010 デルファンの街
しばらく森の中を歩いていたが、森を抜け出すとずっと遠くに城壁みたいなのが見える。
「なぁ〜、あそこがデルファンなん?」
「そうだよ〜、おっきい街でしょう、城壁もシッカリしてるから、チョットした魔物の襲撃なんかは、平気なの〜」
「へ〜凄いんやな〜。
じゃあ門には兵隊さんとか居てるの?」
「居るよ〜、そこで身分証かギルドカードの確認をするの〜
ユリちゃんは身分証も無いんだよね〜。
だったら入るのに銀貨一枚と、犯罪者の有無を調べるんだけど、ユリちゃんなら大丈夫だよね〜」
「たぶん大丈夫やと思うわ〜」
一応、地球でも前科はないし。
「あとシロちゃんの分で、従魔の首飾りを購入しないといけないと思うよ〜」
「そんなん買わなあかんのんか〜…………まあしゃあないな可愛いシロの為やもんな」
門の近くまで行くと順番待ちがあったので、最後尾に並ぶとなんだかジロジロ見られた。
(なんやねん、そんなにおかしいか、トラ柄の服)
自分達の番になると門番さんにもジロジロ見られた。
(失礼なやっちゃ)
でもよく見るとシロを見て警戒しているようや。
確かにシロは今、そこらの犬より大きいし、気品があるからなぁ。
「そっちの子は、今日初めての冒険だったな、薬草は採取は出来たのかな?」
「は〜い、出来ました〜」
門番さんがシロを警戒しているのにも気付かず、ドヤ顔でニーナが返事をした。
「良くやったな、これからも頑張ってくれ。
それで、そっちの変わった服を着た君は?」
「この服は、趣味です。気にせんとって下さい」
「ふむ、まあ良いだろう趣味もいろいろあるからな、それじゃあ二人とも、身分証かギルドカードの提出をしてくれ」
ニーナは馬車から降りてギルドカードを出し見せるとすぐに門を通された。
私も馬車から降りてシロの横に立ち、門番さんに笑顔で笑顔で答えることにする。
「私はこの子と旅をしてるもんやから、身分証もギルドカードも無いねん。
これからここで冒険者になろうと思うんやけど」
「この子って言うけど、これはフェンリルだね。
かなりレベルの高い魔獣になるけど、君にはしっぽを振るんだ」
「この子は私が生まれた時から育ててる子ーやから、私の言うことはよく聞くねん。
せやから、この子を従魔として登録したいねん。
この門入ろうと思ったら、私の分銀貨一枚と従魔の首飾り分、払ったらいいんやろ?
従魔の首飾りっていくらすんのん?」
「銀貨1枚になる、だが従魔が街で問題を起こせば、それは主人の責任になるので気をつけるようにな」
「誰かがこの子を傷つけて反撃したらあかんのんか?」
「相手を殺すような事がなければいいが、もし街でこのフェンリルが犯罪者以外の人を殺すようなことがあれば君に責任を取ってもらうことになる」
「街の外やったらいいんか?」
「一応従魔の首飾りはギルドカードとリンクさせる事になる、だから君のギルドカードを見ればその従魔が何を斃したのかすぐに分かるようになる。
盗賊などの犯罪者なら問題はないが、一般人を殺せば君の責任になる。
わかったかな?」
「解った、……………そしたらこれな」
通行料と従魔の首飾りのお金、銀貨2枚を渡す。
「確かに頂きました。ただ身分証が無い者は、犯罪の有無を調べなければならないので、ちょっとこっちに来てくれ」
門番さんに私だけ詰所に連れて行かれた。
「シロ……ちょっと大人しく待っとってな……」
「クウン………」
シロはおとなしくその場で待っててくれる。
犯罪者じゃ無いけど犯罪者の気分だよ。
「それじゃ、この水晶に両手を付けてくれ、犯罪を犯していれば黒く染まるからすぐにわかる」
「両手を置くんやな」
「そうだ、魔力で確認するから、すぐに終わる」
何も起こらず、「大丈夫なようだな」とすぐに終わって、シロと一緒にニーナの所に行かせてもらった。
「じゃ、行こうか」とデルファンの街に入ることが出来た。
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