エレベーターワールド
新たな出会いに思いを寄せる。
そこで聞かされたのは、驚愕の事実だった。
この世界の全貌。
作られた世界。
夢落ち。
死んでる説。
エレベーターのこと。
そして細は動揺する・・・
それにしても恐ろしい光景だった。
まさか本当に殺し合うとは・・・。
この世界ヤバいね。
しかし、何のためにこの世界があるのだろう?
どうして俺はこの世界に・・・。
んーわかんねー。
そりゃそうだ。
記憶もなにもあったもんじゃないし。
早いとこ知識の中にある地球に帰る方法を見つけねば。
人を殺すのも、殺されるのも、真っ平御免だ。
っということで、家探し。
来た道を思い出し、マンションの中に戻る。
ここもマンションだけど。
しかし、ここって、最初からこのような作り、駐車場だったのだろうか?
開拓したのなら、すごいね。
人間って意外とすごいからなー。
だって、でかい橋やビル何かを意図も簡単に作るもんな。
「・・・」
ヤバい?完全に迷った。
店、おおすぎ。
軒を連ねるとはこのことだ。
「アンタ!ちょっと武器!」
あっ!アマゾネスのお姉さんこんにちはー。
どっちの意味で?
どうやら、またこの場所に戻ってきたらしい。
「なにしてるの?文無しには用はないわよ」
「あの出口知りませんか?」
「ここを、真っ直ぐ行って右にお汁粉の店があるからそこを右に曲がり、あとは、真っ直ぐよ」
身ぶり手振りで伝えてくれるお姉さん、案外いいとこある。
お汁粉?
「お金はとらないんだ」
「その手があったか!?」
がめつ。
お姉さんは、オッパイをからませ問い返す。
「1シバーになりまーす」
ハッハッハッ!きっ君、おっオッパイ詐欺もいいじゃないか!
「いや、遅いし、道、知っちゃったし」
さらにグリグリ。
「ねぇ~じゃあ5カットぉ?」
コリャ参った、クラクラしておばあちゃん見えたよ、記憶ないのに。
「う~グリグリすなっ!あと払うし!」
「よっ!男前!毎度あり」
うん、スムーズ。
見事にはまっちゃた。
そしてサヨナラ俺のオッパイ。
また再び歩きだす。
道ゆく男を見てふと思う。
この人達もオッパイ詐欺にあっているのか?
間違いなくあっていると思う。
だって、破壊力抜群だもの。
オッパイに飽きはない。
プリンとオッパイが嫌いな奴がいないように。
901号と書かれた部屋の前。
現在、9階。
外は相変わらず、暗い。
いや、暗いというか、闇だな。
先の見透せない黒。
外に何があるのか知らないが、なんだか怖い。
中は各部屋に設置している角灯によって明るかった。
外套のポッケに入っている時計を見る。
12:30。
もうお昼なのに暗い?
太陽ってないの?
・・・けっこう時間、経ってるな。
しかし、この奥行き、半端ない。
一体、なん部屋あるんだ?
じっと観ていると各扉から出たり入ったり。
ヤバい!おもろい。
何時間も観れるやつや。
まあ、皆さん各々武装が違う。
十人十色。
赤い鎧のやつ、青い鎧のやつ、黄色、紫、黒、金いいね~、銀オーソドックスやけどいい、ウンコ色?センス考えようか。
男も女も皆武装で物騒。イェイ。
そんなことより家探さなきゃ。
901ってことは下の階だな。
801号の扉の前。
つまり8階。
はぁ~ん、こりゃ一番下だな。
1号と書かれた扉の前。
もちろん1階だ。
意外とアッサリ。
いいじゃないか。
そしてポッケに入っている鍵を取り出し差し込みまーす。
「イェイ!」
入りましたけど。
回しましたけど。
開きましたけど。
入りましたけど。
おう、真っ暗。
電気電気?あるの?
外の角灯のおかげで、一瞬だけど玄関とさらにドアが2つ見えたよ。
だが扉が閉まると真っ暗だ。
これじゃあ中のことがわからなじゃないか?
そこで、考える。
俺は天才だった。
扉を開け放つ瞬間、中の明かりを着ける物を探すイェイ。
「それっ!」
バターン!
ウーン、真っ暗。
一つのドアはトイレぽい。
そしてもう1つドアがある。
全部で3つあることになる。
「それっ!」
バターン!
正面のドアの裏には、キッチンがある。
また真っ暗。
上には明かり、マメキュウが楕円のへこみの中にあった。
フッフッフッこいつは、スイッチ式のやつだな。
わかってしまえばこっちのもんだぜー!
こうなったらおもいっきり開けてやるぜー!
