やさぐれ令嬢は逃げ出す
あれ? なんだこれ? これどういうこと? とかの疑問があっても気にしないでくださいまし(-。-;
「リアナさん、わたくしに協力してくれるというのなら貴女をその窮地から救うこともできましてよ?」
輝く銀髪をサラリと揺らしながら、艶やかに微笑んでそう言った彼女に、私は女神が舞い降りたのかと思った。
私は貧乏男爵家の長女として生まれた。ただの貧乏だけならよかったのに、うちはさらに莫大な借金を抱えていたのだ。
私は二つ下の妹と両親と共にその莫大な借金を返すべく休む暇もなく働き、貴族でありながら一般の平民も真っ青な生活を送っていた。
(これもそれも、全部先代のせいよ! 悪政を敷いて領民からは搾取し放題、自分たちは豪華で贅沢な暮らしをし、そのせいで今まで領民から搾取、そして贅沢した分の金額の借金を負わされるなんて・・・・!
金貨千万枚よ!? ありえないわ!・・・・まあもういない人の恨みごと言ったってしょうがないけどさあ。
この金貨千枚っていうのも、国王様のせめてもの情けだったんでしょうし。コツコツ働いて返済する以外の道はないもの。あー誰か肩代わりしてくれる人いないかしら・・・)
だけどそんな希望を叶えてくれるかもしれない人が現れた。
あの時は本当に女神が現れたと思った。
思ったのに・・・・!
あーもう!! あの時の自分を殴ってやりたいわ!
「おい、聞いてるのか!」
私の向かいにはキラキラしい王子と豪華なドレスを纏った女性がいる。
なぜ、私は今、王子とその婚約者に糾弾されているのか。
わけがわからない。
あの時、彼女から持ちかけられた協力になんか乗るんじゃなかった。
いい加減ストレスが限界突破しそうだわ。
私がストレスに耐えている間も王子はツラツラと何かを話している。
そんな2人についに今までなんとか張っていた糸のようなものがブチんと切れてしまった。
「・・・・か」
「なんか言ったか? ちゃんと話を聞け・・・・」
「もうっ、もうこんなのやってられるかーーーー!! 大体超貧乏な田舎男爵家の私がなんでこんな超豪華なパーティーに参加してるんだっけ? そもそもこの詰め物、汗が蒸れて気持ち悪いわ! なんでこんな盛り盛りに盛らなきゃいけないのよ!?」
そう叫んで私はドレスの胸元に手を突っ込み、盛られた大量の詰め物を掴んで床に叩きつけた。
その行為に周りがが固まったが、そんなことどうでもいい!
ほぼぺったんこになった自分の胸を見下ろす。
「はあースッキリした! あっ待って、髪も変えられてるんだった。何が黒髪は地味よ! 生まれつきのものは変えられないからしょうがないじゃない! お陰で似合いもしない金髪なんかにさせられて・・・・どうですか? 王子様。 こーんな地味でペチャパイの私に国家転覆なんて出来やしませんって! じゃ、そういうことでさよならー!」
もうこれ以上巻き込まれてたまるか、その一心で私はその場を逃げ出した。
王子はな、な言うばかりで追いかけてこない。
はあ、家に帰ろ。
こんなものにブクマと評価つけてくれる方は・・・・?