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まず佐藤秀作よりはじめよ  作者: 佐藤秀作
2/6

エレベーターワールド

 爺は去った。

しかし、恐るべし女達が、細を惑わす。

その商売女達のたくましさに、細は感動し、脱帽する。

喫茶店員の対応。

武器屋のアマゾネス。

細は・・・。

 爺は、去った。

謎の袋を残して。

なんか不快感だけ置いて行きやがった。

 取り敢えず、何かしら情報が欲しい。

でも、知り合いなんて居ないし。

皆、この後どうしたんだろう?

 そもそもこんな、放置的措置なんてあるだろうか?

仕方なく謎の袋があるので、調べる。

中を覗く。

何もない―――っとゆうか、黒いモヤが、かかっていてよく見えない。

少し怖いが、袋に手を入れた、瞬間!

 この袋が、使用回数が20回だということがわかる。

何故わかるのだろう?

自分自身が、自分ではない何かになる恐怖を感じた。

 俺は、本当に記憶喪失なのか?

何もかもわからない俺には、考えても仕方のないことだ。

袋の中から触った物を取り出す。

 一本の鞘のついた短剣だった。

袋の使用回数が19になったことがわかる。

一本の短剣より、袋の使用回数のほうが気になった。

 これ、もしかして?しまう時も減るのか?

まだ何か入っていそうだし、取り出す度に、減るんじゃ・・・?

よく考えないと・・・もしこの中に、20個以上の物が入っていたら?取り出せなくなる。

 恐らくこの袋は、貴重な物に違いない。

俺の直感が、そう告げる。

・・・なるほど、その手があるなー。


「それ!」

袋から、ボトボトと音を鳴らし、いろんな物が机の上に落ちた。

俺が考えついたこと、至極簡単、袋を逆さまにすることだった。

 考えついた時、俺は天才なんじゃなかろうか?っとさえ思った。

だって使用回数18だし。

取り敢えず中身を確認。

鍵?砂時計?小袋?服?靴?帽子?時計?鶏?


にわとりー!?


 にわとりだ・・・なー。

何度振り返っても鶏です。

首を上下に動かし、机を啄んでいた。

銅色で気色悪い色だった。

鳴かないのは、なによりだ。

 しかし、女性店員の目が気になったので、鶏だけ袋に戻す。

思った通り、袋の使用回数は17に。

砂時計・・・確か、誘導係りの爺が、転送の砂時計たらなんたらいってたな。

 触ってみる。

分かったのは、1分間とゆうこと。

使い方がわからないので保留。

続いて鍵、触っても何の情報も得られない。

 ただ、1号室と彫られていること。

恐らく何処かの部屋の鍵じゃないかと思われる。

だって住む場所ないし。

それぐらいは、用意しているはず。

 爺め!きっと忘れていたに違いない。

小袋、中を覗くと、金色のコインが入っていた。

コインを全部取り出し、机の上に並べ数えてみる。

全部で20枚。


 これは?お金だ!

俺の時給が金貨20枚になってるし。

ステータスの数値は、俺の中に伝わっているのだ。

一枚だけ手にし、調べた。

どっちが、表裏かわからないが、男の顔、女の顔が描かれていた。

なんだか懐かしい。

 俺は、この人達を知っている気がした。

服は、黒色の外套、何枚か色違いのシャツ、ジーパン、フライトキャプ、木靴、そして、何かで編まれた銀色のチョッキ、俺が思うに鎖帷子だと思う。

 こんな物が必要なぐらい危ない世界なんだろうか?

いまいち世界の全貌が見えない。

まぁ、武器屋があるくらいだし、そうゆう世界なんだろう。

・・・。


 パンツがない!?

あのジジイ!ふざけやがってー!

いつまで俺をノーパン生活させる気なんだ!

スースーするやろー!

こうなったら意地でも買ってやる!

 気を取り直し時計を調べてみた。

何の変哲もない、ただの時計だった。

時間は、8時20分。

朝だ。?

しかし?暗かったぞ!

また、謎が増える。

一旦、わすれよっ。

考えるだけ、無駄な気がするし。


 さて、どうしたもんか?