「そぉーれ!」
「いたーい!」
「!?」
あら?通りすがりの誰かさんにあたったみたい。
「うわ~ん♪」
「大丈夫、チエちゃん?」
どうやら男女二人。
しかし、うわーんなんて久々に聞いた気がする。
かわいいじゃん。
萌え力、アープッ。
細は萌え力が3上がった。
そんなのないけど。
「なにするんだよ!?」
クッ、つがいかよ。
ゴメン剣抜かないで。
「ゴメンなさい、人がいると思わなかったもんで」
「気をつけろよ!」
「もうえ~からギリ君」
「でも「本当にいいんよ~」
1人は女の子、名前はチエか~、なかなか可愛い子だ。
目がパッチリ、凄く整った顔付き、胸もよし、尻もよし、髪はポニテール、かんぺきやんか!
そして男はギリか、こんな女の子を連れやがってムカつくけど、悪そうな奴では、なさそうだ。
顔は細く、目も細い、髪は坊主、全体的に線が細い。
まぁ俺も細いのだが。
チエと呼ばれる子にはでっかいたんこぶが
「プッ!」
「なに笑ってんだ!?」
「だって、たっ、たんこぶが」
俺が指差すとギリも
「プッ!」
「「ハッハッハッ!」」
「もぉ~なぁに~二人揃って笑うなんてー?」
「チエちゃん、ひっ、ひたいにプッ!」
チエちゃんはたんこぶを触り、顔を赤らめた。
「も~う~バカッ!知らないんだから!」
ヤバい!惚れそうだ。
プイッてしたよ、しかも頬を膨らますとか・・・惚れてまうやろー!
まさかあなたは、あの野球人気マンガのヒロインでわ?
「もうギリ君とは、喋らんけ~な」
きたコレ!け~な入りました。
「ゴメン、チエちゃん反省するから」
俺は一体、何を見せられているんだ?
これは何かのイベントなのか?
二人はたわいもない会話中。
はい、僕、ここにいますよ。
「ところで・・・「あっ、俺、細」細君は何してたの?」
とりあえず事の顛末を二人に話す。
「そんなの簡単だよ、扉が閉まる前に物を挟めばいいだけだろ」
こいつ!天才か?
それとも俺が馬鹿なのか?
いや!こいつが俺以上の天才なのだ。
「フッフッフッ!細君おもしれ~なぁ」
テヘヘ、そっ、そうかなー。
「ただの馬鹿だろ」
なんだとコノヤロー!
バカヤロッコノヤロッ!
ファッキンッ細ぐらいわかるぞバカヤロー!
「ところで細は新人か?」
表でろコノヤロー!
もう呼び捨てか!
「おっ、おうよ、だったらなんだよ」
「いや実は俺達も、まだここに来てまもないんだ」
へぇ~そうなんだ。
「チエもな~ギリ君の後にきたんよ~」
フゥー、カワイイ。
それからそれから?
「チエも細君といっしょのことしてたんよ~そしたらギリ君が来て教えてくれたんよ~」
ギリてめえ~先にこっちに来たからって・・・うらやましいぞー!
こんな可愛い子と先に出会うとか・・・チックッショーウ!
これはもうヤンキーを通り越し旧捨会に直行便だ。
それから俺はギリ達にスイッチのある場所を教えてもらい、俺の家で色々教えてもらうことに至る。
家には四畳半の部屋が2つとユニットバス、それから小さなキッチンがあった。
一つの部屋には、一応のベッドと寝具一式、その他にはなにもなし。
中々の殺風景。
しかし、皆、部屋の作りが一緒らしい。
俺とギリは床に、チエちゃんはベッドに座り話し始める。
「細は何を教えて欲しい?」
「この世界のこと?」
「細君なんで疑問系なの?」
「いや、まだまもないんだろ」
「でも細よりは知っている」
なんかムカつく。
「じゃあ聞くけど、ここってどこ?」
「日本だろうね、日本人しかいないし、わりとモラルも守られてるっていっても、人殺しは、あったりするけどな」
「チエもな~日本じゃと思うんよ~」
この子?方言きついな~。
可愛いいから許す。
むしろありがとう方言。
「じゃあ、あのコロシアムは?」
「一部の馬鹿どもだろう、それに捌け口の意味合いもあるかも」
スケープゴートってやつか。
「チエもな~あんなことしている人達が、信じられんのんよ~、でも警察もおらんかったらこうなるんかな~って、納得するしかないんよ~」
チュウしようか?
「じゃあ、日本だったらここはどこなんだ?」
「これはマンモス新聞に載ってたんだけど、誰かが俺達を集めてなにかしようとしてるんじゃないかっというテスト説、それから夢落ち説、ゲームのキャラクター説、死後の世界説とか」
マンモス新聞?この世界の新聞だろうか?
それに、人間って色々考えているもんだ。
「チエもな~読んだ、でもどれも違う気がするんよ~だってな~記憶がない必要がないもん」
おいおいカワイイやんけー。
「テスト説だったら記憶がないスタートもあるかもしれないだろ?」
そりゃそうだ。
「でもな~チエな~どれも違う気がするんよ~チエの勘じゃけー」
チエの勘に間違い無し。
「チエちゃんの勘なんて宛にならないだろ」
「ギリの馬鹿!イジワル!」
かわエエー!
