第9話 『信じた家族の崩壊』
春の朝。
娘は制服を着たまま、玄関で固まっていた。
母が駆け寄る。
「娘、大丈夫?どうしたの?」
娘は震える声で答える。
「…学校から呼び出し。退学処分だって…新しいパパのせいで…」
母は顔を青ざめさせる。
「まさか…そんな…」
数時間前。
警察署から電話があり、新しいパパが経歴詐称の罪で逮捕された。
学校側も、この事態を重く見て、娘に一時的な退学処分を下したのだった。
娘の胸は、怒りと悲しみ、絶望でいっぱいになる。
「私…どうしたらいいの…」
母は涙をこらえながら、娘の肩を抱く。
「大丈夫、まだ終わりじゃない。怖くても、一緒に乗り越えよう」
放課後。
娘は部屋で手帳を開く。
「パパ(蒼)の夢も、私の未来も…全部崩れそう…」
泣きながらも、彼女はペンを握る。
「でも…諦めない。絶対に、前に進む」
母も隣に座り、そっと手を握る。
「怖くても、私たちは家族よ。乗り越えられるわ」
夜。
窓の外、桜は嵐に揺れている。
娘は涙を拭い、深呼吸する。
「辛い…でも、逃げない。私は、蒼の勇気と母の愛を信じる」
母も頷き、娘の背中を優しく押す。
「一歩ずつでいいのよ。怖くても、前に進む勇気を忘れないで」
春は、試練の季節。
でも、希望の光は完全には消えない。
家族が揺れながらも支え合う限り、未来はまだ開かれている。




