっと心に痛みを負いながらも愛想笑いを続けるサヤ。


するとルナはターゲットを変える。


ルナ「それと…サヤ様もお久しぶりですわね!ずっと前に王宮でお会いになりましたよね?」


サヤ「は…はい…あの時の思い出は一生ものです…覚えていてくださって光栄ですわ…」


少しぎこちない様子で返事をする。


ルナ「レド様、サヤ様…この度はご結婚おめでとうございます!お土産の品を持ってきましたの!お見せしたいので、中に入りましょう?」


レド「そうですね。入りましょうか…」


ルナ、ナーガと大勢の執事を連れて城へ入った。


客室へ案内し、荷物を置いてからお祝いの品を見ることにした。


ルナ「レド様…敬語はもうやめましょうか?幼なじみですし、その方が親しみやすいかと!私、堅苦しいの苦手で…」


レド「それもそうだな。敬語は省く…でいいか?」


そう言うとルナは目を輝かせ、


ルナ「もちろんですの!あぁ、嬉しい…またレドとこうして話せるだなんて…!」


レドの腕に抱きついて、そう言うルナにサヤは胸が張り裂けそうになる。


やめて。と言いたいけれど、隣国の王女という立場もあり何も言えずに立ちすくむ。


先ほどからナーガが何も話さないのを不審に思い、こっそりサヤが声をかける。


サヤ「ナーガ様…体調が優れないようでしたら言ってくださいね…」


ナーガ「…………」


返事が無いので何も対応できず、気まずくなる。


その間にも、ルナはレドと親しげに話している。


どんどん追い詰められる感覚を覚え、息をするのが苦しくなっていく…


ルナ「サヤ様!私たちあの時お友達になりましたよね…サヤとお呼びしても?」


嘘だと思いたかった。


自身の人生を変えた出来事を覚えておらず、それどころか綺麗な思い出にすげ替えていたことに。


サヤ「……もちろんです。ルナ様は人と親しくなるのがとてもお上手なのですね。私なんて…いつも言葉が詰まってしまいますもの…本当に駄目で…」


自分を傷つけてまで取り繕おうとする。


ルナ「レド、私の国のお土産ですの!見てくれる?」


レド「ちょっと待ってくれ…サヤと話したいことがある。」


そう言ってサヤを別の部屋へ連れて行き、話をする。


レド「サヤ、どうしたんだ?自分を卑下にするのは…」


サヤは緊張の糸が切れ、涙を流す。


サヤ「ごめんなさい…私上手くできない…ルナ様と話してて…」


そう言い残すとサヤは自分の部屋へと足早に向かった。

感想お待ちしてますわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