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とある村の村人

ここはモンスター蔓延る異世界にあるのどかな村

そんな村の村人として異世界転生してしまった。


正直転生する前後のことは全く覚えていない

気づいたときには、村の一般家庭の子供であった。


元の世界では日本という国で一流企業のエンジニアをやっていた。ややブラックな会社だったがそれほど不自由なく暮らしていた。その日も多分家に帰ってソファーでうたた寝をしていたはずなんだけど。


気づけば日本からは何世代も遅れた生活水準。

何が何だかさっぱりわからないがこうなってしまってはしょうがない、この世界で生きぬくしかない。


しかしまず今の俺の状況だが、、、

名前はジョン、苗字が無いただのジョンだ、多分7歳から10歳位だと思う、そしてなんかゴワゴワして着にくい服。家の中なのに履いている靴。

自分の部屋なのか家のリビングなのかわからない部屋。これが恐らくこの世界の標準的な家なのだろう。


学校には一応通っているようだが、教育レベルは良くなさそうだ、教科書みたいなものを確認するが。

文字の読み書き、計算は算数の乗算位、あとは歴史、そして日本ではたしかにあった、理科、今は理科とは言わないのか?その理科は無くて魔法というのがある、正直これは全くわからない。


今日は休みで、父はどこかに出ているようで家にいない、母親が庭の手入れをしている。また兄が二人いるのだが二人とも外に行ったのか家に居なかった。

俺は気晴らしに散歩に出た。


こうしてみると凄く長閑な村だ、人口は100人前後

一応宿屋があって、アイテムなどを取り扱っている雑貨屋、鍛冶屋がある。冒険者ギルドは残念ながら無い、村が小さすぎておいてもらえないのだ。

あとは畑が多い、何を育てているかはわからないが

恐らくこの村の主要産業だろう。


畑の近くまで行くと村人が話しかけてきた

「ジョンじゃないか、どうした?」


『ダイーチさん、おはようございます。気晴らしに散歩をしてます。』


「おはよう、おまえは最近勉強ばかりで外にあまり出て来なかったからな」


『そうですね。』


ダイーチさんはそう言って仕事に戻る。

畑の仕事も大変そうだ、まずは鍬、木でできているため、土を掘り起こすだけでもかなりしんどそうだ

さらに土には特に何も与えずにそのまま種を撒き始めた。


『(なんて非効率な作業なんだ、木の道具で硬い土を掘り起こすなんて、鉄はないのか?)

ダイーチさん!鉄の農具はないんですか!?』


ダイーチは驚いた顔でこちらを見て

「鉄の農具?鉄は武器に使うものだろう?なぜ農具に使うんだ?」


いやいやいや!ありえん!何この固定概念!


『ですよねー!ははっ』


適当に相槌を打ち俺は鍛冶屋に向かった。


『おはようございます!ハンマさん!』


ハンマさんは村で唯一の鍛冶屋だ、名前は冗談みたいな名前だけど


「あ、ああ、おはようジョン、どうしたんだい?今日は」


そして鍛冶屋なのにメチャメチャ気弱っていうね


『作って欲しいものがあるんですけど』


「剣かい?それとも槍かな?」


やっぱり武器に話が行っちゃうな。


『鍬です』


「・・・く?くわ?・・・ってあの農具の?」


そしてこの反応ね、やっぱりこの世界じゃ鍛冶屋で鍛えるようなもので農具は作らないんだ


『そうそう、その鍬です』


ハンマさんは少し考え込んだが


「まあ、今は暇だしいいよ、どんな感じにしたらいいんだい?」


このままだとオール鉄製のクソほど重たい鍬が出来てしまいそうだ。


『手で持つ部分は木の棒なんですけど、先端の土を掘り起こす部分を鉄で作って欲しいんですよ。勿論刃先は鋭利で、軽くするためにそれなりの薄さでです』


地面に絵を描いて説明するとハンマさんは作業に取り掛かってくれた。暇すぎたようで工賃や材料費は不要とのことだった。明日には出来上がるとのことだったので一旦帰ることにした。


『楽しみだな、ダイーチさんどんな顔するかな?』


そんな風にウキウキしながら帰路について歩いていると、井戸に差し掛かった。

滑車の概念はあるようで、ロープを引っ張り桶を引き上げている少年を見つけた。


『この作業も、ポンプがあればしなくていい作業なんだけどなぁ』


今はハンマさんに農具頼んじゃったし、それが終わったらポンプも頼んでみよう。


そんな風に思ったら、本当にこの村、この世界の生活がどれほど前世よりも不都合があるのか気になり出してしまった。


そして見つけてしまった。荷物を運ぶ村人達

木材を運んでいるのだが、ロープに木材をくくり付け力任せに引っ張っているのだ。


『これも滑車の概念があるのになぜ、車輪という考えに至らないのか、当たり前になってしまうとこんなものなんだろうな。』


それから村の周囲を囲う柵の確認や、村の裏にそびえる3つの山について村人に聞いたりしてようやく本当に帰路に着く頃には周りは陽が落ちて暗くなっていた。


『わかりきったことだけど、暗すぎるよな、これも改善したいが、今はまだ技術が足りない。魔法も気になるし勉強してこの村を豊かにしてやるぞ!』


そう誓って家に帰るのであった。

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