002 初めての異世界
シロが私の頬をペロペロ舐めて、いつものように起こそうとしている。
ふわりとした風も感じ、ゆっくりと目が覚めた。
いつもの柔らかい布団の感触ではなく、硬い地面を感じる。
もしかして、酔っ払って家までたどり着く前に寝てしまったのかと思ったが、周りを見ると巨大な苔むした木々が鬱蒼と茂り、空を見ると、真っ赤な太陽と、黄色い太陽が、空にあるのを見て、ここは地球とは違うと分かった。
「異世界転生って、夢や無かったみたいや」
左右を確認してシロを探すと横に大きな犬がいた。
私が乗れそうに大きな犬?、もしかしてシロか?
確かに顔立ちはシロに似ているような気はするが、大きさが全然違う。
従魔にしないといけないのは確かにそうだ、しかし体質や種族が変わると言っていたがこんなに大きくなるとは思わんかったわ。
でも、シロはシロやな、いつものように私の横にお座りして尻尾を振っている、いつものように可愛いやつや。
ひとしきりシロをなでなでしてから、起き上がることにする。
ゆっくりと立ち上がり、大きく伸びをして空気を吸い込むと、爽やかな気分になれる。
空気が美味しいって素晴らしい。やっぱり田舎って心が和むわ〜とか思ったけどよく考えればここは異世界、何が起こるか分からないから、早速今の自分を確認してみた。
手足を見てもとても40才に見えないくらいお肌スベスベ、少しポッチャリだったのが若い頃のように、引き締まってちゃんとウエストとヒップが同じサイズという事もない。やっぱり15才まで若返っているようだ。ここに来る前に、目一杯ナイフで刺されたから、服を捲り上げてお腹を見たけど、傷一つ無かった。昔の傷跡も消えている。神様もいい仕事してるわ〜。
今自分がきている服は、ここに来る前に着ていた服のままでサイズはぶかぶかのはずだけど、きちんとサイズ調整されているようだ。
「でもヤッパリ15才で、トラ柄はキッツイか〜。大阪のオバちゃんには定番の服やってんけどな〜。ちょっとしたヤンキーみたいや。これって異世界では受けるやろか?
少しおとなし目の服に着替えた方がええかなぁ」
しかしこんな所でストリップする訳にもいかないし、何処かに着替えが出来るような所無いかな〜とキョロキョロしていたが、「そういや、家も貰える様に言っといたっけ。」
家って何処にあるねん。
あ・・・ここに着いたらステータスを見るように言われていたわ。
確か「ステータス」って言えば良かったっけ。
「ステータス」
いきなり目の前にいろいろ出てきた。これがステータス
名前 : 有栖 百合
年齢 : 15才
レベル : 1
スキル : 異世界言語・異世界文字・アイテムボックス(MAX)・鑑定・ホーム・全属性魔法・料理・解体・錬金術・地図作成・探知魔法・武芸百般
ギフト : 創造神アスランの加護
なんかいっぱいもらい過ぎ?
ちょっとワガママ言い過ぎたか。ま、いいか、長生きして貢献すればいい事やし。
それにあの神さん創造神でアスランって名前なんや。
まず最初に、アイテムボックスと考えているとステータスのようにアイテムボックスの中身が見れるようになっていて、確認もすると旅行バックが見えたので選んでみると、目の前に旅行バックのが現れた。
「おおー、ちゃんと旅行バックが出て来るやんか、これで着替えもゲットや。」
仕舞うのも持ってアイテムボックスに仕舞うと思っただけで仕舞うことも出来た。
あとは家・・・このホームってやつやな・・・あ、ホームの取扱説明書も入ってるわ。
アイテムボックスの中に入っているホームというのを出してみると、小さなケースが出てきた。
ケースを開くとスイッチが2つありスイッチの下に「ホーム」と「馬車」と書いてある。
ケースを開きながら取説を見てみると、ホームはある程度の広さの所で「ホーム」と書いてあるスイッチを押すと家の形で「馬車」と書いてあるスイッチを押すと外観は馬車の形で中に入るとホームになっているものが出てきます。
ホームは最初はリビングとキッチンと小さな庭のみ、リビングに魔石貯蓄箱があるので、そこに魔物を倒して解体した時に出でくる魔石を入れてください。
するとポイントが貯まるのでそのポイントを使うといろいろゲット出来ます。
内容は取説の最後に載っています。
最初は大した物は載っていませんが、ホームが大きくなればなるほど、ゲット出来るのが多くなります。頑張って下さい。
馬車は中に入ればホームになっていますので、旅行中に広い場所がなくても中に入れば泊まることができますが庭には出ることができません。
もし庭仕事がしたいようならホームの形で出すといいです。
馬車は、従魔に引かせることが出来ますので、馬を手に入れる必要はないので大丈夫です。
「何やねんそれ、魔物たおさななんも出来んやん」
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