表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七つ柱の聖女  作者: 達川奈々世
第一章、光の聖女の冒険の始まり!
1/30

プロローグ、光の聖女家出する

〔光の柱〕


ここは魔法世界グランレイナ。


遥か昔より魔法が発達し発展して来た世界である。


この世界に一人の少女がいた。


「ヒカリ様!」


お付きの十五歳の少女ナンシーに呼ばれた少女の名はヒカリ・サイオンジ。


ここ光の柱が誇る十五歳の光の聖女である。


「また見つかっちゃったね」


ヒカリがいるのは巨大な城である光の柱の屋根の上。


少女は毎日ここから外の世界を悲しげな顔で見つめているのだ。


光の聖女であるヒカリは外に出る事を禁じられているそのためヒカリは憧れと悲しみのこもった瞳で外の世界を見つめているのである。


「ヒカリ様がいつもいる場所はここですから、ところでヒカリ様、一つ耳に挟んだ話があるのです」


ナンシーはとある者から言われた話を思い出しながら言う。


「ヒカリ様の母君、サクラ様が生きていらっしゃるかもしれないそうですよ」


「ほんとっ!?」


十年前のとある戦いにて消息不明となった母サクラ。


ヒカリはずっとずっと会いたいと思っていた彼女に会えるかもしれないと思い目を輝かせる。


「どうやら我が光の柱が行方を追っており数件の目撃情報があるようです」


「…」


ヒカリは俯く。


目撃情報があるだけか…と思って。


「そこでヒカリ様、私から提案がございます」


「なに?」


「サクラ様を探すために家出しませんか?」


「ふぇっ!?」


幼い頃から何かと禁則事を破ったりしていたナンシー。


今回はサクラを探すための家出を申し出て来た。


「だ、ダメだよ!私、ここにいなきゃいけないってみんなが…」


「サクラ様、したい事があるのにせずにここに引きこもっている意味はなんですか?ずっと言っていたではありませんか、サクラ様にもう一度会いたいと、私はここから出てサクラ様を探しに行くべきだと思います」


「でも…私外の世界を知らないもん…だから一人じゃ行けないよ…」


外の世界を知らないヒカリは外に出る事が怖い。


だからこそどうしても尻込みしてしまうのだ。


ナンシーの話を聞きサクラを探しに行きたいと思っていても。


「私が一緒に行きますよ、ヒカリ様」


「ほんとっ!?」


「はい、一緒に家出しましょう」


「うん!行く!」


ナンシーと一緒ならば怖くないヒカリはサクラを探すために家出をする事を決めた。


「それでは決行は今日の夜としましょう」


「分かった、ふふっ、悪い子みたいで楽しみだね」


クスクス笑いながら家出を楽しみだと言うヒカリ。


その様子を見てナンシーは思ういつも思うが可愛い生き物だなと。


「それじゃ私、そろそろお仕事だから行くね?」


「はい、また夜に」


「うん!」


ヒカリはナンシーに手を振ると城の中に戻って行った。



数分後ナンシーが城の中を歩いていると一人の女性が近付いて来た。


先先代の光の聖女でありヒカリの祖母であるモミジだ。


「上手く行きましたか?」


「はい」


ナンシーがヒカリに家出を申し出たのはモミジの仕込みであった。


その理由は十五歳まで外の世界を知らない光の聖女に外の世界を学ばせ成長させるためである。


歴代の光の聖女達も同じように家出をさせられたりしたりしていた。


「あの子は清らかになるように育てたのですが、少しやり過ぎましたね、私は十三の時、サクラなんて十二歳で家出したのに、あの子は十五歳になっても外の世界を見つめるばかりでした…」


