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まず佐藤秀作よりはじめよ  作者: 佐藤秀作
1/6

エレベーターワールド

 裸で立っていた。

自分が誰かもわからないまま

説明の爆弾を投下されていく。

 爺はそれでも

爆弾を投下する。

 俺の脳は

焼け野原。

 あれっ?

ここは・・・。

どこで・・・しょう?

そして俺は・・・誰?

どこかの玄関口だけは、わかるが、それ以外のことは一切覚えていない。

 これが噂の、記憶喪失ってやつか?

なんだここ?

マンション・・・だな~。

 玄関外を、見ると、外は暗かった。

今何時?

ってか本当に俺・・・誰?

ん~これは困った。一体全体どうすれば、いいんだろう。

 家だ!家に帰れば何かしら分かるかも!

家ってどこだ?

このマンションにある?

う~ん覚えてない。


・・・どうしよう?・・・。


 選択肢は2つ。

外にでるか、このマンションで、手がかりを探すか?

 結局俺はマンション内をうろつくことにした。

だって外、先が見えないぐらい暗いし・・・。


 っとゆうことでマンション内を散策。

歩いてすぐに管理人室ぽい場所を発見。

 中を伺うと、メガネを掛けたちょっと渋目のオッサンがいた。

声を掛けようか迷う。

だって俺、裸ん坊なんです。

 だいぶ前から気づいていたけど、気がつかないふりをしてまして・・・。

なんかおかしいな~っと思ったよ。でも対したことないのです。

 いろいろと・・・。

「お~いそこの君聞いてる?」

ごめんなさい。

全然聞いてないです。

考えごとしてました。

 ってゆうかしゃべり掛けてくれたんですか?

「あの~ここはどこでしょう?」

「君、新人だろー、だいたいわかってるから」

 新人?

なんのこと?

「自分、記憶喪失に「あーわかってるから、君が記憶喪失ってこと、それからどこにいるかも、わからないってことも」

 この人なんか慣れてる?

その口振りだと、記憶喪失っていっぱいいる?

「まぁ、色々考えてしまうのもわからんでもないかな~でも今から説明することを、しっかりと聞いて欲しい」

 なんの説明?

たぶん俺についての状況「は・・・はぁ~」

「なんか気のない返事だな~まっいっかっ」

「実はね~ここは地球じゃないんだよ」

 ハァ~何言っちゃてんの?

このオヤジ頭いっちゃってんの?

それともドッキリか?

騙そうってか?

記憶喪失だから。

そうはとんやがおろさないぜ~!

「ブゥフ・・・ハッハッハッハッハッ」

「なんだよ!騙したのかよ!「あーすまんすまんいつも、新人のリアクションが面白くてな、悪意はないんだよ」

「も~勘弁してくださいよ~」

「じゃあ改めてもう一度、いいかい」

「今度こそ、お願いしますよ」



「ここは地球じゃない」

もういいって!

スベってるから!

ほんと、しつこいオッ!

まがお!

もしかしてマジのやつ!

「ウソで・・・しょ?」

顔がマジ!

「ゴメンな~ウソっていってやりたいけど本当のことなんだ」

 もしかして異世界ってやつか?

はやんね~ぞ!その手の話!

記憶喪失して転生って?

よくあるから。

 はは~ん・・・わかったぞ。

これ引っ張ってウソつくやつだな。

そろそろ笑い出す頃だろ~。

・・・・・

・・・・

・・・

・・

えーーーーーーーーまじのやつー!

オヤジもウンウンウン頷いてるし!


「ウソでしょ!?」

「ほんとうのことなんだ!」

これもし嘘だったら殴る!

ハイど~ぞ。

「まぁ地球に関係なくもない・・・けど違う」

「じゃあここはどこなんだよー!」

「それは言えないんだ!」

 ハァ~!ここまで引っ張って言えないだー!

じゃあ何のためにお前がいるんだ!

お前の存在意義わ!

話、振り出しじゃね~か?

