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私の秘密  作者: 響子
第1章
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新しい未来に向かって 2(樋口side)

ひなたと車に乗り込んでナビを検索した。まず一緒に住むならベッドを購入しなければいけないだろう。さっき部屋を案内してもらった時のひなたのベッドはシングルだった。俺は広々と寝るのが結構好きだったから一人でもダブルベッドを使っていたが、ひなたと一緒に暮らすようになって結婚したら別々のベッドに寝るべきではないと思っていた。


ひなたも俺も頑固者同士だ。それで何度か喧嘩したこともある。一緒のベッドに寝ていれば俺たちはお互いの背中に抱きついて「ゴメン」と謝ることができた。まあ大抵ひなたが謝ってきていたのだけど…ともかくこれから先、お互い仲良く生活できるようにダブルベッドは必須アイテムだ。それにここに住むなら早く用意した方がいい。




さっさとベッドを購入して配達を依頼すると車に戻った。さっきひなたをからかったのですっかりご機嫌斜めでここに来る前とは真逆のだんまり状態だった。


「ひなたとの結婚はお兄さん達に認めてもらった。ただ、条件が2つあって 1つは今のひなたのところに俺が引っ越してくること、もう1つはひなたを絶対に泣かせたりしないこと。一つ目はすぐにでも準備はできるけどもう1つの方は努力するから」

「うちから樋口さんの会社ってどれくらいの距離なの?」

「…前みたいに祐輔でいいよ。お前も樋口になるんだろ?」


ひなたの義兄、近藤の提案であるここからの会社への通勤は俺にとっては何ら問題はなかった。まあ彼らは知らなかったのだろうが、実は俺の新しい勤務先となる会社はひなたたちの住む場所から車で10分程度のところなのだ。それに…これからのためにも俺はひなたを家族達から引き離すつもりはなかった。


「そんなに近いの?」

「ああ、2,3年前に街中から少し離れたところに自社ビルを建てたとは聞いていたんだけどね」

「そうなんだ…」

「それより ひなたに謝らなければいけないことがある」


ひなたの顔が一気に曇っていった。俺は手を伸ばしてひなたの手をしっかり握った。


「俺はもともと技術屋だから現場に出ることも多い。だから結婚指輪はたぶんつけられない」

「うん…お兄さんや会社の人たちもつけてないからそれはわかる」

「それと今度の移動は名古屋支社であるプロジェクトがはじまるから そのための移動なんだ。それで…かなりいろんなところの出張しなければいけなくなる」

「うん…」

「それもたぶん国内だけじゃなくて海外も…それも月単位での出張になる」


現在はっきりしているのはドイツと中国、突然の移動願いが通ったのは俺がドイツ語と中国語が堪能で現地での交渉が可能だったからだ。その間ひなたを一人にしてしまう。少しでも寂しくないように彼女の周りの環境を変えたくないと思っていたのだ。

ひなたは遠距離恋愛は無理だと言っていたのに…


 

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