取り敢えず外にでることに。

外に出ようとしたが、女性店員に道を塞がれる。

「あの~お代がまだなんですけど?」

「えッ!?」

「だから~!コーヒー2つ分の代金、支払ってもらえます!?」

あのジジイ~!やってくれたな!


 俺の思いとは関係なしに、女性店員は、腰に差したレイピアを抜こうとしていた。

「払います!払います!お代いくらです?」

怖い!このお姉さん。

笑顔なんですけど。

「時間とコーヒー代で、1シバーになりまーす」

うん!凄い笑顔なんだけどね・・・ものすごく怖い!

1シバーって?銀貨一枚のことだろうか?

お姉さんが怖いので金貨一枚を、渡す。

まぁ金貨しか持ってないんだけど。

「ありがとうございます!ところで、お釣りいります?」

なんなの?脅しですか?当たり前でしょ!

そんな笑顔に、騙されませんよ!

「チッ」っという舌打ちは聞こえなかったことにしよう。

 結局銀貨9枚を返してもらった。

なかなか手を離さなかったが。

がめついお姉さんだ。

だけどこれで、1シバーが銀貨一枚だということが、証明された。


 それにしても、時間でもお金を取られるとは、驚きだ。

過去には、あまりないシステムだ。

有っても漫画喫茶か、テーマパークぐらいだろう。

回転効率を考えれば、悪くないシステムかもしれない。

 あと、武器を携帯していたのも、食い逃げ対策だろう。

この世界、俺が思っている以上に、危険かもしれない。


 外に出ると、相変わらずの喧騒が聞こえてくる。

皆、思い思いの買い物を、堪能しているのだろう。

パンツを探し歩いていたら、武器屋?の前で立ち止まる。

 どうやら俺は、武器が好きらしい。

しかし、またもやトラップが?女性店員だ!

さっきのお姉さん風ではなく、明らかなアマゾネス風なのだ!


 これを、トラップと言わずしてなんとゆう?

女性はいい、むしろ、大好きだ。

 しかし!さっきのトラウマが、俺を逡巡させる。

だって腰に手斧差してるし。

メッチャ強そうだし。

 うわッ!目があっちゃた!

「アンタ!安くていい武器あるよ!」

あの~胸が・・・胸が当たってますよ!

彼女は、薄着の派手めな服なのです。

「どうする~?買っちゃう?」

グイグイと胸が・・・。

買いましょう!あなたの胸のために!

好きなの選びたまえ!

「これなんてどぉ~?」

そ・・・そんなピンクの声だされちゃ・・・。

選ばれたのは、一本のロングソード。

きらびやかな剣だった。


「買ったるどー!」


 いや~完敗にオッパイだ。

もうどうにもならん!

もちろんオッパイにだ。

「いよッ!男前!それでこそアンタは男だ!」

ハッハッハッ!君の胸は魅惑のスプリングかね!

「毎度ありー!お代は120ゴルドになりまーす!」


「・・・ヘェ?・・・」


 今、何て言った?

ひゃくにじゅうごるど?

胸のサイズ?

ごるどッて金貨のこと?

金貨19枚しかありませんよ?

「・・・」

「・・・」

「もしかして・・・足りないの?」

「あるにはあるのですが・・・」

「じゃあ!サービスしちゃう!今ならなんと!100ゴルド!どう?」

「・・・」

「・・・」

「ないの?」

「ヘイ」

「いくらあんのよ?」

「金貨19枚!」

「なんで自信満々なのよ?アンタ19ゴルドでよく買いにきたねー?」

やっぱりゴルドは金貨のことだった。

 っということは、あのロングソード・・・120万円!?

「武器ってそんなにすんの?」

「アンタの金で買えるのは、中古のナイフぐらいだよ」

「アンタ、みたところ、新人だろ?なんで19ゴルドしかないのよ?」

えっ?新人って皆、金貨20枚スタートじゃないの?

もしかして?ジジイにぼられてる!?