「お怒りは、ごもっとも・・・でも言えないには言えないなりの理由がある・・・つまり言ってしまうとこの世界の秩序が乱れてしまうからだ」

 どういうこと?

ワケわからん?

「じゃあなんっだったら教えられるんだ!」

「答えられる限り」

「じゃあこのマンションはなんのためにある?」

「君みたいな新人からベテランまで収容している場所だ」

「俺以外にもここに来たやつがいるのか?」

「全住人がそうだよ・・・皆なにも知らずにここに来る」

 全員・・・記憶喪失だと!?

それは・・・とんでもない世界じゃん!

なにのたまってんのこのオヤジ!

それで秩序あんの!?

「ねぇ君聞いてる?」

 全然聞いてないです。

聞きたくないです。

「でも記憶をもらうことは出来るんだよ」

どういうこと?

「まぁこの件は追々わかることだからおいといて、他に聞きたいことあるかい」

 それ今教えてくれません?

ダメですか?

なにもかもが、わからなすぎて、何から聞いていいか、わかりません。

「信じられないのもわかるよ、そして君が混乱しているのも・・・じゃそろそろいいかな」

「誘導係りー」

「ハイは~い」

 誰?

初老のおじいちゃん。

メガネを掛けた坊主頭、全体的に小汚ない。

「この人、新人だからいつも通り任せるよ」

えっ・・・なに?何するの?

「じゃあこれに着替えてもらえる?」

パジャマ?

 水色に白いラインが幾つも入ったわりとオーソドックスなやつだ。

「考えない!着替える!」

あの~パンツとか? 

ないっすよね~。

取り敢えず渡されたパジャマに着替える。


 2・・・?

なぜか着替えた後に感じるこの数値は・・・?

「その感覚はパジャマの防御力だから」

防御力?

「どういうことですか?」

「・・・」

あれっ?聞こえなかった?

「どういうことですか!?」

「ハイ次いきま~す」

 無視ですか?

そうですか?そうきますか?

ならこっちだって黙っちゃいられない。

「ちょっと管理人さん、なんなんすかこの人!?」

「・・・あ"~ん!」

 こわっ!

さっきとキャラ違いませんか?

「そりゃ怒る、だってもうマニュアル終わってるからこの人」

 まにゅある?

新人マニュアルみたいなのあったの?

じゃあ、いままでの全部演技?

どおりで慣れてると思った。

 そりゃね・・・みんな記憶喪失で来るもんね・・・マニュアルだってあるよね。

 ってどこ行くの?

ってか今思ったけどこのマンション奥行半端ないな~。

さっきから通り過ぎる人の格好が、気になるんですけど。

なんせ、皆さん鎧や兜をしてらっしゃる。

それに様々な武器まで。

仮想パーティー?

「皆さん、なんで鎧なんか着てるんですか?」

「・・・」

 クッソ~!このジジイ!

完全に無視しやがって!

「はい!質問!」

「君はクズだから!」

 なに、このジジイ?

人が、質問しようとしたらクズ扱い?

デリカシーないの?

「僕はねぇ君を知ってるんだ」

「ど・・・どういうこと?」

「過去・・・過去の君に会ったことがあるんだよ」

「記憶があるってことですか?」

「・・・」

 クッソ~!

大事なところで無視しやがって~!

こんなジジイと知り会いなんて、前の俺どうかしてるぜ!

 しかし、このジジイが言ったことも気になるよな~。

過去の俺がクズってこと。

 まぁ、こんなジジイに言われたところで、こっちは痛くも痒くもないとけど。


 あれっ?

何階に行くの?

エレベーター使わないの?

みんな使ってるよ。

「エレベーター使わないんですか?」

「今の君が乗れば死ぬから」

「どういう意味ですか?」

「・・・」

 ツンデレか?

なんか取っ付きにくいジジイだな~。

いやな奴・・・。

「早く!」

 先々行きやがって!

いったいどこまで昇る気やねん!


