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もふの手のひら冒険録 〜ゲーム初心者の聖女(予定)、異世界で伝説のモフモフたちに懐かれる〜  作者: あめとおと


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5/12

聖域の主と、至福のブラッシング・タイム

エドワードから託された銀の鍵を、古城の最奥にある古ぼけた扉に差し込むと、重厚な音を立てて扉が開きました。


そこは、天井から柔らかな光が差し込み、色とりどりの不思議な花が咲き乱れる「秘密の庭園」。


足を踏み入れた瞬間に感じたのは、これまでのダンジョンの緊張感を完全に忘れさせる、陽だまりのような温かさでした。


「わぁ……すごい……」


シノが息を呑んでいると、庭園の中央にある巨大な樹の影から、ゆっくりと「それ」が現れました。


体長は銀狼の数倍はあるでしょうか。ライオンのような堂々たる体躯に、大きな鷲の翼。しかし、その全身は驚くほど白く、綿飴のようにフワフワとした長い毛で覆われています。


『……銀の鍵に導かれし者よ。我が聖域に、何用か』


低く、けれどベルベットのように心地よい声が響きます。庭園の主、伝説の霊獣レオン・フェザーです。


「あ、あの! 私はシノと言います。この子たちに『甘いお花』を食べさせてあげたくて、エドワードさんに鍵をいただきました。……それと、あなたの毛並み、とっても素敵ですね」


恐怖よりも先に「触れてみたい」という純粋な感嘆が言葉になって出たシノ。


レオン・フェザーは黄金の瞳を細め、意外そうにシノを見つめました。


『ほう……。我を前にして、まず毛並みを褒めるとは。面白い娘だ。……よかろう、まずはその実力を、我が毛に示してみせよ』


「実力……? はい! お任せください!」


シノはアイテムボックスから、街で買い込んでいた「高級木製ブラシ」を取り出しました。


レオン・フェザーが巨体を横たえると、シノはその広大な「モフモフの大地」へと踏み込みます。


「失礼します……。わぁ、層が厚い……。まずは表面のホコリを払ってから、根元をゆっくり……」


シノはゲーム初心者ゆえに、スキルの効率などは考えません。

ただただ「気持ちよくなってほしい」という一心で、丁寧に、丁寧にブラシを動かします。


「調律師」の力が指先から伝わり、レオン・フェザーの毛並みが魔法をかけたように輝き始めました。

それを見ていた庭園の小動物たち——綿毛のようなウサギや、長い尾を持つリスたち——も、次々とシノの周りに集まってきます。


「あ、順番にやるから待っててね! あなたは耳の後ろが痒いのかな?」


気づけば、シノは巨大な霊獣の背中を枕にしながら、膝に三匹のウサギを乗せ、両手でリスたちをブラッシングするという、「モフモフの王」のような状態になっていました。


【システムメッセージ】

スキル:『神のブラッシング』を獲得しました。

スキル:『種族を超えた絆』の熟練度が最大になりました。

レオン・フェザーの好感度が「心酔」に達しました。


『……ふ、ふふ……。これほどの悦楽、数百年ぶりよ……。シノ、貴殿を我が友と認めよう……』


最強の霊獣が、シノのブラッシングに抗えず、完全に「とろけて」しまっていました。



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