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私の秘密  作者: 響子
第1章
19/51

彼女の秘密(向井悦子side)

ひなたと私は専門学校からの友人だ。ひなたは自分で頭が悪いと言うが、私はそうでもないと思う。逆に頭の回転が速く、空気も読める人間だ。ただ勉強とか記憶系ものは全くやる気がないせいもあると思うが学校の成績はあまりよくはなかった。

出会った頃のひなたは特別変わった子じゃなかった。男に対する考え方が変わったのは…間違いなくあの男のせいだった。


当時ひなたはあるサラリーマンと付き合っていた。相手は27歳くらいで転勤でこちらにやってきて1人暮らしをしていた。まあその当時から年上好みだったのは間違いないのだが、突然2人は別れた。理由は相手の転勤が決まったからだ。まあそれはどうしようもないことで、ひなたは遠距離恋愛とか絶対無理と言っていたので話し合いで別れたのかと思っていたがそうではなかった。相手の男は…結婚していたのだ。そして来月奥さんが出産すると言う。


「ちょっ…それどういうことなの?」


私はひなたに問い詰めた。もちろんひなたもそんなことは全く知らなくて…それどころかひなたが「私達このまま付き合ったらそのうち結婚するかもね」といった言葉に「そうだね」と返していたらしい。あまりに酷い…酷すぎる。


「ちょっと前からおかしいなと思ってたんだ。友達と会うから週末会えないって言われたり、部屋はちょっと散らかってるからって入れてもらえなかったり…」


ギリギリまでひなたに隠していたらしい。そしてその男は電話ですべてを告げて終わりになったという。翌日ひなたが納得いかず連絡しようとしたが携帯は解約されていて、会社も…前日付けで転勤になっていたらしい。そう、ひなたは完全に捨てられたのだ。


それ以降ひなたは男を信用しなくなった。体の関係はあっても絶対信用はしていない。だから自分が満足できない状態になったり、相手から拘束されそうになるとすぐに男を切り捨てる。


「私も満足させてるし、相手も満足してるんだからそれで何も問題ない」


相手の男に彼女がいようが、結婚してようがひなたには関係ないことだった。男は裏切る生き物…信用すればこちらが裏切られる。


もちろん私はそんな男ばかりじゃないと何度も言った。だがひなたは寂しそうに笑うだけ… でもいつかひなたの前にもそれを証明してくれる男が現れると信じていた。そして…樋口祐輔が現れた。


 

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