 着いた場所は、十階だった。

なぜかその場所だけは、開けていた。

駐車場のような作り、そこに様々な店が立ち並ぶ。

 入り口には二人の兵士?

重装備にして強そうだ。

「銅貨一枚になります」

片方の兵士がジジイにそう言った。

入場料とるの?

銅貨一枚?

十円のこと?

「すいませ~ん、誘導係りです」

「こちらこそ、わかっていながら、一応約束事なので」

 ジジイすごい丁寧。

ちょっと見直した。

「いえいえ、いつも大変ですね~」

「こんな仕事で、生きていけるのなら対したことではありません」

「でしょうね~」

「・・・」

やっぱりウソ。

さすが、やな奴。

 その二人を無視してジジイはサクサクと歩き出す。

なんだろうここ?

武器や防具を飾っている店。

何かを熱っして叩いている店。

何かを焼いて串焼きにしている店。

服を飾っている店。

何かの道具を飾っている店。

鶏を柵に囲っている店。

コンビニぽい店。

家具や寝具を飾っている店。

小さな闘技場。

食料品を飾っている店。

喫茶店ぽい店。

何かの寄り合い所。

まるで百貨店だ。


 活気があって喧騒がある。

通り過ぎる人々は、過去の世界にはない格好をし闊歩している。

 鎧を着ている者、兜をかぶっている者、上半身裸の者、見たこともない服を着る者、一つだけ共通することは、皆武器を持っていることだ。

 武器や防具を飾っているひとつ店に目がいく。

俺は立ち止まり、飾ってある内のピカピカの剣を、持ってみたいという感覚に陥る。

 あの時の感覚・・・さっきパジャマを着た時に出た数値・・・もしこの剣を持ったら・・・数値が出るんじゃないだろうか?

「自分、売り物に手を出したらダメやから」

 なんでわかった?

そりゃそうか、新人、記憶喪失して来たら、試したくなるよな。

「ハイ行くよ」

「どこに行くんですか?」

「さぁ~?」

 このクソ爺!

後ろから蹴ってやろうか!?

無視して歩きやがる。

 着いたのは、ひとつの喫茶店ぽい店だった。

クソ爺が入って行くので、付いていく。


 中に入り、店員らしき人に案内されたのは、二人が飲食するには充分なスペースだった。

 喫茶店だ。レトロな椅子や机、見事な馬の絵、モダンな壁紙、豪奢なシャンデリア、どれもがこだわっていて、それでいて落ち着く。

 客は、そんなに居なかった。

クソ爺にしては、いい店を知っている。

なかなかやる。

少しだけクソを取ってやる。

 店員が注文を取りに来て、ジジイは、アイスコーヒー俺もそれに習い同じものにした。

 店員は女性だった。ジジイはいやらしい顔つきだった。だが俺は、腰に差しているレイピアのほうが気になった。

 何故?皆武器を持っているのか。

「ええケツしとんな~!」

やっぱりクソが必要だ。

そして、この人、関西人ではなかろうか?

 一枚の紙を俺の前にスススと渡される。

何これ?

「それが君のステータスだから」

「ステータス?」

「君はもう知っているはずだよ」

なんのこと?

「取り敢えず、見なさい」

俺は紙を見つめる。


名前:細

職業:なし

スキル:なし

魔法:なし

Lv:1

生命力:14\14

体力:22\22

魔量:2\2

筋力:8

機動力:18

柔軟性:16

瞬発力:18

バランス:45

器用さ:7

魔力:6

集中力:33\33

精神力:50\100

魅力:50\100

時給:0

燃費:0.3

攻撃力:16

防御力:20

ポイント:0


・・・。

名前以外・・・知っている!!

俺の中ある確かな数値!

よくよく考えれば・・・おかしい!?

現世にはこんな数値存在しない!

それを、あたりまえのように思っている自分がいる!?

「だからゆうたやん!」

クソ爺の声が遠くに聞こえる。

俺は戦慄した。

本当に違う世界に来たことを!


