八話
〔宿〕
朝。
アカネが目覚めると顔に何やら柔らかいモノ。
「んむっ!?」
そうヒカリの大きなモノに顔を埋めているのだ。
最近ナンシーがヒカリが寝てからも暫く起きておいて寝ているヒカリを転がしていたらヒカリはある程度寝返りなどを打つように変化したのだ。
その変化の結果同じベッドで寝ていたアカネを抱きしめたと言うわけである。
「んんん!」
ヒカリは筋肉があるようには全く見えない外見をしているがその実ものすんごいパワーをお持ちである。
そのため同じ聖女であるアカネが抜け出そうとしてもビクともしない。
「ヒカリー!起きてー!」
なんとかアカネは声を出した。
「んぅー?あっアカネお姉ちゃん…」
その声に反応したヒカリは目を開けると昔の呼び方であるアカネお姉ちゃんと呼んでからにへらと笑う。
アカネはその寝惚け方可愛いなおいと思う。
「起きたのなら離してー!」
「うん」
ヒカリは寝惚けた様子のままアカネを離した。
「ふぅ…」
アカネは胸に溺れる所だったとホッとする。
「…」
それからナンシーの方を見ると起きていた。
「いや助けなさいよ…」
「抜け出すのにどれだけかかるのか見てたんですよ」
「…」
このお付きこう言う所あるよな…と思いつつアカネはベッドから降りた。
すると身を起こしたヒカリが服を掴んで来る。
「んー?どしたー?」
アカネは振り返り優しく微笑む。
「一緒に下に行こ?」
起きたてのヒカリは普段より子供っぽくなる傾向がある。
そのため服を掴んで一緒に行こうと言って来た。
「ええ、行きましょうか」
アカネは優しく微笑んだままヒカリの手を取り一緒に下の階に降りて行くのであった。
戻って来た二人が着替え旅の準備が完了した。
三人とも荷物がないように見えるがナンシーが空間拡張された鞄を背中に背負っているのである。
「ヒカリ様、王都までは三日掛かります、野宿する事になりますからそのつもりで」
「野宿!お外で寝るんだね!」
ヒカリは外で寝る!と楽しげだ。
「はい、野宿はまた違った良さがありますから楽しみにしていてください、それじゃ旅立つ前にギルドに行きましょう、移動中討伐って依頼書がありまして、それを受けておくと依頼中に見つけた魔物を狩る事で報酬を得れるんです」
昔は移動中に魔物を倒しても報酬が貰えていなかったが不満が出たためこの依頼が生まれたのである。
「それじゃ魔物を見つけたらとにかく倒した方がお得だね」
「はい、お財布は中々に潤ってますが、増やすに越した事はないですから」
一時期の強い魔物が向こうからやって来る状態のお金で現在ヒカリとナンシーの懐は暖かい。
しかしそれで依頼を受けないと寂しくなってしまうため依頼を受けないと言う選択肢はないのである。
「そう言えばアカネ様、旅の資金は?」
いきなりやって来たアカネ。
ナンシーは資金はあるのか?と思い聞いた。
「ないわね!一文なしよ!」
「ええ…」
一文なしなのにやけに堂々としているな…とナンシーは思う。
「なのでその…移動中に稼ぐわ…」
アレンは旅にまでアカネがついて行くとは思っていなかったため宿代しか渡していなかった。
そのためアカネは一文なしになっているのである。
「あはは…沢山魔物倒さなきゃね」
ヒカリは苦笑いして移動中頑張ろう!と言った。
「ええ…」
アカネはヒカリの言葉に頷き三人は宿を出て街を出た。
〔フォビアール平原〕
平原に出た三人はのんびりと王都方面に向けて歩いている。
「いたわね!ゴブリン!」
平原に出ると早速アカネが魔物に襲いかかる。
一文なしなためその大きめなお尻に火が付いているのだ。
「ぎゃー!」
「くるなー!」
ゴブリン達は成す術なく蹂躙されている。
「私も行くよー!」
「オーバーキルですねぇ…」
見ていたヒカリも参戦した。
聖女二人にゴブリンが勝てるはずもなくあっという間に全滅した。
「盗んだ金品があるわね」
良い匂いはしないお宅の中を覗いてみると盗んだらしい金品があった。
「そう言うのギルドに渡すと報酬貰えますから回収しておきましょう、ちなみにそれを打ったりすると犯罪で捕まりますからダメですよ」
こう言う時の逮捕は聖女でもお構いなしである。
「その昔サクラ様が捕まってモミジ様が呼び出されたって話があるんで」
「お母様…」
サクラが盗品を回収して売って捕まったと聞いたヒカリは呆れた顔を見せる。
「他にも…」
「まだあるのー!?」
この後サクラのやらかし伝説をナンシーは知っている限りヒカリに話して聞かせ最後には捕まるのでやらないように!と言った。
「うん、注意するね」
ヒカリは出来るだけ覚えておいて自分は捕まらないようにしようと思う。
「もう夕方ね」
「はい、川を見つけて野宿出来る場所を探しましょう」
三人は移動しつつ川を探し野宿が出来る場所を探し始める。




