第3話 『夢を支える手』
春の朝、娘は少し憂鬱な気持ちで学校の門をくぐった。
推薦落ち、退学の危機…頭の中はまだ整理できずにいた。
しかし、放課後、家に戻ると、玄関先で蒼の兄が待っていた。
「来てくれて…どうしたの?」娘は驚きながら問いかける。
蒼の兄は優しく微笑む。
「君の夢を諦めさせたくない。大学の学費は、僕が全額支払う」
娘は目を大きく見開き、言葉を失う。
「え…本当に?」
「もちろんだ。君には才能と努力がある。怖くても、迷っても、挑戦すべきだ」
娘の胸に、一気に温かい光が差し込む。
翌日、娘は手帳に書き込む。
「怖くても、もう諦めない。パパ(蒼)の夢も、私の夢も、全部守るんだ」
学校では、友達や先生が彼女の表情の変化に気づく。
「元気になったね」
「うん、少しずつだけど…前に進む勇気が戻ってきた」
夜、家族で夕食を囲む。
母は涙ぐみながら蒼の兄に感謝を伝える。
「本当にありがとう。あなたのおかげで、娘は夢を追えるわ」
娘も微笑む。
「私も…頑張る!」
蒼の兄は優しく頷く。
「怖くても、挑戦する勇気を持つ限り、君の未来は必ず開ける」
窓の外、桜の花びらが夜風に揺れる。
娘は深呼吸し、手帳に新たな目標を書き込む。
「怖くても、前に進む。私の夢は、私の手で掴む」
春は、希望と支えを運ぶ季節。
そして、家族の愛と勇気に支えられた娘の春は、再び力強く歩き出した。




