1 なんか死んじゃったみたい?
最後に見たのは、大きなトラックとびっくりしている運転手の顔だった。
気付いたのは、真っ白な雲の中のお花畑の中だった。
「あぁ、死んだなぁ。」が最初の感想、だって、あの状況じゃどうやっても即死でしょう。
あの運転手さんには、わるいことしたなぁ。ま、事故った向うが自業自得ってとこか。
「回想中悪いんだけど、話してもいいかしら。」
突然、掛けられた声にびっくりして振り向くと、金髪碧眼の超グラマーな美女が立っていた。
こりゃ、どう見ても女神様ってやつ?
「女神様???」
「やっぱ見えるわよね、話早くて助かるわ~。状況説明してもいいかしら?」
「はぁ。」
「じゃ、とりあえず確認ね。如月 李緒 30歳、独身女性 彼氏なし、家族なし職業教師、朝、通勤途中生徒をトラックから庇って死亡。これに間違いない?」
間違っちゃいないが、もうちょい言い方ってのがないか?
「で、死んじゃったんならここって天国?」
少なくとも即、地獄行きになるほどの悪行はしてないと思うんだけど。
「いや、ここはあたしのお家。で、来てもらったのは、あなたの世界から、あたしの世界に来て、ちょっと手伝ってほしいのよ。」
「それって、あなたはあたしの世界の神様じゃないってこと?」
「うん。」
「手伝いってなに?」
「あたしんとこの、神子が神様になっちゃって、いなくなったから代わり探してたんだけど。波長の合う子いなくてさぁ。あっちこっちの神様に、頼んでたのよ。」
「波長が合う?」
「神子の仕事って要は、あたしの代理で、あたしの力を世界に行き渡らせるの。
で、これってマナを受け取って、周りにばら撒くいわば中継局みたいなもん?
巫女がいなかったり、波長が合わないと効率が悪いのよね。で、あなたが今のところ一番波長が会うのよ。」
「じゃ、そこの世界にいれば良い訳?」
「うん、あ、精霊王と魔王とは契約してあげてね。そうしたら、あの子達経由でそれぞれの種族にもマナが行くから、あとは勝手にやってくれるはず。」
「魔王も?勇者で魔王退治とかじゃないんだ」
「はぁ?なんでわざわざ倒さなきゃなんない者、自分の世界に作るわけ?世界の中のものは、あなた以外全部あたしが作ったんだから。みんな可愛いあたしの子よ?」
「そんなもんなの?」
「そんなもんよ?」
「人間はいいの?」
「あの子達は、魔力で生きてるわけじゃないから。精霊と魔族が戻ればまた勝手に増えるでしょうw」
なんかかなりアバウトな感じだけどこんなんでいいのか?