とある村の村人は物資の輸送に革命を起こす
北方から移住してくる坑夫達の為の家が完成し
大工のカナヅチさん達にお願いしたのはリアカーだった。
商人であるアキナイさんが荷馬車を引いていない所をみると、この世界には普及していない物だと思った。
『今日はリアカー、荷車を作って貰いたくてお呼びしました。』
「にぐるま?なんだそいつは?」
カナヅチさんや他の弟子達もやはり知らないようで
ざわざわし始めた。
俺は地面に絵を描いて皆に説明した。
「おい!ジョン!こいつぁすげぇぞ!色々と課題はありそうだが、これができりゃ今までの物の輸送が根底から覆るぜ!野郎ども!やってやろうぜ!とりあえず明日だ!明日までに形を作るぞ!」
カナヅチさんはメチャメチャやる気になった
初めて作る物を明日までにというのは些かブラックだなと思ったが、弟子達も闘志を燃やしているので
大丈夫だろう。
『じゃあ俺はもう行きます、また明日この時間帯にきます。』
「おう!任せとけ!」
やる気満々の大工軍団にあとを任せてハンマさんの工房へ移動してきた。
『こんちわ!』
「やあ!ジョン!今日はまた何か面白い話でも持ってきてくれたのか?」
『鉄を削る刃物って作れる?』
ハンマは少し考えて
「無理だね、鉄を削るためには鉄よりも硬い材料が無いとね」
やっぱりか、まだ鉄よりも硬い材料は無いんだな。
まずは鉄鉱石から鉄を作れるようになってからだな。
じゃあ
『丸くて長い棒って作れますかね?』
「それならやれるよ、叩いて丸くするだけだからね」
『いつくらいまでにやれそうですか?』
「そうだね、3日後くらいかな?」
『じゃあそれでお願いします。』
ハンマさんに長さや太さなどの寸法、欲しい本数を教えて店を出た。向かったのは農場だ
『ダイーチさん!久しぶりです!』
「おお!ジョン!最近は全然顔を見せてくれないじゃないか」
ダイーチさんと久しぶりの会話をして農場の状況を確認した。
どうやら作業効率は上がったが、作物の出来があまり良くないらしい。
恐らく栄養不足だ、これを解決するには肥料が必要だが。
『ダイーチさん肥料は使ってますか?』
ダイーチさんは何かわからないのか目をパチパチさせて
「肥料ってなんだ?」
俺はダイーチさんに肥料とは何かを教えた、そして手っ取り早くそれを手に入れる為に
まずは森にある腐葉土を手に入れてきて貰い撒いてもらった。更に時間がかかることだが、糞尿を用いた
堆肥の作り方や生ゴミの利用方法なども伝授しておいた。これらは時が来た時にまた教えてあげれば良いだろう。
「しかし、ジョンは良く物を知ってるな!」
『たくさん本を読んだからね!』
前世の知識についてはこれで押し通すことに決めている。
「本か、俺たち農民なんかは文字の読み書きが出来ねぇからな」
そうか!読み書き、計算も出来ないのか!完全に盲点だった!
『ダイーチさん!ありがとう!なんか次にやることが見えてきたよ!』
さらにそのあとは鉱山に行って鉄鉱石を掘り、仲間と共にドーグさんの店に鉄鉱石を売りに行く。
そして次の日
「ジョン!最高傑作だ!と言いたいところだが、まだ問題があるな」
カナヅチさんの店に来ると、見た目はバッチリの荷車が完成していた。
『何が問題ですか?』
「強度不足だ、まあしかし普通に物を載せて動かしても、今までよりも物の運搬はずっと楽だ」
やはりこうなるかと、大工さんにお願いしている時点で、摺動面などや負荷のかかる場所も全て木で出来ている。その為大きさに対して耐荷重量が低いのだ。
『実はこの車輪の部分は既にハンマさんに鉄で作れないかお願いしてます。』
おお!と大工達は声を上げる。しかし2日後になると伝えると、おお、と声も小さくなる。
しかしこれはこれで色々試したくなってきた。
『今から色々載せて運んでみませんか?』
「いいな、石炭の採掘場所に行ってみるか」
そして石炭の採掘場所に着いた。今袋に詰めている石炭を荷車に載せて動かしてみる。
『いいね、メチャメチャ軽い!これはいいな』
カナヅチや大工も試していく
「これは凄いな!ただ引っ張るだけでこれだけの物量が苦も無く運べる!」
「引き手をもっとこう・・・」
皆色々意見を述べ合って、更なる改善点を出し、改善方法も考えだしている。流石プロ集団だな。
結局今上がった改善案を取り入れた荷車を作ることになり、話し合いの結果、石炭、鉄鉱石採掘に一台ずつ
農場に二台、ハンマさんとカナヅチさんにそれぞれ一台ずつ作ることになった。
改善を織り込んだとしても一日一台作れてしまうらしい。
とりあえずあと一台追加でお願いしておくが、これは
ハンマさんのシャフトを取り付けるようで2日後納期でお願いした。
これをアキナイさんに紹介すればこの辺りの物流はかなり整う、そうなれば多少は経済が回りだすぞ!今から楽しみだ。