表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の秘密  作者: 響子
第2章
42/51

新しい苦しみ

コーヒーの匂いがする。それとご飯と味噌汁の匂いも…私はベッドから飛び降りてキッチンへと急いだ。


「おはよう」

「…お はよう…」

「…どした?」


まただ、また私の方が起きるのが遅かった。うつむいて立っている私に祐輔は手招きした。何事かと近づけば腰に手を回され、彼の膝の上に座らされていた。


「昨日は何時まで仕事してたんだ?」

「たぶん…2時くらい?」

「忙しいのもわかるけど もう少し早く寝なさい」

「はい……ご飯作れなくてごめんなさい」


私は祐輔の肩に頭を預けた。同棲していた頃から朝食は祐輔が作っていた。私の出勤が遅かったことや私が朝が苦手ってこともあって、それは暗黙の了解だった。だが今は違う。私は…祐輔の奥さんになったのだ。だが祐輔はそんなことは全く気にしていない。私がそれを言えば『俺は家事をやってほしいから嫁を貰ったんじゃない』とあっさり言う。だけど…全然嫁らしくないんだよね。


祐輔が出かけた後はいつものように洗濯機を回して下の会社に降りていく。ちょうどそのくらいにはみんなも出勤してきていて、打ち合わせをしたり色々話をしてみんなは現場へと別れていく。


 




私達は結局結婚式はしなかった。ただ、私もウエディングドレスは着てみたかったというのもあって 記念に写真を撮った。そして祐輔ははめることは出来ないといった結婚指輪だが、強制的に私ははめさせられている。


「君はもう結婚したんだから 仕事に差し支えない以上はめてほしい」


と言われたのだ。そして彼の分の指輪はケースに入ったままである。



私が結婚して周りから私達は色々言われた。それでも私は全然気にしなかった。まあ大半は祐輔を羨む言葉と私が若いので浮気の心配をする言葉だった。


「ひなたは義兄の会社で働いているんだから浮気の心配はないでしょう?反対に近づいてくる男は義兄が追い払うに違いありませんから」


と兄の前であっさり言ってしまったものだから 義兄と祐輔はすっかり仲良しになってしまった。私達の結婚生活は順調だった。







「おっかしいな…」


私はPCを見つめながら呟いていた。几帳面ではない私なので前の生理の日が何日に始まったのかとか憶えていないことが多いのだが、結婚してからはPCに始まった日と終わった日を必ず記入していた。理由はもちろん…子供のことだ。

出来にくいとはいわれているが出来ないとは言われていない。それに奇跡って言葉もあるわけで…諦めが悪いと言われるかもしれないが、やはり簡単には諦められない。

実は…今日で生理10日目なのだ。それも普通なら始まって2日目あたりは頻繁にトイレに行かないといけないのだけど、今回は量がかなり少ない。今までにそんなことはなかったし、終わる気配もない。


「やっぱり産婦人科に行ったほうがいいんだよねぇ…」


ふとあることを思い出して私はタンスの奥を探した。そこには以前買っておいた妊娠検査薬が入っていた。以前生理が1週間遅れた時に買っていたもので、その時の検査は陰性、その2日後生理は始まったことがあった。その残りだ。

まさかとは思うけど…本当に安易な気持ちだった。そしてその結果は陽性を示していた。


―――妊娠…出血…


私はとにかく近所にある産婦人科を調べ、すぐ診察に行った。


  


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