行方不明になったサクラから引き継ぎヒカリを育てたモミジ。


本人が言ったように清らかな心を持つ少女になるように育てたのだがいかんせんやり過ぎた。


やり過ぎた結果ヒカリはとてもとてもとっても良い子に育ち家出などと言う発想すら出てこない子に育ったのだ。


「まぁ清らかなのはいい事だと思いますけどね」


「俗世に塗れたあなたが幼馴染なのにアレですから筋金入りですよ」


「あの…私に対して嫌味言ってます?」


「それはどうでしょう?」


モミジはフフンと笑う。


「…それでは夜に決行しますのでそれっぽく騒いで下さいね」


「分かっています、旅の資金は手筈通り各地にある光の柱の支部で受け取りなさい」


「了解です」


ナンシーはモミジに一礼すると去って行った。


「さて…光の聖女は引かれ合うその特性を活かしてヒカリがサクラを見つけたくれれば良いのですが…」


モミジは娘であるサクラはどこにいるのかと物思いに耽る。



夜。


ナンシーがヒカリの部屋にやって来た。


すると定刻通りであるためヒカリは綺麗に布団を被って寝ていた。


ヒカリの就寝時間は夜の十時現在は十時ヒカリにとって寝る時間である。


「この子は…マジですか…」


良い子なのは良い事なのだが度が過ぎているとナンシーは思う。


「ヒカリ様!起きてください!」


「んぇ?」


ナンシーの声を聞いたヒカリは寝惚けた声を出しつつ身を起こした。


「家出するんでしょうが!?なに寝てやがるんです!?」


「だって寝る時間だもん…」


「良い子!」


ナンシーはツッコミつつヒカリに立つように促す。


「早く着替えて下さい、行きますよ」


「うん」


ヒカリは聖女の正装を身に付けようとする。


「ヒカリ様、その服は目立ち過ぎて嫌な予感しかしませんので、これ着てください」


ナンシーはヒカリの着替えを止めて別の服を渡した。


街の娘が着ている流行りの服である。


「わぁ!可愛い!」


ヒカリは服を広げてわぁ!と喜んだ。


可愛い。


そして服を脱ぐ。


「…」


服を脱いだヒカリを見てナンシーは思う。


中身はド清楚だが身体は中々に破壊力が高いと。


胸はIカップはあり腰は細く足は長い極め付けは誰が見ても美しいと言う顔。


ヒカリは超が付く美少女なのだ。


ちなみにナンシーもボーイッシュ系美少女である。


「着替えたよ」


「はい、それでは行きましょう」


ナンシーはヒカリの手を引きあらかじめ決めておいた脱出ルートを走る。


「!待ち伏せ!」


走っていると普段は誰もいない筈の通路に兵がいた。


どうやらモミジがこれも試練と兵を配置したようである。


「こんな時間にヒカリ様を連れているとは何事かー!」


兵は二人を見るなり襲いかかって来た。


「ヒカリ様!戦わないと外に出る事は出来ません!倒して行きますよ!」


「うん!」


ナンシーの言葉に頷いたヒカリは胸に手を当てる。


するとヒカリの身体が輝きその光が右手に集まると剣の姿となる。


その剣は機械的な剣でヒカリが手に握ると展開してビームを発振させる。


それを見て兵は腰に装着していた武器を手に取りその武器からビームを発振させた。


この武器の名はウツワ。


発現出来るものはウツワヌシと呼ばれこの世界の人類全員が使えるわけではない選ばれし者だけが使える力である。


「ごめんなさい!」


ヒカリは先に謝り駆け出す。


兵も同時に駆け出したがヒカリは歴代でも最強クラスと言われるほどの才能を持った光の聖女であり兵は一撃で吹き飛ばされて壁に激突して気絶する。


「流石ですね」


「怪我してないかなー?」


「鍛えてるんで大丈夫だと思います、ほら行きますよ」


「うん」


ヒカリは倒れた兵に近付くと治癒魔法を掛ける。


ナンシーはその様子を見て思う。


この優しさこそヒカリが光の聖女であるが所以であると。


「不届者がー!」


「許さぬぞー!」


再び走っているとまた兵が現れる。


今度は自分の番!とナンシーはウツワを発現させた。


ナンシーのウツワは赤い大剣手に持つと展開し刀身から炎が放たれた。


「はぁ!」


ナンシーは容赦なく剣を振るい二人の兵は呆気なく地面に倒れる。


「ごめんね?」


ヒカリは二人にウインクしつつ治癒魔法をかけてあげた。


「着きましたよ!」


暫くして二人は最下層にある水路にやって来た。


背後からは沢山の兵が追って来ており二人は慌てて飛び乗る。


「出発!」


ナンシーは追い付かれる前にと運転席に飛び乗り水路を駆けて光の柱からの脱出を成功させるのであった。


「皆さんお疲れ様です」


兵達を指揮していたモミジは皆を労う。


そして離れて行く船を見つめる。


「ヒカリ、今からあなたが始める旅はサクラを探すだけじゃない、あなたが成長するための旅、どうか良き旅を」


モミジは見えなくなるまでヒカリを見送り旅の無事を祈るのであった。




〔???〕


一人の女性がヒカリが旅立つ様子を水晶に映して見つめていた。


「…遂に」


女は邪悪に笑う。


遂に計画を始める時がやって来たと思って。


「必ずやあなた様のご復活を果たしてみせます…」


女は立ち上がると計画を始めるため動き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