「まぁいいわ、とりあえず着替えたら?危ないわよ」

「あの~どこで?」

「店に入って、突き当たり右よ」


 きちんとしたレイアウト。

鎧、兜、盾、腰鎧、ブーツ、剣、斧、槍、どれもが目移りして素晴らしく、俺にとっては楽園だった。

 奥の方では、店主なのか?髭を蓄えた職人顔のおじさんが、軽く会釈した。

小部屋を発見。

多分これのことだろう。

中に入って着替えることに。

パジャマを脱ぐ。

防御力が16に。

 あれッ!あの時・・・確か2じゃなかった?

もう一度パジャマを着てみる。

確かに20あるよ。

脱ぐ、16。

着る、20。

 なぜ4になる?

誤差の2ってなんだ?

まぁいっか。


厚手のシャツを着る。

4。

防御力22?

誤差?


ジーパンを履く。

4。

防御力27?

誤差?


フライトキャプを被る。

6。

意外に高い。

防御力38?

誤差?

気にしない。


鎖帷子を着ける。

14。-1。-1。0.1。

さすがだ。

しかし!機動力と柔軟性が下がり、燃費が上がった。

機動力17。

柔軟性15。

燃費0.4。

誤差なし?

防御力55。


黒い外套を着る。

10。-1。-1。-1。0.1。

まあまあだ。

しかし!機動力と柔軟性と瞬発力が下がり、燃費が上がった。

機動力16。

柔軟性14。

瞬発力17。

燃費0.5

防御力70。


木靴を履く。

5。1。1。-0.1。

こいつはいい、プラス効果ばっかり。

機動力と瞬発力が上がり、燃費が下がった。

機動力17。

瞬発力18。

燃費0.4

防御力76。


 重ね着したほうが、防御力の誤差が出そうだ。

しかし!マイナス面もあるのか~。

よくよく、悩んで装備を、考えないといけないな。

 これは楽しいわ!

早くいいもの買いたい。

人と比べたい。

しかも、着替えた後の、動きが、断然違う。

 凄い違和感?

なんか下がったのが、凄くわかる。

これ、組み合わせによって、マイナス面・・・消せるんじゃね~?


 色々試したが―――ダメだった。

そりゃそうだ!余りの装備がないと、意味ないよな。

ジーパンとシャツを逆さまにしたりもしたが、逆に色んなもんが下がった。

 短剣を腰に吊るし、抜いてみる。

15。

攻撃力42!?

振り幅、半端ないなー!

別で10も上がるのか!?

特別な短剣なのか?

 それとも、こんなもんなのか?

他の武器と比べたい!

しかし、これは、青銅か?全体的に青い。

俺の中の知識が物語る。

ノーパンなのに?


 着替え終わり、店にある武器を触ろうとした。

「おい!売りもんに手を出すな!」

メッチャ怖いやん!この職人!

やっぱりそうか!

商売人だもんな!

 そう簡単に目当ての物を、買われる訳にはいかないよな。

間違ってこその商売だよな。

あきらめて外に出よう。

「アンタ!お代がまだだよ!」

んッ?なんのお代?

ロングソードのこと?

無理ですよ?

斧構えないで?

「なんのお代でしょう?」

これが巷のオッパイ詐欺ですか?

「しらばっくれてもダメだからね!」

「衣装部屋を借りた代金を払いな!」

そんなんで金とんのかよ!

この街!ガメツ!

「いくらですか?」

「そうだね~新人だから、1シバーでいいよ」

千円も取る気かよ!

でも一瞬考えたよな~?


このアマ!舐めてるな!

「高すぎるでしょ~う?」

そして、ジト目だ!

「アンタ!結構な時間使ったでしょ!何したかは、知らないけど!」

クッ!そこつかれるか!

確かに、木靴を手にはめたりもしたし、フライトキャプを股関に着けたりもした!


だが!それがどないしたんや!

「だから~?」

そして、止めのジト目だ!

「チッ!わかったわよ~5カットでいいよ」

カットって銅貨のこと?

だよな。

それしか残ってないし。

500円か~半分にしたけど、それでも高いよな?

「こ・・・これ以上は・・・一文だって負からないから!」

う~ん・・・カワイイじゃない。

これが、萌えるというやつか?

仕方ない!払います!

胸の感触のために。


後に、銅貨1枚だったことを知り、憤慨することになる。


そして、俺は未だノーパンである。


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