 店員がコーヒーを運んで来た。

クソ爺は、相変わらずケツを眺めている。

俺はまだ落ち着いていない。

「君の気持ちもわからなくもないけど・・・来たもんはしゃーない」

そうなんだけど・・・。

「受け入れてこれから先、どうやって生きて行くかを考えて行かんことには、なにも始まらんし」

コーヒーを飲みながら他人事のように、言うクソ爺に腹立つ。

「君、逆恨みしとるから」

なんて勘の鋭さ。

ただのクソ爺ではない。

 俺は、紙に書いてある名前について考えた。

細・・・ほそ?ほそ、としか読めない。

ならば、ほそ、なのだろう。


 そうか~俺は、ほそか~・・・。

ステータスについてクソ爺に聞こうとしたのだが。

「あの~それで「そんなものは、自分で調べなさい」

 クソクソ爺だ!

死んでくれんかな~。

「一つだけゆうとくはな!ステータスは、絶対に他の人に明かさない」

「特にスキルだけは、ダメー」

どういうことだ?

「この世界に、このマンションに警察なんていないから」

「自警団みたいなもんは、おるけど・・・しょせんナンチャッテやから」

「ウソでしょ!?」

「・・・」

沈黙が答え。

マジのやつや。

 それで皆・・・武器を持っていたのか!?

何と無くこの世界が見えてきた。

「この世界の通貨は、円じゃないから」

「銅貨、銀貨、金貨、超金貨、爆金貨、核金貨がある」

「日本でいう価値にすると、銅貨で百円、銀貨で千円、金貨で一万円、あとはゼロが増えていく感じかな」

 なんか爆弾落とさてれいくな。

知らないことを・・・。

「あとは・・・エレベーターについてかな、あれはエレベーターであってエレベーターではない」

 どういうこと?

「実はなんと!あのエレベーター乗ると違う世界に行けます!」

「・・・」

「なんか思っていたのと違う、自分、もっとリアクションあったのに!」

「あんたは俺のこと知ってんだろ!?」


「うん!君はクズだよ!しかも掛け値なし!」


 なんか色々とムカつく!

この世界では、このクソクソクソ爺とは絶対に仲良くならん!

「ハイ、話戻しまーす」

「その違う世界に行ってお金を稼いだり、食い物取ったり、ステータス上げたりするから」

「この世界はステータスが物言う世界」

「普段、筋肉を鍛えてもステータスは上がらないから」

「ステータスを上げるには、エレベーターに乗って、百個ある内の一つのボタンを選び、行ってクリアーしないとダメだから」

 よく喋るじゃん!

喋るのが、嫌いな人かなっと思ってたけどそうでも無いんだ。

 それにしても不思議な世界だ。

身体を鍛えても強くならないなんて?

それにエレベーターに乗ってどこに行くんだろう? 

「まぁ、エレベーターについては、説明するより、行ったほうが分かり易いかな」

「もういいかい?・・・あとポイントがあった!ポイントはエレベーターをクリアーしないと貰えないから」

「そのポイントで記憶のアメちゃんと交換したり、転送の砂時計、差し示す羅針盤、他にも色々交換できるから・・・管理人に言えば」

 すごい疑問だらけ!

何から聞こう?


「あの~「以上~!」


「すい「以上~!」


「そ「以上~をもちまして説明を終わり!」


 終わっちゃった~ってなるか!

この死んでくれんかな爺め!

爆弾を投下するだけ投下しやがって無視しやがる。

「・・・」

「ズズズズズー」

 今もコーヒーを飲みながら無視してます。

「ハイこれ」

 渡されたのはひとつの袋。

なんだこれ?

「それじゃ」

っと言って席を立ち出ていく死んでくれんかな爺。

「まだやろー!」

「おじさんもそんなに暇やないから」


「細さん!細さんだけにゆうけど、嘆いていても何も始まらんから!」

 後ろ向きでジジイはそう語る。


爺がノーパンに何語る。


 だが、この言葉が、いずれ金言になることを、俺は知るよしもなかった。


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