密かなる“改正少子化推進法”施行! より生きにくい日本へ
※本稿は性犯罪を助長するためのものではありません。
しかしながら、法改正の仕方があまりにも広い視野に立っていないために「生きにくい社会」になっているのではないかと危惧しているのです。
筆者:
さて、質問者さんは女性ですが、これまで性暴力の危機に瀕したことはありますか?
質問者:
勿論ありますよ。今もこうして筆者さんに抑圧的に強要されようと――あ、嘘です! そんなに悲しい顔をしないで下さい……。
筆者:
そんな僕を犯罪者にしたい質問者さんに朗報です(泣)。
先日、23年7月13日に改正刑法が施行しまして、より性犯罪に対して検挙しやすくなりました。
質問者:
どんなふうに変わったんですか? あ、ハンカチです。涙吹いてください……。
筆者:
グスン……ありがとうございます。
主に犯罪名が変更され、要件が以前よりも緩和された点が注目です。
「強制性交罪」が「不同意性交等罪」と名称が変更しました。
不同意性交等罪が成立する要件としては「同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態」であることになります。
これはですね、いわゆる“パワハラ”と呼ばれる上司が権力を悪用して、暴力などを加えずとも部下を性的関係に追い込むようなケースが多数実在することが被害者団体などから指摘され、不同意性交等罪が新たに設けられることになったんですね。
質問者:
でも、それは良い事では無いですか? この法案で抑止力になりそうな気がしますが……。
筆者:
勿論、性犯罪はあってはならないことですし多少の抑止にはなるでしょう。
以前よりも時効までの年数も5年伸びましたし、より告発しやすくなりました。その点は良いと思います。
元刑事裁判官で法政大学法科大学院の水野智幸教授は今回の改正刑法の意義について「『同意を得ないで性行為をしてはならない』という規範が法律で明示されるのは、国民に対するアナウンス効果がある」と評価しています。
しかしながら、違う方向でも抑止になるのです。それは少子化の加速です。
ここで言う“同意”とはどうすればいいのでしょうか?
書面で自書捺印とかをいちいち性行為の際に行うのでしょうか? そんな馬鹿げだことをしなくてはいけないのであれば、“あ、メンドクサイや。性行為で鬱憤を晴らすならそう言う系統の店に行くわ”ってなると思うんです。
質問者:
あ、確かに……。
筆者:
正直なところ、元恋人同士こういう訴訟と言うのは「恋愛関係がこじれた後」に起きると思うんです。だから、同意がその瞬間あったように見えても“無かった”と後で主張することって可能なんです。
勿論、全ての女性の方が訴訟されるとは思いませんが、
そう言うリスクを孕んでいることを全く考慮されていないのです。
日本人はリスク回避傾向にありますからね。恋愛そのものが忌避されることになるでしょう。
更に、お互いに同意書が無ければ水掛け論みたいになって、両方不同意だと主張しつづけてカオスな裁判になります。
売春で買った方も「お金なんて払っていない!」と主張してしまえばいいわけです。
預金口座に振り込んでいない限り、「お金は盗まれた!」とか主張するのです。
質問者:
なるほど……それは監視カメラで撮影していない限り分かりませんね……。
筆者:
心理カウンセラーの柳谷和美さんは
『・デートは性行為を前提としている
・家に泊まるのは、性行為OKのサイン
・相手がイヤだと言わなければ性行為OKのサイン
・同じ相手に毎回、性行為の同意を取る必要はない
こうしたサインを勘違いしている人はいるかもしれません。
「とにかくイエス以外は『ノー』です。明確に『いいよ』がなければだめで、黙っていたら『ノー』です」
とにかく同意を取ることが大事です。考え方、教育を変えていくことも重要になります。』
と教育についてまで言及されています。どういう教育をするかにもよると思うのですが、この話を聞いた学生は“あ、恋愛なんてメンドクサイや、ヴァーチャル・ゲームで良いや”とかなりかねません。
確かに性犯罪をより減らすことは重要ですが、それ以上に恋愛の機会をも失いかねないのです。
質問者:
なるほど……。これで未婚化が加速して、更に少子高齢化するのですね……。
筆者:
ちなみに、こうして未婚化していくことは女性側にもデメリットがあります。
というのも、少子高齢化によって核家族化が進んでいますが、それによって地域コミュニティが希薄になっているのです。
三菱総合研究所の生活者市場予測システム(mif)による年齢別調査によると、実際に最も孤独を感じているのは20代。「とても孤独を感じる」「孤独を感じる」との回答合計は男女とも、ほかの世代を引き離し、最多の26歳女性では33.9%に達しています。
孤独は喫煙の1.6倍、過度な飲酒の1.4倍もの死亡リスクを抱えていますから、こういった未婚者の社会的疎外感は心身ともに悪影響を与えていきます。
質問者:
確かに、性犯罪って厳罰化しても犯す人はいそうですからね……。
少子化対策とアクセルを踏みながら一方でブレーキをかけている状態ですか……。
筆者:
短期的に見た際の性犯罪は減るかもしれませんが、長期的に見た場合の少子高齢化の加速、社会全体に与える悪影響は計り知れないと思われます。
社会や経済の収縮によって治安が悪化する可能性も否定できませんからね。
ちなみにこの法案、23年6月16日に参議院本会議で全会一致で可決・成立していますから、政治家の方は誰一人として何も見えていないように見受けられます。
いつも思うのですが、政治家の方々は長期戦略がとても苦手です。
偽善的言葉や短期的なチェリーピック予測データに惑わされてしまうんでしょうかね?
まぁ、1回の国会で100以上の法案が審議されますから、勉強する暇も無いのかもしれませんが高い給料をもらって、国会答弁まで官僚が作成しているんですからもうちょっと頑張って欲しいです。
次の国会でどんな法案が審議されるか国会議員なら分かると思うんで閉会中にでも勉強して欲しいです。
質問者:
確かに先進国で一番議員報酬が高いですからね……。
筆者:
「今だけ金だけ自分だけ」と言う言葉が一時期ネットで流行りましたが、まさしくその状況だと思うんです。
政治家の本分を忘れていないのなら、もうちょっと大局的な視点で物事を見て欲しいなと思いましたね。
質問者:
しかし、男性側は今後女性とどのようにして犯罪者にならないように付き合っていけばいいのでしょうか?
筆者:
とにかく“これだと思った女性”以外には声をかけないし、付き合わない(今回扱わなかったが、不同意わいせつ罪になる可能性がある)結婚するまで性行為はしない。
結婚したら生涯その女性を愛し続ける――こんな感じかなと思います。
質問者:
最後のところは良いことですが、何だか生きにくい世界になりましたね……。
筆者:
しかし、対応しなくては“犯罪者”になってしまうリスクがありますからなるべくリスク回避をしていく必要があると思います
ということで、今回は以上とさせていただきます。ご拝読頂きありがとうございました。
今後もこのように政治や経済の問題などを取り扱っていきますのでどうぞよろしくお願いします!