第6章・第1話 『再び立ち上がる春』
春の朝、娘はまだ少し涙を残した目で窓の外を見つめていた。
昨日の嵐のような出来事、母が警察に連れて行かれたこと、新しいパパの経歴詐称…胸の中は混乱でいっぱいだった。
しかし、蒼の兄が家に来てくれたことが、娘に小さな希望の光を差し込ませていた。
「怖くても、立ち上がらなきゃ…」娘は手帳を開き、自分の夢と目標を書き出す。
「パパ(蒼)の夢も、ママも、守るんだ」
学校では、教師や友達が娘の状況を理解し、少しずつ支えの手を差し伸べてくれる。
「大丈夫、あなたならまた前に進める」
友達の声に、娘の目に力が戻る。
放課後、蒼の兄は娘に声をかける。
「君にはまだ未来がある。怖くても、迷っても、俺がついている」
娘は頷き、胸の奥に蒼の笑顔を思い浮かべる。
「ありがとう…私、もう逃げない」
その夜。
母は警察署から無事帰宅し、娘と抱き合う。
「ごめんね…怖い思いをさせちゃった」
娘は微笑みながら答える。
「ううん、ママ…私も、怖かったけど、頑張るって決めたの」
母は涙をぬぐい、娘の肩をそっと抱く。
「怖くても、家族と一緒なら乗り越えられるわね」
窓の外、春の桜が夜風に揺れる。
嵐の後、光が差し込むように、家族の絆も少しずつ強くなっていく。
娘は深呼吸し、手帳に新たな目標を書き込む。
「怖くても、前に進む。未来は、私が掴むんだ」
春は、試練のあとに希望をもたらす季節。
そして、家族と夢のために立ち上がった娘の春は、まだ始まったばかり。




