第2話 『ママ、再婚』
春の陽射しが、柔らかく家の中に差し込む。
娘はリビングのソファに座り、少し緊張した表情で母を見つめる。
「ねえ…ママ、あの話、本当なの?」
母は微笑み、そっと娘の手を握る。
「そうよ。新しいパパと、結婚することになったの」
娘の胸がざわりと揺れる。
嬉しい気持ちと、どこか寂しい気持ちが入り混じる。
「でも…私、ぱぱのこと、ずっと覚えてるから…」
母は優しくうなずく。
「もちろん。ぱぱはいつも私たちの心の中にいるわ。でも、私は前に進みたいの」
数日後。
娘は学校で友達にその話を打ち明ける。
「ママ、再婚するんだ…」
友達は少し驚くが、すぐに笑顔で応える。
「いいじゃん!新しい家族が増えるんだね」
娘は照れくさそうに笑い、少しだけ安心する。
夜。
家で母と二人、夕食を囲む。
「ママ…私、ちょっと複雑な気持ちだよ」
母は頷き、静かに話す。
「そうね、きっと寂しい気持ちもあるわよね。でも、怖がらなくてもいいの。新しい家族も、今までと同じように大事に思ってくれる」
娘は深呼吸をする。
「うん…分かった」
母の言葉に少しずつ心が落ち着く。
「私、頑張るよ。ぱぱの分も、前に進むね」
翌朝。
桜の枝先に、まだ花びらが残っている。
娘は学校に向かう途中、母に小さく手を振る。
「ママ、行ってきます!」
母も笑顔で手を振り返す。
「行ってらっしゃい。あなたらしく、前に進んでね」
娘の胸に、蒼の温もりと、母の新しい愛が同時に広がる。
春は変化の季節。
怖くても、寂しくても、前に進むことで、家族はまた少しずつ強くなる。
娘は歩きながら、心の中で決める。
「私、新しい家族も大事にしよう。未来を楽しもう」
桜の花びらが舞い、光が二人の背中を照らす。
春は、終わらない。
そして、家族とともに歩む未来も、また咲き誇る――。




