四話、光と炎の聖女
〔ピィルナの町〕
何故だか簡単な依頼を受けているのに強力な魔物が襲来すると言う現象に見舞われている二人。
ヒカリは楽しそうだがナンシーはヒカリが怪我をするのでは?と心臓バクバクでこの一週間を過ごしていた。
「強い魔物さんから来てくれるおかげでHランクからもうCランクになっちゃったね」
ドラゴンやらオーガキングにたまたま出くわすのだ。
その討伐の証を持って行きポイントを二人は溜めているためあっという間にCランクまで昇格していた。
「…」
ナンシーはこんな出来すぎた事があるのか?と思いモミジに連絡を取ったのだが。
モミジは私は知らんと断言したため彼女の仕込みではないらしい。
ならばとヒカリを見るナンシーもしかしたら彼女の光の聖女としての考案が強い魔物を引き寄せているのでは?と考えたのである。
「そう言えばさナンシー、最近強い魔物さんを倒すと漏れ出て来る光に気付いてた?」
「…なんですかそれ?」
「えー?なんかモヤモヤーってしたやつだよ?」
「知りませんけど…」
「…」
ヒカリはここでナンシーにも見えていなかったものが自分に見えている事を知り魔物から漏れて来る光の正体を察する。
「お母様だなぁ?」
「へっ?サクラ様ですか?」
「そっ!私がここで路銀稼ぎしてるのが分かってるから、どこか隠れてる場所から何かして魔物達を私達に差し向けてるんだよ!」
「はぁ…」
ヒカリの言葉を聞いてナンシーはそれが本当なら娘に路銀を稼がせギルドランクも上げさせるためにやっているため相当な親馬鹿だなと思う。
「もー!私だって十五歳でお仕事くらい一人でやれるのにー!」
最近自分でやってみる事が楽しいヒカリはサクラが何かしているのかもと思い頬を膨らませた。
「まあまあ、本当にサクラ様が何かしてるならそのおかげで路銀を稼げてるんだし良いじゃないですか」
「んー」
ナンシーの言葉を聞いたヒカリはそれでも納得が行かないらしく微妙な顔を見せる。
そうしていると何か飛行音が聴こえて来た。
「ん?」
空を見ると赤い弾丸が迫って来ているのが見える。
「わ、わ、わ!?」
ヒカリが焦っていると赤い弾丸はヒカリの目の前に着弾し抱き着いて来た。
「ヒカリー!久しぶりー!」
現れたのはアカネ。
炎の柱から飛び出して二時間後にここまでやって来たのである。
「アカネちゃん!?」
ヒカリはアカネを抱きしめ返しつつ驚いた声を出す。
「お久しぶりですヒカリ様」
驚いているとアレンも地面に降り立った。
「アレンも!あー!アカネちゃんも家出したんだ!」
ヒカリはアカネを指差し一緒だね!と微笑んだ。
「そう言うわけじゃないわよ」
「えー?」
「私はあなたが旅に出たって聞いて会いに来ただけだもの」
「そうなの?家出しないの?」
「だってうちにはそう言うし…んむむー?」
何か言いかけたがアレンがアカネの口を塞ぎ黙らせた。
「言い方を見るにヒカリ様は光の柱の家出が恒例である事を知らないようなので言っちゃダメです」
「なるほど…」
アカネはモミジに怒られる所だったかと思う。
「それで?あなた今何してるの?」
「ギルドに行く所」
「そう!それなら一緒に行きましょ!私もギルドで久し振りに仕事したかったの!」
「うん!行こっ!」
ヒカリとアカネは手を繋ぐと一緒に走り出した。
「お互い姫がヤンチャだと大変だな」
「そうですね、ですが楽しいです」
アレンとナンシーは短く会話したあと二人を追って走り始めた。




