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私の秘密  作者: 響子
第1章
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男なんて

初投稿です。拙い部分もあるかと思いますが、気になった方は読んでいただけると幸いです。

「なあ、今度いつ会える?」

「うーん…」

「明日も俺は空いてるんだけど?」

「明日は友達と約束してる」

「じゃあいつなら会える?」

「………メールするよ」


いつもの場所で車から降りた。何やら言っている気がするが気にすることはないだろう。にっこり笑って手を振る。24時間開いているこの本屋は私にとってなくてはならない存在だ。何故なら男との待ち合わせ場所はいつもここと決めている。そして別れるのもこの場所。


「そろそろ潮時かな?」


本屋の自動販売機でコーヒーを買ってバスを待つ間、手帳を調べてみた。2ヵ月半だ。大体3ヶ月が限度だからまあ普通か。

やってきたバスはそろそろ最終ということもあって結構人が乗っていた。ドアが閉まると暗闇の中を走り出した。







「お疲れ~」

「いらっしゃい、今日はどうしたの?」

「うん、ちょっと野暮用」


私の勤めている店に悦子がやってきた。彼女とは歯科衛生士専門学校の友人だ。だが彼女は卒業して就職した歯科医院を1年で辞め、今は土木事務所のアルバイトをしている。


「ねえひなた、今日ご飯食べに行かない?」

「いいよ」


私は彼女とは違い専門学校を卒業し、国家資格は取ったものの自分には向いていないことは重々わかっていたのでアルバイトで慣れた接客業の道に進んだ。現在は靴屋の販売員だ。時間が迫ってくるとテキパキと閉店の準備を始め、時間には店を閉めた。


「今の店に移ってどれくらいになる?」

「たぶん…半年?8ヶ月くらいかな?」


最初は違う店で採用された。そして2ヶ月位して急に辞令が出て今の店に転勤になった。現在の店はショッピングモールの中にあるのだがスーパーの方に客は入ってくるがファッション系の店にほとんど人はこない。だから店員も最低限度の2人しかいなかった。1人休みの場合片方が何から何まですべてをやらなければいけないので、会社も店を任せられる人間を配置しなければいけない。私の移動も本店ではかなりもめたらしい。


「で?今の男とはどれくらい続いてるの?」

「うーん…一番長いので3ヶ月半?短いので1ヶ月かな?」

「じゃあ今は2人?」

「んや、4人。あ…直に3人になる」


昨日のヤツに明日にでもメールを打たなきゃ…いつものアレでいいだろう。運ばれてきた焼き鳥に手を伸ばす。いつ来てもここの焼き鳥は美味しい。


「あんたねぇ…いつか刺されるよ」

「刺されるようなことやってないもん」

「いや、やってるでしょ?」

「やってないって!別にお金を貰ってるわけでもないし…」


セックスしていい気持ちになって いい時間を共有しているわけだから、何ら恨まれるような憶えはない。それに私もちゃんとその点を考えて相手を選んでいる。


「お互い納得してるんだからさ」


2本目の焼き鳥に手を伸ばす私に悦子は溜息をついた。「もっと自分を大事にしなよ」そういう彼女に私は返事をしなかった。



 

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