「だって本当のことだろ!」
はいきたー!二人の劇場。
はい、細、ほったらかし。
疑問、一杯あるのに存在無し。
しばらくお待ちください。
「オマエラオワッタカ?」
「ゴメンゴメン、だってチエちゃんが変なこというから「ギリ君がな~「はい終了~ケンカッ、すっなー!」
悔しいけど、先見の明があるギリに完敗だ。
俺の入り込む余地なし。
「ところでマンモス新聞ってなんだよ?」
「このマンションの住人が書いてある新聞のことだよ」
まあ、そうだろうね。
「外ってどうなっているんだ?」
「出たら、戻れなくなるらしい、戻ってきた人がいないんだって、これもマンモス新聞に載ってた」
「チエもな~外が気になるんよ~」
「チエちゃん、何があっても外にでたらダメだからな」
「わかってますーギリはいっつもチエのことを馬鹿あつかいするけーな~」
はいストップ。
また始まるから。
「心配なんだよ」
やめて!
チエの顔が・・・あかァーいー!
「実は俺、ティーバックなんだ」
チエの顔が・・・あかァーいー!
「なっ!何を言い出すんだお前!」
そうです、私が変なおじさんです。
「いや、お前等、見てらんないから」
♪変なおじさんだから
「もう細君は冗談がきちーんじゃけー」
♪変なおじさん
「ハッハッハッ!・・・」
そしてジト目。
「馬鹿!変態!あっち行け!」
なんか色々なお便り頂きました。
「ゴメン、細、俺達が悪かったよ」
やっぱりいい奴だったんだな。
まあ、男同士ってやつなのだ。
「なぁ、あのエレベーターはなんだ?」
「あ~あれは、異世界への入り口だよ」
「異世界?ここも異世界だよね?」
どういうこと?異世界から異世界にいくの?
「チエもな~変やな~おもうんじゃ~」
「そうだな~改めて考えると変だよな」
まぁ、考えたら切りのない問題だな。
「その異世界、エレベーターに乗って行くのか?」
「エレベーターに乗ると、百個のボタンがあって、ボタン1つ1つに名詞が書いてあるんだ・・・その1つ1つが違う異世界への場所を示しているんだよ」
なまじ信じられない。
異世界のパーティーなのか?
要は、色々な異世界があるってことか?
「しかもな~階数ごとに違うんよ~」
おいおい本気か?
「このマンション一体何階あるの?」
「「千階」」
「うぅっーえぇー?」
「「ハッハッハッ」」
だって千階だよ!驚きに驚きだ。
ここは日本じゃないだろう?
完全に異世界だろ!
「だからこのマンションのことをみんなマンモスマンションと呼んでいるんだ」
だからマンモス新聞なのか。
「エレベーターのことをな~エレベーターワールドってゆうんよ~」
この子、説明よりカワイイが前に来るな。
「じゃあ、そのエレベーターワールドに行ってなにするんだ?」
「お金を稼ぐんだよ、このマンションにも家賃があるし、食べ物を買うにもお金がいるだろ、だからエレベーターワールドに行くんだ」
「でもな~エレベーターワールドってボッケー危ねぇ~けん、武器や防具着けて行くんよ~」
その為の武装か~。
てっきり警察がいないからだと思っていたよ。
「やっぱりモンスターとか出るのか?」
「出るよ、しかも種類がいっぱい、中にはモンスターと呼べるかどうか怪しい奴までいるよ」
だろうね~一つのエレベーターでさえ百の異世界・・・そらいるわ。
「しかもな~宝箱まであるんよ~」
宝箱!ワクワクするやつやん。
「俺とチエちゃんはエレベーターワールドで稼いで十階に店を開くのが、夢なんだ」
「チエな~ギリ君と服屋するんよ~」
うん、ご馳走さま、吐きそうだから。
「じゃあ、脱出しないのか?」
「まず脱出する方法がわからないし、エレベーターワールドは、とっても危険で・・・死んだ人がいっぱいいるんだよ、正直、脱出するまでに生きてる自信がないんだ」
だからこそのお店、エレベーターワールドに行かなくても稼いで、脱出方法がわかるまで生活をするんだとギリは・・・チエのことが心配なんだろ・・・いい奴だな。
「それにしても細は何も知らないんだな」
えっ?
「新人だからな」
「新人でも誘導係りに一杯教えてもらっただろ?」
「全然教えてくれなかったぞ、あのジジイ」
「「ジジイ?」」
「えっ?ジジイじゃなかった?」
「俺達の時は・・・なぁ~「綺麗なお姉さんじゃったな~「うん」
誘導係り替わったってこと?
俺は、一番大切だったことを聞いてみる。
「最初の金貨っていくらだった?」
「「100」」
「ウソでっしょ!?」
あのクソジジイ!80もぼったくりやがって、どうりであのアマゾネスのお姉さんが聞く訳だ。
「大丈夫~細君?」
最初の装備は、ほぼ一致していた。
しかし、パンツのことは聞けなかった。
これ以上、聞くとクソジジイを殺し、初めての人殺しデビューしそうだから。