社長と書いて暴君と読む
あれから30分後
ドナドナな あたし 片塚せしい、明日で31歳「しつこい」は…
今、社長と本社に向かう社長の専用車の中で、お叱りを受けてます
「12分オーバー
相変わらず時間にルーズだなぁ、まぁ良いだろう、このくらいは想定済みだ。本社での仕事は支店と連携を本社の担当と共に進める様に。詳しくは担当課長からの指示に従え」
「…はい」
「どうした、不満でもあるか?」
「…いえ、ただ余りにも急でしたので、引き継ぎが多少心残りです。
社長、本当に自分が選出されて大丈夫だったのでしょうか?支店には自分よりも優秀な人材がおります。その方々を差し置いて…」
「それを自覚しているのであれば話は早い。期待はしないが、失望はさせないで欲しい。一応は君を本社に呼んだのは社長である私だから」
社長
だったら呼ぶなよ!連れてくるなよ!本社に憧れはあったが、それは何も知らない勢いで走れた20代。今は支給されているお給料に対する仕事を確実にこなす事、報告・連絡・相談し、イジメもない風通しの良い職場の維持に全集中(笑)してましたよ。
「何ぶつぶつ言っている。発言したいことがあれば、要望書を社内メールで送信するよう、全職員に通達済みな筈だが」
あぁ、社長 イライラしてますね
これは、いち早く仕事に逃げる…もとい!仕事場に向かうのがよさそうだ。
「申し訳ございません、発言はメールの件は勿論存じております、失礼致しました。
それでは片塚、仕事に戻ります。
本社到着後の自分の確認事項ですが、
自分の担当課は企画2課のままでしょうか?それであれば藤井課長に指示を仰げばよろしいでしょうか?」
「片塚主任には、企画1課に配属してもらうことに決めた。今社長である私が決定した!
では、片塚主任さっそく1課の石井課長の指示に従うように。1時間後の会議までに一通りの進捗内容を把握するように
では、1時間後。次からは時間厳守!二度と同じ失態をしないように。さぁ、着いたぞ!急がないともう54分しかないぞ。」
社長
何故?何故?
企画1課と言えば、本社のエリートが集う男女問わず一度は憧れの部署!
しかし、実際は、プライドが天狗の鼻の様に高く、自信に溢れていたT大学出身同期は1週間で20数年間の自分が持ち続けたプライドを、スティック状のクッキーにチョコレートがかかったお菓子の様にポキポキ折られ暫くは存在さえ忘れてしまうくらいまで影を潜めた。
しかし今では本社成績でトップ3にまで上り詰め、最年少での課長も夢ではない❗そんな噂が聞こえる。そんな同期を育て鍛えあげたのが、誰であろう
石井物産の企画1課課長石井和哉
そう!石井崇社長の実兄である。
石井物産の七不思議の一つである長男の和哉ではなく、3歳下の崇が3年前、前社長が引退→会長になったのと同時に就任した。元々社長は、海外で自分の会社を経営していたが、帰国し社長就任となった。課長は大学卒業後、北海道の旭川支店の一般職として入社し、関連会社に数年出向も経験した言わば苦労人である。
まわりは勿論将来の社長は和哉と思っていた。
しかし、3年前の人事は内外的にも大ニュースとなり暫くはマスコミの取材や報道も凄かった。
しかし、課長は全く変わらず淡々と仕事をし、トップの座に君臨し続ける石井物産絶対エース!
ありがちな話であるが、課長も社長ふたりとも美形、イケメンである。
社長は、わずか3年であるが、誰もが認める若き王様として君臨している。4ヵ国語を操り、先見の明を持ち石井物産の売上に貢献し「お家騒動」とマスコミの餌食になりかけた事さえも利用したのではないかと思うくらい今ではテレビのコメンテーターやネット配信だの、社長を会社以外で見る日が増えつつある。社長の容姿は、明るい茶色の天パで瞳の色素も薄めで、そのためか普段は少しレンズに色が入ったメガネをかけている。
学生時代はこれまたありがちなサッカークラブに所属し、ケガでプロを断念したとか、しないとか…どっかの国の王子様かよ!
海外生活が長いからかに中々女性には優しく、独身であることから女性社員の6割は社長を狙ってる(ターゲットロックオン)
課長はプライベートは全く謎で、一説によると、会社に住んでいるのではないかと言われたくらい、朝は誰よりも早く出勤し、夜は最後まで残って他の社員のフォローに回っている。
笑った顔はオリンピック開催時期並に数年に一度あるかないかと言われている。そう、これも七不思議の一つである。
だからと言って冷たい訳ではなく口数が少ないだけで部下からの信頼も厚く一言で言えば「サムライ」
勿論独身であり、女性社員の4割は課長を狙ってる(ターゲットロックオン)
そして
課長の容姿は、漆黒の少し短めの髪
そして
どこまでも深く深く蒼い瞳
入社当時の1ヶ月だけ教育担当
仕事以外ほとんど話した記憶はない。あれから8年、課長の出向や部署も異なる事から一度も会わなかった。
あの頃、あの瞳が怖かった。
恐怖ではない。いつかあの瞳に捕らわれてしまうのではないか、そうなれば自分はどうなって終うのだろう。
大学卒業と同時に結婚を約束した若い甘い恋をしてた中で出会ったしまった課長…当時は主任。
彼とは全く違う「男性」を感じ怯えた記憶が頭の中を過った。
それが原因ではないが、高い授業料を納め「恋愛」は終わった。
「50分切った。
さぁ、時間はないぞ!」
遠く遠く長い時間が流れた気がした。
さぁ、腹くくって8年ぶりに主任…もとい課長の元仕事をしよう!
車から飛び出し走るあたしに向かって社長は意味不明な言葉を「おと」を出した。
「和哉もう3回目だから、ほぼ思い出してるよ。気を付けなよ、リル。昔と違って本気出してガンガン攻めて来るかもね!
ジュニー としてね(笑)」
へ?
ジュニーって
社長
今、なんて言った?
片塚せしい、明日で31歳
何かが変わろうとした…
なんて、カッコいい事言うわけないぢゃん!
はぁ?何?
一体何が起こってるんだ?
教えてくれ~何分後かのあたし!
戻れ~時間!
もどれじかん
本当に戻って良いの?
警戒音が鳴り響く
半年練って練って練りまくりました。
頑張って書いてみます
感想、誤字脱字のご指摘頂けるとありがたいです。
よろしくお願いいたします!