表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔王とOLの日常が想像以上にドタバタで困る  作者: 白月つむぎ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/120

第10話 魔王同居、親バレする

 仕事から帰ったばかりの私のスマホが震えた。

 画面には「母」の文字。


「……はぁ。またか」


 嫌な予感を覚えつつ通話ボタンを押すと、懐かしいけれど胃がきゅっとする声が飛び込んでくる。


「みのり、元気しとると? あんた、恋人はおらんとね? お隣の根本さんとこなんか、もう孫が生まれとるとよ。あんたは、いつあたしばおばあちゃんにしてくれると?」


「お母さん……仕事終わりにそれ言うのやめてよ……」


 また始まった。

 私は二年前に上京して以来、この手の“圧”を何度受けてきたことか。


 付き合っていた元彼――借金、ギャンブル、嘘、仕事放棄。

 あの破滅みたいな恋愛で心が擦り切れてから、私は恋愛というものに近づいていない。


 そんな過去を知っているくせに、母は今日も容赦ない。


「みのり、ほんと肝心なとこが抜けとるけん。ちゃんと男の人とも……」


 そのときだった。


「みのり。トリートメントが切れそうだ。悪いが、余の分を追加で用意しておいてくれ」


 お風呂場から響く、低く響く声。


 ……やば。


「ん? 今の誰ね? 男の声やん! みのり、あんた……彼氏、おると?」


「ち、違っ……!」


「なんね、隠さんでもよかやん。ほら見てみい、ちゃんと男ば連れとるやん。よかったぁ……お母さん安心したぁ」


「ほんとに違うから!」


「もうよかよか。今度そっ子に挨拶しに行くけんね。日にち決めて連絡するばい」


「ちょ、待って、それは……!」


 ぷつり。


 通話は容赦なく切られた。


 スマホを握りしめたまま、私はぐったりとソファに倒れ込む。


「…………まずいことになった」


 天井を見上げると、じわじわと胃痛が襲ってきた。

 まさか、魔王との同居を“彼氏ができた”と誤解されて、母が挨拶に来るなんて――。


 よりにもよって、魔王と。


 頭を抱えた私の横で、お風呂上がりのあっくんがタオルで髪を拭いて言う。


「みのり。余のトリートメントはどうなった?」


「…………あとで話すから」


 返す声は、完全に魂が抜けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